『階段の先には踊り場がある』で主人公の夢と現実の狭間で揺れるヒロイン・ゆっこ役を演じた植田雅にインタビューを行った。
植田 とてもやりやすかったです。みなさん、私より経験もありますし、年齢も上の方ばかりで、優しくしていただいたのでとても頼りにさせていただきました。
植田 はい、話をさせていただきました。今回の作品は会話劇で少し長めのシーンが多かったので、撮影する前の空き時間に本読みをお願いしたりしました。お芝居の面も、空気作りでも頼っていました。
植田 あのシーンは結構大変でした。セリフの後半に来たら「ここで間違えたらまた最初からだ」と頭の中で変なことを考えそうなので、それを考えないようにすることが大変でした。
植田 あまり作り込まず、セリフを頭の中に入れて、あとは現場の空気や相手とのコミュニケーションの中で作っていきました。セリフは空き時間さえあれば読み合わせをしてました。私の長いセリフのシーンは主に先輩とのシーンか多かったので、平井(亜門)さんにはよくお手伝いしていただきました。
植田 平井さんはこの作品のムードメーカーでどんどんどんどん引っ張っていただいていて、その場で演出が生まれたりもしました。リハーサルでとりあえずやってみる感じでした。休憩中とかも仲良くしていただいたので、あまり切り替えることもなく、そのまま延長線上でいうこと演じていました。
植田 力が入っていたら変な感じになるので、あの温かい現場の空気だったり、みなさんの優しさが、そういった空気感を作っていたので、緊張することなくスムーズに演じることができました。
植田 先輩(平井)と多部ちゃん(手島実優)の雰囲気がお似合いだなと私の目には見えたので、役作りや気持ちを作ることはせずに、2人を見ていたら何となくそうゆっこの気持ちになれたような気がします。空き時間には他の共演者のお芝居を見ていました。多部ちゃんと先輩のキスシーンでは、いつの間にかゆっことして撮影を見ていて、胸騒ぎがしたり、お似合いだなという気持ちになりました。そこで生まれた感情は、嫌な感情でもあるんですけど忘れないように大切にしていました。嫌な感情ではあるんですけど、忘れないようにしようと思いました。
植田 みなさんが自分の好きなようにお芝居をしてるので、多分監督も想定していないような言い方が生まれて、それでクスっと笑ってしまうようなこともありました。台本に載ってないセリフが飛んでくるので、そういうのも楽しかったです。
植田 ジャンルが全然違っていて、一度練習のような形で踊ったこともあるんですけど、ゆっこの踊ってるジャンルが難しくて、リズムとかも全然違いました。同じダンスをしているという身では、別物のように感じました。
植田 お芝居をするというのは相手の方がいるから、自分でセリフを言うだけではなくて、相手にまで届かないとダメなので、そういう面でほかの共演者の方々を見ていて発声の仕方だったり、滑舌だったりを相手にまで届けるというのがとても勉強になりました。
植田 私は映像作品に出たいんですけど、その中でもやっぱり映画が好きなのでもっと映画に出たいです。
植田 普段経験できないような、例えば怒りの感情とか、マイナスな感情とか、普段は放出できないようなものを放出する役柄を演じてみたいなです。
植田 『タイタニック』です。中学生の時に観ましたが、今までで一番泣いた作品です。
植田 いろいろな人間関係を見ることができる作品なので、多分どの年代の方でも誰かのキャラクターに共感できる部分があるんじゃないかなと思います。感情移入していただけたら、セリフも面白いので楽しめるかなと思います。あまり重い作品ではないので、ゆっくりと楽しんでみていただきたいです。
【写真・文/編集部】
大学生の初々しい恋愛と、常に円満とはいかない人間関係の難しさ、そして夢に向かう希望と挫折をクスッと笑えるユーモアを交えて描いた本作。ダンサーを目指し芸大の舞踊科に通うゆっこは、同じ大学の演劇科に通う元カレの先輩と別れた後も同棲を続けている。お互いを応援する“いいパートナー”だと呼び合うが、最近は夢をかけた留学、そして先輩と急接近する友人・多部ちゃんの存在が気に掛かる。一方、社会人の滝は平穏な日々を送っているが、⻑年交際している港から結婚を意識させられ困惑していた。将来が見えない滝は、大学生のときに味わったある挫折を今も引きずっていたのだ。望まない方向に動きだす日々の先で、彼らは何を語り合うのか――。
『階段の先には踊り場がある』
脚本・監督・編集:木村聡志
出演:植田雅、平井亜門、手島実優、細川岳、朝木ちひろ、安楽涼、松森モヘー、地道元春、益山 U☆G、長野こうへい、高橋良浩、つじかりん、寺田華佳、浅森咲希奈、須田マドカ、苅田裕介、大山大、野島健矢、異儀田夏葉、藤田健彦/湯舟すぴか、山口森広
配給:レプロエンタテインメント
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