『下忍 赤い影』山口まゆ インタビュー

INTERVIEW

映画『下忍 赤い影』でヒロインを務める山口まゆにインタビューを行った。

―着物がとてもお似合いでしたね。これまでに着物を着る機会はありましたか?
山口 作品でここまで着物を着ることは初めてでした。

―今回お話があった時に本作についてどのようなイメージがありましたか?
山口 オーディションだったのですが、台本ではイメージしきれない部分がたくさんありました。衣装合わせとかメイクをしていくことで何となくイメージが出来上がってきました。そこからイメージがわいたということもあったので、形から入っていこうというのはありました。時代物は初めての挑戦だったので、まずはお姫様とかを調べて形から作っていけたらいいなと思っていました。作品の台本とは全然違うと思いました。アクションシーンも迫力があったので、完成した映画を見て、こういう仕上がりなんだなと思いました。

―アクションシーンを演じることはありませんでしたが、撮影現場を見る機会はありましたか?
山口 そうですね、一度さらわれるシーンでアクションはその場で見ていて、ほかのシーンも同じ日に撮影していることがあったので見に行くことはありました。アクションシーンは止めて撮ることが多かったのですが、最後のアクションシーンだけワンカットで撮っていたのですごい迫力でした。

―初めての時代劇ですが、これまでの作品と違うところはありましたか?
山口 やっぱりセリフの違いですね。普段慣れていないセリフが多かったので、それがうまく頭に入らなかったり、言い回しも結構苦労しました。セリフに見合った自分があの場にいなければいけないのが難しかったです。

―セリフを覚えるために特訓したことは?
山口 普段は家で言い回しの練習とかはしないんですけど、今回は最後の語尾を強くしてみようとか、セリフを発しながら考えました。

―劇中では寛一郎さんと一緒のシーンが多かったですよね。
山口 寛一郎さんは、飾ることもなく、人間らしいというか、とにかく自然体な方でした。素のままがかっこいい最強の人だと思います。それが竜という役と合っていると思いました。寛一郎さんが演じる竜がすごく好きで、かっこつけてるんだけどどこか未完成。けだるくだらしないようなところが(山口演じる)静という姫から見たらちょっと支えてあげたくなったり、外の世界を知っているのでそこに惹かれたり、お互いにないものねだりをして一緒にいるようなバランスがとてもよくて、やっていて居心地がよかったです。ここは強くいこうとか、言わないでおこうとか、お芝居の変化が楽しめたので竜が寛一郎さんでよかったなと思いました。キャスト同士がとても仲が良かったです。

―撮影はどれくらいの期間だったのですか?
山口 10日間くらいの撮影でした。なんだかんだで連れまわされている役なので遠くに撮影に行ったりもしました。外のシーンも多くて大変でした。

―本作に出演して挑戦だったことはありますか?
山口 今までに経験のない時代劇だったというのもそうですし、役が自分からかけ離れすぎていていました。いつもは自分を引き寄せて撮影に臨むことが多いんですけど、今回は形から入ることにしました。外を形成してから自分が中に入っていこうというスタンスで挑んだので、セリフの言い回しとか見え方に気を使いました。かっこつけてみたりとか、セリフ負けしてしまうのが嫌だったので、それに合った目の動きをつけてみるとか、自分がやってきたお芝居では初めての経験だったので楽しく演じることができました。

―実際に完成した映画をご覧になっていかがでしたか?
山口 台本に書かれていないアクションシーンはとても迫力があって、映像にしてみるとやっぱりすごいなと思いました。あとは大きい爆発があったのでそれも迫力がありましたね。物語は知っていたので、あの本が映像化するとこうなんだと思うと文字だとわからないことがたくさんあったので、完成した映画を見て、できたんだなと強く思いました。

―思っていたのと違った部分はありましたか?
山口 本読みの時に自分のキャラクターもそうですけど一番衝撃を受けたのが、竜のキャラクターでこんなにけだるいんだとびっくりしたんですけど、画面を通してみたらナチュラルで、素敵な竜が出来上がっていてそれに追いつかなきゃと思いました。

