『ALIVEHOON アライブフーン』で何よりもチームの絆を大切にするメカニック・武藤夏実役を演じた吉川愛にインタビューを行った。
吉川 私は洋画が好きで、小さい頃からいろいろな映画を見ているんですけど、その中でも『ワイルド・スピード』が好きなんです。なので、日本でどこまで作ることができるのかと正直なところ最初は少し不安もありました(笑)ただ、物語はおもしろかったし、これがうまくいってかっこよく撮れたら素敵な作品になると思いました。
吉川 インスタとかで見るとおとなしめだと思われがちなんですけど、ずっとしゃべっていたり、実は夏実ちゃん寄りで演じやすかったです。さすがに夏実ちゃんほど口調は強くないですけど(笑)結構、素で演じています。反応の仕方だったり、話すトーンだったり、声も地声で演じました。
吉川 周りに女性がいなくて、好きなことをしていても、仕事をしていても周りは男性ばかりだから、男勝りなんです。口調とか態度も男っぽくいこうと思いました。(野村周平演じる)紘一のことを意識し始めるところからメイクをするようになったり、髪型が少しずつ変わっていったり、女の子らしい表情をしたり、ちょっと意識するところを出しました。紘一と出会ったことで変化していくところを出したいというのは私の頭の中で描いていて、監督にお話したら監督もそうだったので、「このままやっていきましょう」ということでちょっとずつ変えていきました。
吉川 「吉川さんのしたいようにして」と言ってくださったので、やりづらい部分があったら監督と相談するようにして、基本的には自由にお芝居させていただきました。どんな演技の時も、その時に出た感情を大切にしているんですけど、あまり作らずに演じることができたので、こだわらずに思った通りに演じることができたと思います。
吉川 監督としては、この映画はガッツリ恋愛モノではないので、恋をしている感があふれる表情や行動はしないようにして欲しいと仰っていました。
吉川 相棒とも呼べないような距離ですよね。距離感はちょっとあるし、だからと言って全く信用していないわけでもなく、難しい立ち位置です。でも、私はあの2人の関係が好きです。普通の男女関係でもなく、仕事相手とも呼びづらく、家族とも違う。複雑な関係だけどお互いを信用していてドリフトも2人で成功させたというのがすごく好きです。
吉川 いつもドリフトの指導をしてくださる久保川澄花さんや中村直樹さんに乗せていただいたんですけど、私はあまりGというものを理解していなくて。澄花さんは「Gかかります」と言ってくださるんですけど、“楽しい”と思って乗っていました(笑)直樹さんは直樹さんが使っているドリフトの車でしたが、煙がすごくて窓が開いているわけではないのに車の中まで入ってくるんです。その中で、“よくギリギリまで攻めれるな”と思いました。感覚なのか、もはや見えているのか(笑)ドリフトって奥が深いなと思いました。監督はドリフトを体験して気持ち悪くなったと言っていたので私も気持ち悪くなるかと思ったのですが、全然気持ち悪くはならなかったんです。2~3周させていただいたんですけど、楽しかったです。
吉川 ないですね。シミュレーターもやっていないので、「すごいなー」と思って見ていました(笑)
吉川 やってみたいんですけど、誰にも見られずに教えてもらいたい(笑)ちょっと恥ずかしい…絶対下手なので(笑)
吉川 意外といけるかもしれないですかね。一発目からすごいドリフトができちゃうかもしれない(笑)
吉川 車への愛がとても強くて。いかに車をかっこよく見せるかとか、カメラワークをこうしたらいいとか。夏実のかっこよさをどうやって出せるかとかも。車にも熱いし、キャストにも熱いし、熱意が朝から夜までずっと伝わってくるので、すごいなと思いました。下山監督だからかっこよくて素敵な作品ができたと思います。
吉川 部品が置いてあったり、チューニングしている感が満載でした。とてもきれいにされていて、でも倉庫みたいなところでいじるんだなと思いました。
吉川 違いますね。あの再現をするのは難しいと思います。
吉川 気合いは入っちゃいますね(笑)“よっしゃ、やってやるぞ!”みたいな。元々やっていた感も出せたらいいなと思いますし、おかげで強くなった気がしました。“私できる!”“私いじれるぞ!”みたいな(笑)
