『がんばれいわ!!ロボコン』石田秀範監督 インタビュー

INTERVIEW

『がんばれいわ!!ロボコン ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻』の石田秀範監督にインタビューを行った。

初めに本作のお話が合ったのはいつ頃でしたか?

監督 今年の2月~3月頃でした。新型コロナウイルスの感染が騒がれ始めたころで、こんなことになるとは思わなかったです。脚本を作る段階から参加しています。

ロボコンのデザインが少し変わりましたね。

監督 ソーラーパネルになっていたり、現代風に多少アップデートされました。僕から注文は特にしていないんですけど、石ノ森(章太郎)先生がデザインなので僕がああだこうだ言う感じではないのでお任せをしています。

そんな中でも丸いデザインは変わらずで、ロボコンが帰ってきた感じがします。

監督 丸くてなんぼですよね。ぬいぐるみ的なところがあるのかな。ハグしたい、そういうイメージなのかもしれないですね。

本作のキャスティングについて伺いたいです。ヒロシ役の屋鋪琥三郎くんは?

監督 オーディションで決めました。僕のイメージではヒロシは華奢でひ弱なイメージでした。現場ではハツラツとやってました。初日こそ緊張してましたけど。芝居心がある子なのか、楽しんでやってましたね。

ズボンを上げる仕草がかわいいですよね。

監督 かわいいですよね。あれは僕が注文を出したんですけど、子どもらしい仕草が欲しかったんです。

お父さんのカズオ役・小浦一優(芋洗坂係長)さんとお母さんのヨーコ役・高橋ユウさんのキャスティングはいかがでしたか?

監督 プロデューサーから何人か候補を出してもらったんですけど、美女と野獣ですよね。あと歳の差があること。パパはパッと見で印象に残るキャラじゃないといけないと思って芸人さんから選ばせていただきました。人を楽しませるポイントはさすがだなと思います。ママの髙橋さんは彼女が高校生くらいの時に一緒に仕事をしたんですけど(『仮面ライダーキバ』(2008))、今や一児の母でしっかりとしたお母さんになっていました。表現者としてもおもしろい表現をしていただいてとても満足しています。

ロビンちゃんもかわいかったですよね。

監督 かわいい子がちょっと乱暴というのがいいのかなと思います。かわいいだけじゃなくて、そこに特徴的なキャラ付けをしたかった。強いというかわがままですね(笑)世界は自分を中心に回っているという女の子にしたかったです。

清水ミチコさんも味のあるキャラクターを演じています。

監督 なんていったって名前がトルネード婆々ですからね。普通じゃないからおもしろい表現をしてくださる方ということで清水さんにお願いしました。見た目と裏のギャップがあったほうがおもしろいと思いますし、根っこは優しい人というほうが楽しめると思いました。

ロボコンと汁なしタンタンメンの声優さんは?

監督 テープオーディションで決めました。芝居心がある人ですよね。作りものなので、声優さんがいかにがんばれるか、いかに表現できるかで決まると思うんです。なるべく表現豊かな声優さん、芝居の幅がある方、芝居心がある方、悪ふざけができる方ということで、斎藤千和さんと鈴村健一さんを選びました。

20年ぶりのロボコンですが、手掛けるうえで心掛けたことはありましたか?

監督 ブランクを意識したことはなかったんですけど、子どもたちが喜ぶかどうかは考えました。子ども目線を優先するというか、それしか考えてなかったです。遊園地に行って一日遊んできた。それで喜んだ。いい思い出になった。それさえあればよかったと思いました。

MX4Dでも上映されます。こだわりの演出はありますか?

監督 子どもが遊園地に行ってアトラクションで楽しむ、ああいう感覚になってもらえるといいかなと思いました。どうしたら子どもが楽しめるかに集中しました。

今回コロナの影響で苦労されたこともあるかと思いますが大変だったことも?

監督 マスクにフェイスシールドに、常に消毒液を持ち歩いていました。僕というよりも裏方のスタッフが苦労したと思います。コロナの影響を受けている中で撮影に入ったので、みんな緊張していたと思います。クランクインが押して時間的な制約も厳しくなって、でもその中でも少しでも撮影がしやすくなるように、スタッフとキャストが気持ちよくできるように会社がうまく支えてくれたので助かりました。こういう状況の時に眉をひそめて仕事をしていると暗く重い空気になっちゃうんです。笑いながら撮影ができるように、いいから大丈夫だよと、がんばろうぜって仕向けてくれたんです。それでずいぶん気持ちが楽になりました。気持ちの持ち方次第じゃないですかね。危機を重く受け止めるのか、どう受け止めるのかで変わってくると思う。

ちなみに気になったところですが、エンドロールに出てくる謎のおじさんは・・・?

監督 ・・・だれでしょうね(笑)あれは初日だったんです。コロナでピリピリしている現場がなるべく楽しくなるように、嫌なことを忘れられるような雰囲気を作りたくて、ああいうふざけたことをしました。ああいうのも演出というのかな。スタッフの気持ちを和らげる。自分でもよくやったと思います(笑)恥ずかしい。

最後に本作を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

監督 嫌なことがあったらロボコンを観ましょう。一時ではありますが楽しくなるので、日頃の嫌なことを忘れられるように作りました。楽しんでもらえれば何よりです。

【写真・文/編集部】

STORY
タマゴ型で赤くコーティングされたボディに愛らしい眼が特徴的なドジなお手伝いロボット“ロボコン”。1975年に『がんばれ!!ロボコン』が放送され、最高視聴率が29.2%を記録、1999年~2000年にかけては、香港で巻き起こった空前の「ロボコン」ブームが日本にも押し寄せ、『燃えろ!!ロボコン』が放送。そして、令和に突入した今、新生「ロボコン」が20年ぶりに映画になって帰ってくる。本作では石田秀範監督と脚本家・浦沢義雄による『燃えろ!!ロボコン』以来の夢の再タッグが実現。20年ぶりに蘇る「ロボコン」が、令和の時代にどんなドタバタ劇を繰り広げるのか?昭和、平成、令和と3つの時代を一貫したギャグセンスで駆け抜けてきた新生「ロボコン」ここに誕生。


TRAILER

DATA
映画『人体のサバイバル!』『がんばれいわ!!ロボコン ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻』は2020年7月31日(金)より全国で公開!
『人体のサバイバル!』
声の出演:松田颯水、潘めぐみ、石田彰、岩崎ひろし/ナレーション:東地宏樹
©Gomdori co., Han Hyun-Dong/Mirae N/Jeong Jun-Gyu/Ludens Media /朝日新聞出版・東映アニメーション
『がんばれいわ!!ロボコン』
監督:石田秀範
出演:斎藤千和、江原正士、土屋希乃、鈴村健一、小浦一優(芋洗坂係長)、高橋ユウ、清水ミチコ
©石森プロ・東映

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