『牛首村』でミツキ役を演じた莉子にインタビューを行った。
莉子 今まで怖い作品が本当に見れなかったんです。だから今回、台本を読むときも気合いを入れて、「よし、読むぞ！」という感じで読んだんですけど、台本から清水組の世界に入り込んでしまって、読み終わった後に満足感がありました。怖かったなと感じたので私は現場に行けるのだろうかと思ってしまいました。台本でこれだけ怖がらせるのはさすが清水組だなと…。そこからは期待と同時に不安と緊張がありました。
莉子 清水監督は有名ですし、見ようと思っていたんですけど、怖いので予告だけ見て、“やっぱり怖いな”と思って諦めていました（笑）だから、今回はまさか出演させていただけるということで、“私でいいのかな”という気持ちもありました。現場に入ってからは「こうしてほしい」と言われるよりは、アキナのアシスタントという立場で、「うまくやってもらえれば」と、あとは現場に行って坪野鉱泉の雰囲気を感じてもらってという感じでした。
莉子 先に出演した後のことを考えてしまったんです。試写で見ないといけないという（笑）ただ清水組に出させていただけるという機会は素晴らしいので、迷いはなく「出ます」と言いました。直前になって、「実際の心霊スポットに行く」と聞いたんですけど、逆に自分が怖くて見れなかったくらいの作品の撮影に携われることは楽しみで、そこはワクワクでした。
莉子 衣装合わせの時にアキナが黄色のニットを着て、私が紫のニットを着て、今どきっぽいリアルな高校生なんだと思ってそれを大切にしようと思いました。2人の言葉遣いも今どきな言葉が並べられていましたし、アキナ役の大谷凜香ちゃんは「恐怖の村」シリーズにずっと出ているので、一緒にがんばろうという気持ちでした。凜香ちゃんは素敵な方で人柄に助けられました。現場ではセリフもテンポよく言った感覚でした。
莉子 書いてあったのでいずれそうなるとは思ったんですけど、あそこまでアクションをやるとは思っていなくて、「全部自分でやるんですか！？」って（笑）CGの力もありますけど、実際にワイヤーをつけて演じました。結構怖かったですけど、やってみたら楽しかったし、達成感がありました。あのシーンでクランクアップだったのでいい経験をさせてもらったと思いました。
莉子 普通に怖かったです。行くからには調べちゃったりしたんですけどそうしたら余計に怖くなっちゃって…。本当の廃墟を使ったから緊張感も出ましたし、真っ暗で、床が抜けている部分もあったので、いるだけで怖かったです。だからこそ、あのシーンが出来上がったのかなと思いました。踏み入れる瞬間だけ気合いで頑張って（笑）それ以降は居心地はよくないですけど慣れてきちゃいましたけど、ずっと緊張感が漂う現場でした。
莉子 「一緒にがんばろう」と言ってくださいました。私の車のシーンは、アキナが以前に経験してたので、「どうやるの？」って聞いたりしました（笑）会った瞬間から仲良しになりました。
莉子 廃墟のシーンは何回もリハーサルを重ねました。凜香ちゃんがスマホをもって撮影しなきゃいけないので、「カメラマン 大谷凜香」なんです。何回もリハーサルを重ねたので思い出がありますし、それだけ長い時間、廃墟にいたと思うと怖いですね。落書きもあるんですけど、どこまでが元々描いてあって、どこからが美術さんが描いたものなのかが分からなくて怖かったので、ずっと「これは美術さんだよね？」とか、自分たちに言い聞かせながらがんばってました（笑）どこまでやったのかいまだにわからないです。
莉子 すごいピュアでかわいらしい女の子です。同い年なので、「高校卒業しちゃったね」とか。
莉子 普段はほわほわしてかわいらしい女の子なんですけど、リハーサルのときからの集中力は近くで見ていても素晴らしいと思いました。
莉子 家族の愛を中心に動いている部分があるので、最初から最後まで見るといい物語だったなと思いました。そこに注目していただければもしかしたら怖さがやわらぐかもしれないというくらい素敵な物語です。あとはKōki,さんが演じている双子のところは本当に魅力的です。個人的に怖くて頭に残っているのは、松尾さんのエレベーターのシーン。本当にホラーを感じました。怖かった…。
