『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』に出演する本仮屋ユイカにインタビューを行った。
―撮り終えた終えた感想をお聞かせいただけますか?
すごく楽しかったです。最高でした。「あそこが苦労して」ということは全くなく、ただ楽しく終わりました。特に沖縄で撮影できたことがありがたかったです。いつも自分がいる生活環境とはまるで違うところに行かせていただいて、かつ大自然のパワーをいただいて、開放的な気持ちでいることができました。キャストのみなさんとも近い距離で演技ができたことがありがたかったです。
―天候にも恵まれていましたか?
はい・・・いや、ウルトラチームですごい雨男がいるんです。来るとすごい雨が降るんです。一度だけ大雨にあったことがあって、「今飛行機乗ったらしい!」と言われて「だからか!」と。でも、それ以外は天候はよかったです。
―衣裳がお似合いですよね。
私に合わせて作ってもらいました。デザインからやってもらって、衣装合わせをしながら、“もっとこうしたい”ということなどを取り入れてもらい、とても気に入っている衣装です。ここから沖縄の歴史が始まったという気持ちで作っていったので、沖縄らしさを取り入れています。
―現代の衣裳はガラッと変わりますよね。
みんなにはハイキングって言われていました(笑)
―普段のファッションとは違いますか?
どちらかと言うとカジュアルですね。機能性がないと嫌です。機能がついている服にはとても惹かれます。「いつ使うの?」って言われるんですけど、このポケットにこのレインコートを入れられる、とか大好きです。あと青色が大好きです。自分のイメージカラーの一つなので、最初は赤という候補もあったのですが、青というリクエストを聞いてもらいました。かなり希望通りに作ってもらいました。元々とてもよかったものを、こうして欲しいとお願いしました。
―衣裳で動き回るのは大変でしたか?
動くことも考えて作られているので何の苦もなくて、「私はたぶん転ぶから裾を短くして欲しい」ということも考えられていました。
―今回特撮作品が初めてでしたが、初めにオファーを受けた時はどう思いましたか?
2回聞きました。「え?ウルトラマン?私が?」と。「間違いないです、ウルトラマンです」と言われて台本を読んだんですけど、とても嬉しかったです。これまでに想像したこともなかったです。甥っ子が1歳になったんで早く見せたいです。クランクイン前にも「自分が・・・」という感動があったんですけど、撮影に入るとチームのみなさんが心から全員がウルトラマンを愛していたので、その中に入れた感動を毎日感じながら演じていました。みんなでLINEをしていてもウルトラマンのスタンプを送ってくれたりするんです。それぞれがチームにいることに誇りを持っていました。だからこそ、とても短い時間の中で、素晴らしい作品を作れるんだなと思いました。決して余裕があったスケジュールではありませんが、全員がベストを尽くしてやっていました。私は(撮影期間が)3週間くらいでしたが、ほかのみなさんはドラマシリーズと平行して撮っていたのですごいですよね。みなさん、ピュアな大人たちでした。
―普段の撮影とは違いますか?
そうですね。怪獣にしても、資料としてはあっても見えないので、どのくらいの大きさでどのくらいのスピードの怪獣なのか。でも、あのチームはそのなんとなくの気持ちを共有して、一つのものを作れるんです。最初は戸惑いました。どれくらいのリアクションをするのがベストなのかなと。しかも、地球人じゃないということが難しいかったです。でも、“みんなと違ってもいいんだ、宇宙人だし”と思いながら演じました。
―クシア人という役ですが、役作りはしましたか?
ずっと見守ってきた、探していた人に会えるのですが、“ずっと”という感覚が、私が想像する10万倍なんだということを忘れないようにしていました。何万年も生きていて、何万年も探し求めているので。私が意識するクシアの人々は、より高度な文化で生きているから、地球人とは違う感情を持っていると思っていました。だからより自分の感情をクリアに、そのままぶつけられました。地球人なら照れちゃうところも、照れずにできるようにイメージしました。
―初めに話を聞いたときにキャラクターへのイメージはありましたか?
ここ10年では、1位・2位を争うくらいやりやすい役でした。友達からも変わっていると言われたり、「宇宙人なんじゃない?」と揶揄されて言われることがあったので、宇宙人ということに対してもそんなに遠く離れてない距離感だったということもあります。あと、よりよくしたい、生きている世界を何かをしたいと思っており、愛琉にはそれができる。地球のために行動して、地球を救うリクくんを導くことができるというのは、地球人の本仮屋ユイカとしてもやってみたい壮大なテーマで、それを具体的に動いている役だったので、とても共感したし、畏敬の念を感じて演じてました。
―ご自身との共通点はありますか?
こんなに素晴らしい人じゃない(笑)愛情深さと思慮深さはすごい、私はまだまだだなと思いました。監督からは、お母さん的な要素が欲しいと言われていたんです。私はどちらかというとお母さんっぽいといわれることがあるのでそういうところは似ていると思います。
―朝倉リク/ウルトラマンジードを演じる濱田さんとの共演はいかがでしたか?
