『世の中にたえて桜のなかりせば』で終活アドバイザーのバイトをしている不登校の女子高生・咲役を演じた岩本蓮加（乃木坂46）にインタビューを行った。
岩本 “え？”と…言葉が出ていなかったと思います（笑）最後まで疑っていました。それはいったいどういう…という感じでした。すぐに「ありがとうございます」とは言えなかったです。
岩本 台本をいただいて読んだ時に「これから始まるんだな」という実感がありました。
岩本 最初に読んだ時は難しいお話なのかなという印象がありました。自分がちゃんと理解をしてから演技をしたいので、理解をするまでに時間がかかりそうな印象がありました。でも実際にリハーサルを重ねていくうちに、伝わりやすいメッセージ性が込められていて、主人公が高校生で、いろいろな人と関わり合って影響を受けて成長していくという過程は、感情がストレートに伝えられると思いました。
岩本 台本をいただいてからすぐにリハーサルが始まって、撮影期間に入ったので、役作りはあまりしませんでした。最初の段階で“等身大に演じる”ということを伝えていただいていたので、あまり深く考えずに挑戦のような感覚でリハーサルに臨みました。全てが初めてで、何をしたらいいのか分からなかったので、とにかく精一杯やろうという気持ちだけは張り切っていました。
岩本 咲は南雲先生が大好きなんですけど、憧れている人がいて、その人に何かがあったときに、私もきっと見放さないと思うので似ていると思いました。
岩本 乃木坂46に入る前に「齋藤飛鳥さんが好き」と言っていて、今でもすごく好きなので憧れです。表現力があるし、いろいろな面でお仕事をして、それぞれで違う色を出せるのが素敵だと思います。
岩本 演技に憧れたのは幼いころだったので、飛鳥さんを見て演技をしたくなったというわけではないのですが、“演技をしている飛鳥さんもまたいい”という思いはあります。普段の顔と全然違うと思いますし、表情もどのシーンも美しいので、そういう意味では影響があって、自分もこういう表現をしたいなと思うことがあります。
岩本 出演の話を聞いてからすぐに仲がいいメンバーには言いました。「おめでとう」とか「絶対見に行くね」と言ってくれました。
岩本 あそこまで感情を表に出すことは今までになかったので難しかったです。でも、きっと大事な人がそうなったら心の中で叫びたくなると思ったので、それを表に出すと考えると気持ちは入ったのですが、実際に表現をするのが難しくて、何回もやり直しました。最終的には伝わるようにできたと思います。
岩本 ロケが楽しかったです。いろいろな景色を見に行くシーンでは穏やかなところに行ったりして、気持ちが安らいでリラックスして演技ができたので楽しかったです。撮影を終えた後で別日に声を録ったのですが、映画を撮り終えてから細かい演技を声で入れたりするというのは初めて知りました。
岩本 お会いしたその瞬間から「本当に暖かい方」だと分かるくらい、気さくに話しかけてくださって、「自由にやっていいよ」と言っていただきました。「いい名前だね」とも言ってくださって、些細な言葉で緊張がほぐれて、場の空気を明るくしていただきました。そういったところが素敵だと思いました。
岩本 監督からは直接はあまりなかったのですが、「暗くなりすぎないように」とは言われました。私の役はマイナスに捉えがちな面もあると思うんですけど、根底にあるものが明るい女の子だと言われたので、重めのセリフや影のあるセリフも「あまり暗くなりすぎずに、前向きに言ってみてね」と言われていました。「こういう風に伝わったらいいなと思ってる」というニュアンスだけは伝えられていたので、“どう言ったらいいだろう”と自分で考えて演じました。監督の言うニュアンスは私には伝わるけど、それをどう表現すれば観客に伝わるのかが難しくて、思うようにいかないこともありました。
岩本 言えないのはなかったんですけど、どうしたら“棒読み”に聞こえるかの言い方が難しかったです。あのシーンが一番監督とリハーサルを重ねたと思います。台本が新しくなっていくたびに、そのページだけ自分の文字だらけで、“こういう風に言う”と書き直して試行錯誤していました。監督も「もうちょっと棒読みに聞こえたいよね」とおっしゃっていたんですけど、誰にも正解が分からなくて。監督も考え込むし、私も考え込むといった感じでした。
岩本 よかったです。「これだ！」というのが見つかりました。
岩本 完成した作品を見た時に、ちょっと恥ずかしい気持ちになったりもするのかなと思ったんですけど、ちゃんと咲として見ることができたと思っていて、それは新しい自分だと思いました。演技をしている側というよりも、ちゃんと作品として見れたので。
岩本 思いました。たくさん学ばせていただいたので、活かせる機会があれば嬉しいですし、ファンの方もまた見たいと言ってくれているので機会があれば嬉しいです。
岩本 カメラが好きなのでお仕事に活かせたらと個人的には思っています。その時に見た景色をどれだけいかに自分の見た目と近く表現できるかをいつも一人で挑戦しているので、撮影したいです。
岩本 写されるときは思わないんですけど、メンバーの写真を撮るときは、私が一番メンバーをかわいく撮れるという自信を持って撮っています（笑）仲がいいほど、いい表情が引き出せると思っています。
岩本 最初の作品がこの作品で本当によかったと思っています。メッセージ性のある映画を演じられるのがありがたかったです。私は、感動したなと思える映画だったり、いい映画だったなと思える作品が好きで、自分が好きなジャンルを演じることができてよかったと思います。実際に見ていただいた方の感想を聞いても、「考えさせられる」、「前向きになれる」という感想をもらえるのが何よりもうれしかったので、楽しめたし、いい経験になったと思います。
【写真・文／編集部】
本作のタイトルである「世の中にたえて桜のなかりせば」とは、桜にまつわる詩からの引用。“桜の季節”と“終活”をテーマに、岩本蓮加と宝田明の【70歳】の年の差コンビが描く心温まるヒューマンドラマが誕生した。W主演を務める岩本蓮加と宝田明が演じるのは、「終活屋」で働き、様々な境遇の人たちの終活を手伝う“終活アドバイザー”。余命幾ばくもない宝田の妻役を吉行和子が演じる。企画立案は宝田企画で、宝田明自らもエグゼクティブプロデューサーを務める。監督は、多くの映画祭で短編映画賞を受賞し、短編作品「サイレン」（2017）が国内外の映画祭で賞に輝くなど気鋭の若手・三宅伸行。主題歌「蒼空」は柔らかで温かみのあるハーモニーを奏でる2人組ボーカルデュオall at onceが担当し、プロデュースを亀田誠治が担当した。
『世の中にたえて桜のなかりせば』は2022年4月1日（金）より全国公開中！
■スタッフ
監督：三宅伸行
■キャスト
岩本蓮加(乃木坂46)
土居志央梨 郭 智博 名村 辰 柊 瑠美 伊東由美子
徳井 優 吉行和子
宝田 明
©2021『世の中にたえて桜のなかりせば』製作委員会
