『がんばれいわ!!ロボコン ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻』でロボコン役の声を演じた斎藤千和にインタビューを行った。
斎藤 私はいわゆるロボコンぽい声ではないと思うので、まさか自分ができるとは思わなかったです。オーディションのテープを録った時は自分がやるなんて夢にも思っていなかったので、好き放題やりました。決まったと聞いたときは、“やっと!”と思ったけど、“どうしよう”とも思いました。最初からハードルは高いぞ・・・と。でも、すごくうれしかったです。
斎藤 短いセリフと場面が書いてあったんですけど、少しト書きがあったくらいで細かい説明はなかったので、セリフから想像できる一番おもしろい言い方を自分の中で考えました。
斎藤 そもそもオーディションでロボコンと“汁なしタンタンメン”を受けたのですが、汁なしタンタンメンというワードが・・・。あまりにもイメージがわかなくて、台本を読んだら分かるかなと思ったんですけど、台本を読んでも分からなくて(笑)実際に映像を観てみないと、火を噴くロビン、爆発するロボコンとか、そのレベルが分からなかったです。家で台本を読んで、しばらく考えたのですが、読み込んで行ったら負けかもしれないと思って、映像を観て勢いで合わせていったほうがいいかと思いました。よくないかもしれないんですけど、台本は読み込んでいません(笑)パワーワードだらけの台本でした。おもしろかったです。
斎藤 『がんばれ!!ロボコン』の時はまだ生まれてなくて、子どものころにやっていた名場面集みたいなイメージがありました。『燃えろ!!ロボコン』の時は大学生の時期でお仕事はしていたんですけど、特撮を観る年齢ではなくて。作品はもちろん知っていたのですが、ロボコンにハマって観ていた世代ではなかったです。イメージはあったのですが、あまり知らなくて、それが逆に良かったのかなと自分の中では思っています。真似をしないでできました。
斎藤 広いスタジオで一人でぽつんと録りました。サクサクっと進めて、結構短時間でピンポイントで録りました。早かったです。撮影は詳しくは分からないのですが、「勢いで撮影したんです!」というのは監督がおっしゃっていました。いい意味で勢いでできたと思います。
斎藤 声優側は一人ずつ録るのがオーソドックスだと思うんですけど、アニメとかは変わっていると思います。みんなで一緒にできないので、個別で間にシールドを置いています。収録現場に行って初めて映像を観て、全編ではないんですけどマスクをしている姿が最初は衝撃だったんですが、今観るのにいいかなと思いました。作品は虚構の世界なのでマスクをしていなくても違和感はないんですけど、親としては安心して観ることができます。子どもはマスクをすることに抵抗があって、めんどくさいとか、嫌だとかがありますが、キャラクターたちがしてると途中から安心感があるというか、すごく不思議な感覚でした。新しい感覚でしたね。
斎藤 決まってから以前の作品を観たんですけど、ちょっと観てからやめておこうと思いました。レジェンドの先輩方がやっているので、先輩方のやり方を真似をしちゃうなと思いました。最初は観てくださる方を意識してしまったのですが、子ども向けにやったほうがいいかもと。以前の作品に一番ハマった人も子どもの頃に観ていると思うんです。それからは先輩方を観るのではなくて、自分がロボコンとして感じたものを出しました。
斎藤 映像の進化です。いい意味でオーバーにやりすぎない。声だけで説明しすぎないほうがいいかなと。昔は声で「爆発した~」とかやらないと説明がつかなかったのが、それ以外のところでも説明がつくようになったので、オーバーにやりすぎないほうがいいのかなと思いました。
斎藤 生の演じる人たちがいて・・・ロボコンは生かはわからないんですけど(笑)映像だけで説明がついているので、それを完成させるスパイスのひとつとして自分がいると思います。一番上に名前を書いていただいているのですが、あくまでも演じていらっしゃる方がメインになる声の作り方ができたらいいなと思っています。動きだったり、表情変化も生かすような、ひとつのスパイスとして自分も加われたらいいなと思い参加しました。説明が全部できているのでわかりやすかったです。アニメだとわかりづらかったりするんですけど、迷うことなくやりやすかったです。