莉子 スタッフさんが全員ファミリーみたいに温かくて、受け入れてくださったので楽しくやらせていただきました。撮っている映像はすごいですけど、その撮影裏では本当におもしろくて優しい方ばかりでした。最終日に疲れてイスで寝ていたら、シャッターの音が聞こえて目を開けたら清水監督でした（笑）監督が素敵な方だったので楽しい現場でした。
莉子 SNSを使うところとかは今どきだなと思いました。YouTubeでもホラーのコンテンツが盛んですけど、私もそういうのが好きだったらやっているんだろうなと思いました。アキナのアシスタントですけど、ちょっとどこかで有名になりたいと思っているところは、ミツキのいいところでもあり、裏目に出ちゃうこともあるんですけど、愛くるしいなと思いったので、いいバランスで演じられたらと思いました。
莉子 小学生の頃の定番の怪談話とかはあります。“トイレの花子さん”とかは鮮明に覚えていますね。ビビりなんですよ。小学生のころから信じていて、3番目のトイレには絶対に入らなかったです（笑）
莉子 絶対にダメですね。唯一、雑誌の企画で「一人で入ってください」って言われて、どうなってもいいっていう気持ちで意を決して入りました。
莉子 それ話したいんですけど…ないんです（笑）ほぼ全員と言っていいくらいに「莉子さん、そういうのない性格だよね（笑）」って言われるので（笑）ホテルに泊まったのですが、何もなかったので、ちょっと安心しました（笑）
莉子 あの作品がきっかけでお芝居が楽しくできるようになったと言っていいくらいすごく重要な作品でした。そこからの映画なのであの時は今でも自分じゃ見れないくらいの演技をしていた感覚なんですけど、今回はある程度の知識を入れたうえで演じられたということがありますし、あとは演技が楽しくなったので現場で楽しむことができました。『小説の神様』の時はすべてが初めてすぎて、ひたすら緊張と不安しかなくて、それがちょっと出ちゃっていた部分があったと思うんですけど、今回は楽しみながら掛け合いができたと思うのでそこは変わったと思っています。最初はセリフを覚えることを全くしたことがなかったので苦戦していたんですけど、今はありがたいことにたくさんの作品に出演させていただく機会をいただいて、セリフを覚えることに集中するというところから、現場で増えていくセリフなどに臨機応変に対応できるようにと心掛けています。現場を経て出来上がるというのが大きいです。
莉子 カメラが回っていないところでは全く関係ない日常会話をしていました。あと撮影が夏だったので虫に刺されて「いやだ～」なんて普通に女子してました（笑）本当に高校生の会話でした（笑）
莉子 女優としてはまっすぐでいたいです。どこでも楽しめるように。長期の撮影になると体力が勝負だったりするんですけど、いい意味で感じさせない女優さんになれればと思います。今回はホラーという新しい境地を経験させていただいたので、この経験を生かしてもっとホラーやりたいと思います。でも怖すぎるのはちょっと嫌ですけど（笑）役柄としては悪役をやりたいです。私を知ってる方は「悪役は難しいんじゃない？」って言うんですけど、難しいからこそやってみたいというのはあります。
莉子 家族の愛も物語の一つのカギになっているので、家族で見に行っていただくのもいいと思いますし、あとは清水組ならではのホラーが本当に魅力的で映像もきれいなので楽しんでいただけたらと思います。でも本当に怖さには注意してください（笑）
【写真・文／編集部】
2020年2月に公開し大ヒットを果たした清水崇監督作品『犬鳴村』、第2弾として2021年2月に公開された『樹海村』、そして待望の「恐怖の村」シリーズ第3弾のタイトルは『牛首村』。北陸に実在する最凶の心霊スポットが舞台となる。そんな最恐スポットを舞台にした本作で主演を務めるのは、モデルとして国内外問わず大活躍中のKōki,。本作が女優デビューとなる。
『牛首村』は2022年2月18日（金）より公開！
監督：清水崇
出演：Kōki,、萩原利久、高橋文哉、芋生悠、大谷凜香、莉子、松尾諭、堀内敬子、田中直樹、麿赤兒
配給：東映
©2022 「牛首村」製作委員会