吉川 土屋さんという名前を聞いて「あ!」と思いました。『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』でも知っていましたし、中村直樹さんももちろん知っていました。
吉川 安心感はすごかったですね。聞きたいことがあったらすぐに教えてくださるし、工具の使い方も細かく教えてくださったので安心感がありました。
吉川 最初は少し怖い印象がありましたが、ジョークを言ってくださったり、現場を和ませてくださる方で、本当にお父さんみたいな方でした。こんなお父さんだったら男前にもなるだろうし、でもすごく優しい女の子になれるんだろうなと想像ができました。
吉川 やっぱりファンの方が声をかけてくださったときです。「応援してます」と言われると“がんばろう”と思えますし、ファンイベントなどで、毎回ちょっとの時間に一言二言でまとめて伝えてくださるんです。なんて嬉しいことなんだろうといつも思います。私は好きな仕事をしていて、ちょっとでも勇気づけられたりできたらいいなと思ってやっていますけど、その反応を生で聞けることはなかなかないので、聞けたときはすごく安心するし、やっていてよかったなと思います。だからこそ今できているし。本当に感謝でしかないです。
吉川 その人自身にならなければいけないので、その人について詳しくならないといけない。ワンシーンワンシーンを丁寧に作り上げて、自分の中に落とし込む、その瞬間はすごく楽しいです。こういう人もいるんだなとか、そういうことができるので私にとってはなければいけない存在で、役がなければこの仕事はできないし大切です。
吉川 みんなでお鍋を食べているシーンがすごく好きです。みんなの素が出ていて、車のことが一切関係ないシーンなんですが好きです。鍋を映すカット以外は全部ワンカットでした。みんなが自由に演技することができていて、見ていても気分が落ち着きますし、気を張っていたところからあんなに落ち着くなんて、本当の家族がご飯を食べているのをただ見ている気分になります。演じていても楽しかったし、見ていてもお気に入りのシーンです。
吉川 やっぱり新しい役柄を演じてみたいです。新しい役にどんどん挑戦できているのはすごく幸せなことです。私の目標は、どの作品を見ても、どの役を演じても全然違うねと言われたいので、いろいろな役ができるのはうれしいです。
吉川 すごく性格悪そうとかもあると思います(笑)実際にすごいおとなしそうとか、元気な子なんだなとか、いろいろな印象を持たれることが多いです。
吉川 どちらかというとアクション映画が好きで、『ミッション:インポッシブル』とかにもそういうシーンは出てきますし、アクション系の映画は結構車が出てきますよね。
吉川 いやー、私は運動神経があまりよくないので…(笑)挑戦はしてみたいです。
吉川 キックボクシングにちょっと通っているくらいです。学生時代もこの仕事をしていたので部活にも入っていないので全然運動していないんです。キックボクシングは事務所の方に勧められて始めてみたのですが、やってみたらハマって、楽しいです。
【写真・文/編集部】
本作は、eスポーツ日本一のレーサーが、リアルドリフトの頂点を目指すというオリジナルストーリー。大地を揺さぶるエンジン音、猛烈な白煙、車輪をスライドさせながらコーナーを抜ける超絶ドライビングテクニックと全世界の度肝を抜いたアクロバティック&ダイナミックな競技──その魅力のすべてに迫る最高峰のドリフトエンターテイメントである本作の主演には野村周平、さらに吉川愛、陣内孝則、青柳翔、福山翔大らが共演。『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』でもテクニカル・アドバイザーを務めたドリフトキング・土屋圭市が監修する。監督・下山天が企画構想に3年を費やし、世界トップレーサーたちの実走出演でCGゼロの大迫力のリアルドリフトを描く。
『ALIVEHOON アライブフーン』は2022年6月10日(金)より全国公開中!
監督・編集:下山天
出演:野村周平、吉川愛、青柳翔、福山翔大/本田博太郎、モロ師岡、土屋アンナ、きづき/土屋圭市(友情出演)/陣内孝則
配給:イオンエンターテイメント
©2022「アライブフーン」製作委員会