映画『GOZEN-純恋の剣-』で神谷八重役を演じる優希美青にインタビューを行った。
―時代劇へは初めてですか?
優希 以前、NHK-BSのドラマで少し出演させていただいて、本格的な時代劇は今回が初めてです。
―オファーを受けたときのお気持ちをお聞かせください。
優希 もともと病気を抱えながら前向きに生きていく女の子という役を演じてみたかったので、とてもうれしかったですし、時代劇にももう一度挑戦できるということで、しかも10代最後に時代劇に出演ができたのがうれしかったです。
―優希さんは学生の役が多いと思いますが、今回着物を着て演じています。普段の撮影と違うところはありますか?
優希 最初はかつらや着物が見慣れないので、当たり前ではあるのですが違和感があって恥ずかしかったです。最初は帯も苦しかったんですけど、慣れてきたら、苦しくなくなったし、自然に着ることができました。メイクさんにも「だんだん八重になってきたね」って言われてうれしかったです。
―共演者はアクション作品に出ている方が多いです。初めて共演される方が多いですよね。
優希 そうですね、皆さん初めてです。犬飼さんは真剣に入り込んで考えていらっしゃったので、その姿を見て刺激をいただき、次のシーンを“ああしよう、こうしよう”と思いながら演じました。
―完成した映画をご覧になっていかがでしたか?
優希 台本を読んだ時は首を切られるとか、見ることができるか心配だったんですけど、とても見やすくて女の子でも楽しめると思いました。試合のシーンもかっこいいし、監督が特撮作品を撮られているのでカメラワークがすごく、迫力があって、見ていて楽しくなってきましたしワクワクしました。
―京都で撮影されたと聞きました。“京都のプロが撮影した”ということですが普段と違うことはありましたか?
優希 本格的に時代劇に挑戦するのは初めてでしたので、手紙を書くシーンでは、カメラマンさんも照明さんもメイクさんも、「もうちょっと手首こうだよ」とか、「もっとこうしたほうがいいよ」とアドバイスをくださって、スタッフのみなさんに細かい所在など細かく教えて頂き勉強になりました。
―撮影前にはそういった練習はされましたか?
優希 所作稽古をさせていただきました。歩き方とか、走り方とか、座り方とか。
―大変でしたか?
優希 走るとなると前に行きたいし、急いじゃうからどうしても大股になっちゃいますが、昔の人は小股でささっと走るのがきれいだったから小股で走ってって言われましたが、どうしても走らなきゃってなるから大股になっちゃって苦戦しました。
―時代劇ならではの苦労ですね。
優希 今では普通にしゃべっているイントネーションでも、昔は語尾が違ったり、そういうのも知らなかったので、初めてこうだよって言われた時に苦戦しました。
―監督は仮面ライダーなどの作品を撮っていらっしゃいますが、演出で記憶に残っていることはありますか?
優希 映画全体のカットやシーンが頭の中に細かく描かれているんだろうなというのをとても感じました。本読みの時も「このシーンはこうでこうで」と教えてくださいました。順番通りに撮らなくても、「次はこうで」というのをスムーズにおっしゃっていたので、私も監督のイメージがわかりやすかったです。
―完成した映画はご自身の想像通りでしたか?
優希 見ごたえがあったと思いました。試合のシーンもそうですが、ストーリーもとてもおもしろいし、恋愛と闘いのバランスがいい具合に詰まっていて素敵な作品だと思いました。
―普段時代劇を見ることはありますか?
優希 小さい頃におばあちゃんとよく「水戸黄門」とか「暴れん坊将軍」は見ていたんですけど、映画で見たことはないです。
―優希さんは本作での八重とイメージがとても合っていましたね。また時代劇に出演してみたいですか?
優希 やりたいなと思っています。
―やってみたい役のイメージはありますか?
優希 くノ一もかっこいいなと思います。私はアクションをがっつりやったことがないので、殺陣もやってみたいと思いました。難しそうなんですけど、楽しそうにやっていたのでいいなと思いました。
―楽しそうでしたか?
優希 イメージトレーニングのようなものをやっていたのでいいなと思いました。私もやってみたいと思いました。
―ほかキャストの方とアクションなどについてお話はされましたか?