―本作では静という芯が強い役を演じています。演じるうえで意識している点はありますか?
山口 静はお姫様なのでプライドが高いというのがあると思うのですが、それだと人間味がないというか、遠い存在に見えると思います。忍者が連れ出すことで崩れていく、でも崩れていくけど解放されたかがいい解放のされ方なので、自分自身が崩れていくわけではないのでちょっといろんなところが解けていくことを表現したくて、所々で見せる幼さやないものねだりを見せるところを大事にしたいと思って演じていました。

―趣味が映画鑑賞と伺いました。
山口 今は洋画ばかり見ています。一日に4本とか5本見ることもあります。昨日は映画館に『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を見に行きましたが、タランティーノ監督の作品を見ようと思って、『ジャンゴ』を見たりとか、ブラッド・ピットさん、ディカプリオさんの作品を見ようと探っていって見たりとか、好きな女優さんを決めて探っていって、その作品でまた好きな人がいたら見る。ジャンルは絞らず見たいものを見ようと思っています。

―女優としての活動にも影響はでていますか?
山口 そうですね、影響されている部分もあると思いますが、基本は映画が好きなのでただ映画鑑賞をしているというのが大きいです。海外の映画ってリアクションがオーバーだったり、日本にはない独特な感じがおもしろくて、こういう動きができたらおもしろいなとか発見していくことは多いかもしれないです。今までそういう見方をしたことはなかったんですけど、この動きなんだろうというのは注目してみたりはしています。

―時代劇は興味がわきましたか?
山口 自分が出演していなければおそらくかかわらなかったと思いますが、ぜひみなさんにも見ていただきたいです。深堀して、こういう役を演じたいとか、お姫様ではなくて、違うキャラクターでやってみたいという興味は沸きました。

―アクションも?
山口 アクションをやってみたいです。うらやましいな、かっこいいなと思ってみていました。

―似合いそうですよね。
山口 体を動かすのが好きなのでいただけたらやりたいですね。

―これからやってみたいことはありますか?
山口 自分とかけ離れた役が最近は多くて、それをやっていくことで、役を引き出してくれて、やったことで見えてくる課題があったりして、ひとつひとつこなしていくのが楽しいです。どんどん挑戦になっていくので、自分と離れた役を挑戦していきたいなと思いました。

―最後にこれから作品を見る方に見どころをお願いします。
山口 アクションが見どころだと思います。ワンカットのシーンも見ていただきたいです。出てくるキャラクターの4人のうまい具合のバランスの会話劇が見ていて面白いと思うので注目ポイントだと思います。

STORY
本作は、日本最高峰のアクションチームが放つ、本格忍者アクション。時は幕末、鳥羽伏見の戦い。誰もが知る歴史の裏側で、緻密な諜報戦が繰り広げられていた。戦いの導火線となった、忍者組織の最下層である「下忍」の末裔「竜」と琉球武術の使い手「尚」。ふたりの忍びの知られざる活躍を描く。『下忍 赤い影』の主演は寛一郎。『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『菊とギロチン』で数々の新人賞を受賞した実力派俳優が、壮絶なる死闘に挑んだ。そして、『下忍 青い影』の主演は「快盗戦隊ルパンレンジャーVS 警察戦隊パトレンジャー」でパトレン1号・朝加圭一郎役を好演し、今回さらに進化したアクションに挑んだ結木滉星。二作品を通して『HiGH&LOW THE RED RAIN』のアクション監督、『キングダム』左慈役でも注目された坂口拓がアクション監修を手掛け、『デメキン』の山口義高が大ヒット作『猫侍』以来の時代劇映画のメガホンをとる。


TRAILER

DATA
映画『下忍 赤い影』は2019年10月4日(金) よりシネマート新宿・心斎橋ほかで公開、『下忍 青い影』は2019年11月15日(金) よりシネマート新宿・心斎橋ほかで公開!
監督:山口義高
『下忍 赤い影』
出演:寛一郎、山口まゆ、結木滉星、中谷太郎、行平あい佳、PANTA(頭脳警察)、榊英雄、津田寛治
『下忍 青い影』
出演:結木滉星、寛一郎、三上紗弥、菜葉菜、山本千尋、行平あい佳、榊英雄、須賀貴匡、津田寛治
配給:AMGエンタテインメント
©2019「下忍」製作委員会

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