斎藤 私は特徴がないと思っているんです。ロボコンの声ってロボコンっぽいっていうのがあるじゃないですか。少年っぽくて、ガキ大将っぽくて、子どもらしいかわいらしい声ですね。オーディションはやったものの、何が正解かはわからなくて。私ができることは何かと考えて、映像に瞬発力でついていって、ロボコンをけん引していくというより、映像の中のロボコンについていくというほうが私らしいかなと思いました。映像のロボコンをより盛り上げることができたらいいなと。私がやりたいこと、私が見て欲しいというよりも、観客がやってほしいこと、スーツアクターの方がこうあててほしいと思うことを想像してやりました。できているかはわかりませんが、できているといいなと思います。
斎藤 最初は考えすぎちゃったんですけど、台本をいただくまでは、オーディションのときのセリフを子どもの前で言って、笑うと“これはありなんだ”と思いました。息子がスルーしたときは“これはなしだ”と。そこで役作りができたような気がします。今回のロボコンにハマる人がいたらうちの息子と気が合うと思います(笑)大人がイメージするおもしろいと違うかもしれないですね。とにかく元気でまっすぐなほうが子どもは笑ってくれたので。割とストレートで元気なほうが子どもには響くのだと思いました。
斎藤 ロビンちゃんがすごくかわいかったです。ロビンちゃんとヒロシは、子どもがいる身としては本当にかわいくて。ロボコンは見た目が大きいので忘れがちですけど、その子たちと同じくらいの子どもというイメージのほうがいいのかなと演じるうえでは思っていました。
斎藤 歌うと聞いてロボコンとして歌うんだろうなとは思ったんですけど、曲を聞いて、すごく元気がでる、子ども番組のように楽しく歌えたらいいなと思いました。お芝居するときと歌うときは少し違うので、声を保ちながら音程を撮るのはハードルが高くて。現場に行って、歌った時に「ロボコン、ロボコン!」って盛り上げてくださって、気持ちよく歌わせていただきました。とにかく楽しく元気に収録しました。
斎藤 それがすごく楽しみです!収録したときはまだエフェクトがされていなかったのですが、こういう作品はド派手に体験したらすごく楽しいと思います。新しい技術の進化なので、新しいものとしてどうなるのか私も想像がつかないですね。ほかの中華たちがどんな声なのか知らなくて楽しみにしています。
斎藤 今回ロボコンを演じるにあたって、昭和のロボコンや平成のロボコンへのリスペクトを最大限に持ちつつ、リスペクトがあるからこそ真似しない新しいロボコンを表現できたらいいなと思いました。何よりも、観た後に「あ~おもしろかった!」と思ってもらえるのがいいと思うので、収録の時はとにかくその場面で自分が一番楽しいお芝居を心掛けました。気が沈みがちだったり、元気がなくなったりしている時期に、みんなもうがんばっているので、「がんばれいわ」くらいがちょうどいいんじゃないかと思います。みんなで明るく楽しく、明日も笑おうと思える作品に仕上がっています。元気になってもらえたらいいなと思います。
【写真・文/編集部】
タマゴ型で赤くコーティングされたボディに愛らしい眼が特徴的なドジなお手伝いロボット“ロボコン”。1975年に『がんばれ!!ロボコン』が放送され、最高視聴率が29.2%を記録、1999年~2000年にかけては、香港で巻き起こった空前の「ロボコン」ブームが日本にも押し寄せ、『燃えろ!!ロボコン』が放送。そして、令和に突入した今、新生「ロボコン」が20年ぶりに映画になって帰ってくる。本作では石田秀範監督と脚本家・浦沢義雄による『燃えろ!!ロボコン』以来の夢の再タッグが実現。20年ぶりに蘇る「ロボコン」が、令和の時代にどんなドタバタ劇を繰り広げるのか?昭和、平成、令和と3つの時代を一貫したギャグセンスで駆け抜けてきた新生「ロボコン」ここに誕生。
映画『人体のサバイバル!』『がんばれいわ!!ロボコン ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻』は2020年7月31日(金)より全国で公開!
『人体のサバイバル!』
声の出演:松田颯水、潘めぐみ、石田彰、岩崎ひろし/ナレーション:東地宏樹
©Gomdori co., Han Hyun-Dong/Mirae N/Jeong Jun-Gyu/Ludens Media /朝日新聞出版・東映アニメーション
『がんばれいわ!!ロボコン』
監督:石田秀範
出演:斎藤千和、江原正士、土屋希乃、鈴村健一、小浦一優(芋洗坂係長)、高橋ユウ、清水ミチコ
©石森プロ・東映