優希 久保田(悠来)さんとはお話をしました。犬飼さんとはなかなかお話ができなかったんです。
―今回この映画に出て得られたことはありますか?
優希 その時代ならではの、イントネーションなどを知れたのも勉強になりましたし、また京都で撮りたいなというか、また同じスタッフさんとご一緒したいなという目標ができたのでよかったなと思います。やりたいことができました。
―キャストさんもいい関係性が築けましたか?
優希 スタッフさんも本当にみなさん優しかったです。私が分からないことだらけだったので。着物の着方も、「どうやったらいいですか?」と聞いたら畳み方も一から教えてくださいました。そういうのもうれしくて、つい「これはどうするんですか?」とかいっぱい聞いちゃったんですけど、ちゃんと丁寧に教えてくださいました。うれしかったです。
―このキャストやスタッフでまた映画となると、きっとアクションですよね。
優希 そうですね(笑)またアクションになりますね(笑)
―このキャストと一緒だったらこういったものをやってみたいというのはありますか?どうしてもアクションが出てきちゃうと思いますが・・・(笑)
優希 闘っちゃいますね(笑)私も闘ってみたかったですね。元気な子で。
―今回、意識して演じたことはありますか?
優希 八重は病気だから、登場したときにこの子どこか悪いんだろうなというのを表現しなきゃいけないけど、あまりにもその部分を強く出しすぎて、ただ弱い子に見えたらそれはまたイメージが違うと思いました。芯は通っていて、自分の意思をまっすぐに持っている子だから難しかったです。
―ところで、セリフの中で「毎晩鬼の夢を見る」というセリフがあって、とても印象的でした。優希さんご自身は怖い夢を見ることはありますか?
優希 しょっちゅうあります。暑くて汗をかいているときは怖い夢を見ていると思います。刺されたりとか、逆に私が刺していたりとか(笑)火事の夢とかよく見ますね。夢占いが好きなんですけど、そういう悪い夢ってだいたいいいことだったりするから、プラスに考えています(笑)
―本作で見てほしいポイントはありますか?
優希 もともと隠密として人を殺したりしている凛ノ介(犬飼)が八重に出会って初めて殺すことに抵抗をもって、人間らしくなっていくというか、八重が凛ノ介を人間らしくしていくので、お互いが初めて好きになって、でも凛ノ介の不器用さもかわいらしくて好きなので2人の純愛も楽しんでみてもらいたいなと思います。
―最後に、これから本作を見る方にメッセージをお願いします。
優希 恋愛はもちろん、好きな人を命がけで守る御前試合も見ごたえがあると思います。女の子も楽しめるのでいろんな人に見てもらいたいなと思います。
ヘアメイク:RYO(ROI)
スタイリスト:森宗大輔
【写真・文/編集部】
幕府の隠密・凛ノ介(犬飼貴丈)は、幕府への謀反を企てている疑惑がある府月藩に潜入していた。その証拠となる書状が筆頭家老・神谷の元にあるという情報を掴んだ凛ノ介は、神谷が参列する祭りに出かける。そこで美しい娘・八重(優希美青)と出会う。二人は瞬間的に惹かれ合うが、八重は他ならぬ神谷の娘であった。心を乱しながらも隠密としての使命を全うしようとする凛ノ介だったが、凛ノ介を隠密と疑う府月藩士・甚八郎(武田航平)が神谷と手を組み八重との縁談を進め「御前試合で勝てば八重をくれてやる」と挑発する。だが、それは隠密たちを炙り出して公開処刑するため、藩主・望月甲斐正(波岡一喜)が企んだ死の宴であった――。
映画『GOZEN-純恋の剣-』は2019年7月5日(金)より公開!
監督:石田秀範
出演:犬飼貴丈、優希美青、武田航平、小野塚勇人、町井祥真、前山剛久、松村龍之介、大島蓉子、冨家規政、元木聖也、井澤勇貴、松本寛也、井俣太良、菊地美香、福本清三、矢崎広、久保田悠来、波岡一喜
配給:東映ビデオ
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