『湯あがりスケッチ』で北千住の銭湯「タカラ湯」の3代目・愛之助(村上淳)のひとり娘・氏子ゆづ葉役を演じた新谷ゆづみにインタビューを行った。
新谷 中川監督には、ひとつ前に撮影した『やがて海へと届く』という映画で初めてお世話になっていて、そこが監督との初めての出会いでした。その映画とは作風が全く違うドラマに「新谷さんにこの役で出演していただきたいです」と聞いたときにすごく嬉しかったです。またすぐにお会いできたことが嬉しかったし、作品の色も全然違ったので撮影が楽しみだと思いました。役名も“ゆづ葉”で“ゆづ”が入っていて、『やがて海へと届く』は“羽純(はずみ)”という役名でちょっとゆづみに似ていたり、役名にこだわってくださっているのかなと思うと嬉しかったです。
新谷 衣装合わせなどを重ねるうちに、「髪の毛の色は明るいほうが合うんじゃないか」という話が出てきて、私も脚本を読んだ段階からそのほうがいいと思っていたので「じゃ染めたいです」と言って、すぐに染めに行きました。一度、『異世界居酒屋「のぶ」』というドラマの時に赤に染めたことがあったんですけど、それ以来でした。
新谷 まず髪色が変わったことで気持ちが変わったのが大きかったです。あと、ゆづ葉は「普通の女子高生であってほしい」と監督から言われていて。さくら学院の頃から所作に気を付けている自分がいて、気が付いたら足をそろえていたりするのですが、監督に「ゆず葉はもっと足はラフな感じで」と言われていたので、そこは気を付けました。足の位置とか、足を組んでいたり、だらんとしていたり。無意識にそろえてしまう癖がついていたので逆に難しかったです。
新谷 監督からは「新谷さんは自分で考えたら面白そうだから考えてきてほしい」と言われていたので、考えてリストアップして持って行きました(笑)“バイトしたいけどまだ父親には言えてない”みたいな細かい部分で本人にしか分からないことを考えていました。友達は多いほうだけど、自分から話にいったりはしないとか、勝手な想像で考えて、監督と共有していました。設定では、ゆず葉はアイスが好きで劇中でも食べているというのもありました。
新谷 撮影していく中で、OKが出るまでアイスを何個も食べなきゃいけないことに気づいて、結構食べました(笑)途中から美術さんが、ろうそくのろうで偽物のアイスを作ってくださったんですけど、やっぱり本物のアイスがいいとなって変更したりしました(笑)
新谷 基本的に自由で「ゆづみさんらしく」と言っていただいていた、その言葉があったので変に緊張せずにできました。後半で、私が銭湯に入るシーンがあるんですけど、悩んでいることが明らかになる回で、そのシーンの時に「ゆず葉が悩んでいることをゆづみさんなりに考えて欲しい」と言われてすごく印象的でした。普段は監督が思うことを大事にしたいと思って演じるんですけど、逆に問いかけてくれる。「ゆづみさんならどう思う?」と演出してくださったので、私も役について考えるきっかけにもなったのでありがたい演出だと思いました。
新谷 私はほぼ銭湯での撮影でした。セットではなくて実際の銭湯で、北千住に実際にある銭湯です。そこが撮影所みたいになって、いつも北千住で待ち合わせてバスで連れて行ってもらっていました。
新谷 できました。台本はもちろんあったんですけど、「セリフにとらわれないで、ラフな感じでやってほしい」というお話で、セリフにないことも結構言ったりしていました。村上さんも結構自由におっしゃっていたので、負けないようにやっていました(笑)
新谷 最初は結構大変でした。みなさんのセリフがぶつかり合うから“私どこで入ったらいいんだろう”と現場の雰囲気にびっくりしたんですけど、そういった演技が新しかったし経験をしたことがなかったので勉強になったし、経験できて楽しかったです。
新谷 全体的に小川さん、村上さん、森崎さんとの4人でのやり取りが多かったです。3人でわちゃわちゃして、小川さんが演じる穂波ちゃんがそれを見守るのが多かったです。
新谷 結構お話をさせていただきました。一番話していたのは村上さんです。撮影外でも隣に座ってくださって、お仕事の話とか、村上さんが18歳の時にしていたことを聞いて、「今どきの子は何してるの?」とか楽しく話をさせていただきました。
新谷 やはり村上さんからすごく学んだ気がします。役のこと以外で、ほかの仕事の話も聞いてくださって。村上さんが若いころに不安だったとかを聞いて、共感もできたし、大先輩の方でも若いころは悩んでたんだということを直接話で聞くことができたのが人生で初めてだったので。話しかけてくださったのが嬉しかったですし、現場の居方が勉強になりました。
新谷 ゲストのキャストの方々とは一緒にいる時間があまりなかったので話せてはないのですが、中田青渚さんは事務所が同じで、私が小学生の頃に大阪のレッスンで一緒だったんです。初めて一緒に仕事をしたので感慨深かったです。
新谷 この作品が決まった時に、ほぼ初めて東京の銭湯に行ったんです。そこで、“素敵な場所だ”と思って。今まで自分のお家のお風呂に入ることも好きでリラックスできる場所だったんですけど、実際に「小杉湯」さんという高円寺にある銭湯に行ったんです。そこでのリラックスはハンパなかったです(笑)衝撃でした。リラックスできる場所が見つけられてうれしかったです。役としては銭湯に入ることが好きではない役ですけど、新谷ゆづみとしては銭湯が好きになりました。“ととのう”とはこういうことかと思いました(笑)ととのいました(笑)
新谷 サウナも好きです。岩盤浴とかも、すごい好き!リラックスできる場所はそういうところかもしれないです。
新谷 卒業式が早くて2月中旬なので、もう学生ではなくなってしまいます(笑)
新谷 学生ではなくなるのが意外と嫌ではなくて、ある意味で解放感があるというか。逆に学生だからできないことがあった気がしていて、そういう意味では少しうれしい気持ちもあります。たぶん卒業式当日はさみしい気持ちもありますが、今の心境で言うと楽しみです。
新谷 平日の昼間にカフェに行ったりとか、そういったことをしたいと思っています。平日にランチとかしてみたいです。
新谷 ほっこりするし、背中を押される作品だなと思っています。銭湯に来る人とか、銭湯で働いている人もいて。いろいろな人に出会って成長していく姿を見て、人との出会いを大切にしたくなる、前向きになれる作品だと思います。
【写真・文/編集部】
“銭湯ブーム”の火付け役となった「銭湯図解」の作者・塩谷歩波の人生を原案として生まれるドラマ『湯あがりスケッチ』は、「銭湯図解」がきっかけで、ちょっと可笑しくも愛らしい人々との出会いが生まれていくストーリー。全8話で構成される本作は、主人公の穂波(小川紗良)が訪れる銭湯で出会った人物を、そのエピソードの鍵として描いていきます。毎話ごとに今も実際に営業している都内の銭湯と、それぞれのエピソードの鍵となる8人の女性が登場し、物語を盛り上げる。
『湯あがりスケッチ』(全8話)は毎週木曜日22時よりひかりTVで独占配信中!
監督・脚本:中川龍太郎
出演:小川紗良、森崎ウィン、新谷ゆづみ/村上淳、伊藤万理華、安達祐実、臼田あさ美、室井滋、夏子、中田青渚、成海璃子
ドラマ公式サイト: こちら
ひかりTV では「湯あがりスケッチ」をはじめとして、銭湯・サウナを舞台にしたドラマを多数配信中!併せてお楽しみください( こちら)