濱田君は超がつくほどのウルトラマンオタクなので、分からないことがあれば彼に聞きました。誰よりも詳しく、的確に、簡潔に教えてくれます。台本を読ませていただいたときに、だれがどういう関係でとかやはり難しくて。そういうときに「これ、前のシリーズではこういう呼び方で」とか、濱田君からウルトラマンへの溢れる愛を感じました。
―濱田さんとの印象的なエピソードはありますか?
濱田君はとても自由で、でもとてもまじめで、私とは全く違うスタイルで仕事に挑んでいました。こういう方がもっといいとか、芸歴が長いこそかもしれませんが、落ち着いている方でした。私は先輩なんですけど、ちょこちょこといじってもらえて、そういう距離の詰め方が嬉しかったです。
―これまでにウルトラマンをご覧になったことはありますか?どのようなイメージでしたか?
もちろんあります。普通の人とは違う、選ばれし人たちというイメージでした。「ジード」も選ばれし人たちという意味では同じですが、スーツを着ていたり、Gジャンを着ていたり、見た目が普段の私たちと近いから、より親近感を覚えることができました。ただ、隊員服に憧れがありましたし、守られるお姫様をやりたいなとも思いました。結局、全然守られない戦う宇宙人でしたけど・・・。
―ウルトラマンの魅力ってなんだと思いますか?
健気さ、誠実さだと思います。ウルトラマンの歌を口ずさんでいると胸が熱くなることが多いんです。こんなにまっすぐに人類と地球を守ってくれるなんて、なんて素敵なんだろうと。そこは(自身が演じる)愛琉ともリンクしやすくてよく歌っていました。
―好きなタイプのウルトラマンはいますか?
セブンかな。ジードはかっこよすぎて、馴染むのに時間がかかりました。ジャグラーは初めて見たとき驚きました。「青柳(尊哉)さんこれになるの!?」と、かっこいいけど友達にはなれないと思いました。みんなそれぞれ自分の役を愛しているんですよ。フィギュアとかも愛でるように眺めていました。とても大事にしていて、だから愛琉もフィギュアと言わず、シールなど記念になるグッズかできたらいいな、なんて思っちゃいました。
―比嘉愛琉の見て欲しいポイントはありますか?
こんなに地球を大好きという人ってあまり見たことがない気がします。それを見て、地球にいる私たちって素晴らしいんだなと気づくきっかけになるかと思います。気に入っているシーンがひとつあります。地球に初めて降り立つシーンで、地球の美しさを伝えることと、故郷を失ってしまったこと、グクルシーサーという大地を守っている守り主と自分がシンパシーを持っていることをとても表現できていたんです・・・と自画自賛になってしまうんですけど(笑)自分しか出てこないんですけど、そのシーンが大好きなんです。もうひとつは、初めてジードと会うところが好きです。初めて出会う緊迫感と、これから何かあるんだなというワクワク感、それで言葉をまっすぐに発するようにしました。人間みたいに葛藤は生まないように演じたかったので、まっすぐなコミュニケーションを見て欲しいです。
―本作をご覧になる方にメッセージをお願いします。
ジードシリーズを追いかけている方も、ウルトラマンを最近観ていないなという方も、すごく心が洗われる映画になっています。沖縄の美しい自然と、仲間が純粋な思いで心を通い合わせることができる素晴らしさ、希望を持つことは力になると前向きになれる映画なので、ぜひ劇場に足を運んでいただけるとありがたいです。
2017年7月から12月まで放送された円谷プロダクション制作シリーズ最新作「ウルトラマンジード」。主演を濱田龍臣が務め、、監督に坂本浩一、シリーズ構成・脚本に小説家の乙一を迎え、メインキャラクターの声に宮野真守、小野友樹、三森すずこ、潘めぐみ、浅沼晋太郎ら大人気声優陣をキャスティング。シリーズ史上唯一の“悪に堕ちたウルトラマン”ウルトラマンベリアルの遺伝子を受け継ぎ、ウルトラマンジードに変身する主人公・朝倉リク(濱田龍臣)の己の運命との戦い、平凡なサラリーマンと一体化した若きヒーロー・ウルトラマンゼロ(小澤雄太)との共闘、ベリアルに忠臣を誓う謎のライバルの登場など、複雑に絡み合った重厚なストーリーと世界観が好評を得た。
『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』は2018年3月10日(土)より全国で公開中!
監督:坂本浩一
出演:濱田龍臣、山本千尋、長谷川眞優、小澤雄太、本仮屋ユイカ、宍戸開、ジャッキーちゃん、青柳尊哉、石黒英雄
声の出演:小西克幸、三森すずこ、潘めぐみ、浅沼晋太郎、宮野真守、緑川 光、神谷浩史、関智一、入野自由、田中秀幸、池田昌子/西岡德馬
配給:松竹メディア事業部
©劇場版ウルトラマンジード製作委員会