ジャッキー・チェン主演の痛快鉄道アクション・コメディ映画『レイルロード・タイガー』に出演する池内博之にインタビューを行った。
すごく嬉しかったです。クランクインしたのが10月だったんですけど、お話しをいただいたのが夏くらいでした。決まったって聞いて、「どうして僕だったんだろう」と聞いたら、(池内が出演した)『イップ・マン 序章』(2008)を見てくださっていて、その時の僕とジャッキーさんがアクションをしているシーンが見てみたいということでお話をいただきました。やってきたことがつながって嬉しかったです。
―本作では主演のジャッキー・チェンさんと共演しています。ジャッキーさんと言えば大スターですが共演した感想をお聞かせください。
めちゃくちゃ緊張しました。最初がアクションシーンで「えーー!」と思いました。あまりうまくいかなかったところもあって・・・。本編エンドロールのNG集にも出ているんですけど。緊張していたのもあって、加減が分からなかったです。ジャッキーさんには「もっと出てきていいんだよ!」「加減しないでもっと強く打って」と言っていただきました。そう言っていただいたおかげで“今まで通りでいいんだな”と思い、ほっとしました。
―池内さんはアクションのイメージがあまりありませんが、本作ではかなり激しく動いていますね。練習はされましたか?
実はあまりしてないです。ほとんどぶっつけ本番です。アクションと聞いていたので体作りはやっていました。ジャッキーさんとはアクションシーンが多いと聞いていたので、キャスティングされる前から、本格的にパーソナルトレーニングで体作りをやりました。その後、決まって、練習とかするのかなと思っていたら、そういうのはなく、ぶっつけ本番でした。ちょっとリハーサルやったくらいでした。
―池内さんは柔道や殺陣をやっていらっしゃったとお聞きしましたが、そういった経験は役立ちましたか?
もちろん多少は役に立っていると思います。ただ、そんなに慣れてはいないので(笑)アクションシーンでは、ジャッキーさんのスタントの方がめちゃくちゃそっくりなんですよ。ジャッキーさんだと思ったら「違いますよ」って言われて、何が違うのかと思ったら「ダブルの人です」って言われました。
―物語の設定が第二次世界大戦です。日本の指揮官役ですが役柄についてはどのように考えていましたか?
一応敵役ですが、コメディ映画なので悪役と言うより、そこまでシリアスにやらずに、コメディ要素が出てくるといいなと思っていました。台本があるようでないような状況だったで、だったので、どこでそういう要素を出したほうがいいのかは考えていました。普段は台本をもらうと、ここでこれはやれるなってある程度頭の中でわかるんですけど、中国では現場で渡されて「池内さんこうやって、ここはコメディタッチでやりましょう」という指示が毎回ありました。
―冒頭ではシリアスなのに、ジャッキーのチームがギャグを入れ、途中からコメディ要素が盛り込まれていきましたね。
その辺もコメディ要素を入れたいから、自由に入れています。男性にキスをするシーンも元々はなかったんです。僕が聞き間違えただけで・・・間違っちゃったんですよ。本番前に、監督が「彼女にキスをして」って言っていたんですけど、彼にキスをしてしまいました。
―中国で撮影していますが、コミュニケーションなどはいかがでしたか?
結構英語で話していました。ジャッキーさんは通訳通さずに英語で僕に話しかけてきていただきました。監督とは通訳を通していました。
―ほかの方々はいかがでしたか?
中国語です。なかなかしゃべれる方がいなかったのですが、ジャッキーさんの息子のジェイシーさんは英語と日本語を話せてコミュニケーションを取っていました。間に入ってくれたりもしました。
―今回の撮影で、中国で気に入った場所はありますか?
田舎の小さい街での撮影でした。時間があるときは、近くに山のふもとにあるアスレチックで、日本からもってきたものを使ってトレーニングをしていたので気に入っています。
―とても寒い場所と聞きました。
マイナス20度くらいです。とにかく寒さは大変でした
―湖のシーンもありますよね。
あのシーンはまだ暖かかったんでよかったですが、後半が大変でしたね。
―アクション全般で苦労されたことはありますか?
結構長回しをするんです。軽く段取りをして、テストをしてすぐ本番でした。もうちょっと細かくリハーサルをしてから本番をやるのかなと思っていたのですが。後半にかけてアクションも多かったので、全体的に大変でしたね。
―日本での撮影と一番違うと感じるところはどこですか?
台本がないところですね。セリフも一応覚えるんですけど、現場に行くと変わっちゃうので。現場で柔軟に対応していかなければならない。
―撮影で大変だったことはありますか?
僕が中国語を話せたらコミュニケーション取れたのになって思いました。
―池内さんは、近年アジアの作品にいくつか出演されていますが、今回の作品で改めて気づいたことや今後の活躍に活かしていけると思ったことはありますか?
ご一緒させていただいて、素敵な俳優さんや女優さんがいて、改めて世界は広いなと思いました。機会があれば中国だけではなく、いろんな作品に出られたらいいなと思っています。
―今後やってみたい役はありますか?
そうですね、普通の人(笑)普通に会社に勤めていて、生きている中での葛藤だったり、問題や壁を乗り越えたり・・・。軍服とかいかつい感じの役が多いので、普通の人は最近やってないですね。
―軍服似合っていると思いましたが、着心地などはいかがでした?
いろんなもの着こんでいるんですよ、寒いから。パンパンになりながらやりました。
―本作をこれから鑑賞する方に、楽しんでもらいたいポイントはありますか?
アクション・コメディ映画なので、若い方から大人まで楽しんでいただける作品になっています。吹替え版もありますので、両方とも見ていただけるといいなと思います。
映画『レイルロード・タイガー』は2017年6月16日(金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国で公開!
監督:ディン・シェン
出演:ジャッキー・チェン、ファン・ズータオ、ワン・カイ、池内博之、シュイ・ファン、サン・ピン、ン・ウィンラン、矢野浩二、ジャン・ランシン、チャン・イーシャン
配給:プレシディオ