『劇場版 ねこ物件』で立花修役を演じた細田佳央太にインタビューを行った。
細田 ドラマから映画化されるという作品に関わらせていただくのは初めてだったので嬉しかったです。ドラマで10話を描いてから劇場版では何が描かれるんだろうと思いましたが、台本を読んでみたら「そういうことなんだ」と知ってますます楽しみになりました。ドラマを撮り終えてから劇場版の撮影が始まったので、延長線上だと考えるとまずはドラマが第一だと考えていました。
細田 どうですかね…。猫に何をされたら“認められた”に入るかだと思いますが、古川さんの猫慣れと猫の古川さんに対する安心感は目に見えて分かるんです。それくらい猫がリラックスしているのが分かるので、それを見ると自分は全然その域ではないなと思います。経験値の差かも分からないですし、猫と付き合ってきた歴でいうと僕は素人同然なので、そういう意味では全然認められていないと思います。
細田 全部古川さんに教えていただきました。
細田 いや、難しいですね。マイペースなので、こちらから干渉しようとすると引かれますし、干渉しないようすると逆に寄ってきたり、駆け引きをしている感覚でした。仲良くなりきれたとは言えないです。
細田 一番は支えてくれる存在です。家族というものがめんどくさいと思う人や、反抗期を迎えている子だとしがらみに感じてしまうこともあると思うんですけど、自分にとっては何かを相談するにしても家族としていたので、居心地がいいと感じていたと思います。甘えられるし、支えてもらえるし、支えなきゃいけない存在だと思います。
細田 基本的に猫の周りに誰かいました。しかも2人以上いました。1人が遊んでるといいなと思うんでしょうね。猫を飼っているというより、僕らは猫に飼われていましたね、きっと。
細田 マイペースさがいいと思います。僕らはマイペースになりきれないし、都合が悪いとわがままだと言われてしまう言葉だと思っています。それでも、そんなこと知らないかのように過ごして、思うままに生きているのはうらやましいと思いますし、魅力だと思います。
細田 立ち位置としては住居者のまとめ役であり、衣装合わせの時に監督とお話したのは“優斗の右左腕的存在”と言われていたので、そこだけを意識しました。僕が真面目というわけではないのですが、世間から真面目なイメージはあると自負しているので(笑)真面目なことにはこだわらずに、周りの人との関係でどう立ち回るかというところは意識しました。
細田 そうですね、ただだいぶ分かりやすいキャラクターでした。司法浪人生で、真面目で、猫が好きで、周りが見れる。優斗さんに欠けているものをバランスよく持っている男の子だと思っているので変に作り込んだりはしなかったです。撮影も順撮りだったので、その流れに従って、ほかの方もどんどん増えていくので、本当に住居者が増えていくという感覚で撮影に臨めました。人との距離感とか、そこで生まれるお芝居に身を任せていけたのであまり作ってはいかなかったかもしれないです。
細田 本当に毎日撮影だったので家にいる時間よりも現場にいる時間のほうがみんな長くなっていました。同じメンバーで同じ場所なのでリラックスしていましたし、落ち着きを感じていました。
細田 そうかもしれないです。本当に周りが田んぼしかなくて、都会と離れた環境で濃い時間を過ごしたからこそ影響しているかもしれないです。
細田 古川さんが一番年上で、僕らを引っ張ってくださって。知識が豊富なので、古川さんに僕らが教えてくださいという感じでした。20歳になるタイミングだったので人として役に立ちそうなことを教わりました。
細田 この作品に限らずですが、もっとやれたなと思えることは何かしらあり、それは毎回試写で感じます。試写は反省の場で、至らないなと毎回感じます。お芝居もそうですし、猫との接し方もそうですし、自分がもっとやれたところはあるんじゃないかなというのは思いました。内容はものによって違いますけど、『ねこ物件』についても今やったらまた違う修になると思います。
細田 猫が現場にいてくれたのでピリピリしている人を見なかったのですが、唯一大変だったのは日本家屋での撮影が冬だったのでものすごく寒かったということです(笑)足が冷えてしまい…。
細田 そもそも何も知らない状態で入ったので、人から聞いていた話が思っていた以上にそうだったということはありました。こんなに相手にされないとは思わなかったです。何回も“シャー”って言われました。でも、古川さんがそれもかわいいっておっしゃっていて、「すげえ」って思いました。
細田 こだわりは特にないんですけどモフモフしているほうが理想だと思います。掃除とかめちゃくちゃ大変だと思いますけど、丸っこい子がたぶん好きなんです。犬もフレンチブルドッグを飼っていたのでお尻とか丸いのが好きで。『猫の恩返し』でいうとムタさんみたいなそういう丸さでもいいと思います。性格はおっとり系がいいです。
細田 あれはなついていたのかな…。食べるのが好きな子だったので、エサをちらつかせたらお座りとかしたんですけど、“とりあえずやればいいんでしょ”という感じで先に座られたりしていたので(笑)座っていたら近づいてきたりはしたのでなついていたのかな?
細田 言われたら“確かにそうだな”と思うことが多かったです。“猫は人をつなぐ生き物”というのは感じました。作品の中で言っているからというよりも、僕らがそうでしたので。猫がリビングにいたら人が寄ってくるし、それはものすごく実感しました。もし動物が人の言葉を話せたときにどういう立ち回りをするのかが気になります。しゃべらないからこそ周りが勝手に感じて寄ってくるわけじゃないですか。実際は「寄ってくるなよ」と言われるかもしれないし、もし言葉を話せたら僕らはどんな影響を受けるのかなと思います。それでも人は猫を好きでいられるのかと不思議にも思います。
細田 いや、たぶんシェアハウス無理なんです。めちゃくちゃ周りの人に気を遣う(笑)他人なわけだし、友達でも無理だと思います。基本的に人見知りなので疲れちゃうんじゃないかなと思います。みんなと朝ごはん食べてくださいとか、一緒に住む人との距離を縮めたり、団結を強めるためにやっているからこそしんどかったりするかもしれないです。家じゃないですよね、気を遣ってる時点で。
細田 優斗さんの過去が一番の見どころだと思います。ドラマからの深堀を見て欲しいですし、猫に教えてもらったのはなんなのかというところを見て欲しいです。
細田 疲れている人に見て欲しいです。仕事で疲れた、人との関係で疲れたとか、猫のマイペースさに救われるような気がします。癒されて、日々の疲れが和らいだらいいなと思います。一種のエッセイだと思って見てもらえたらうれしいです。
細田 やっぱりお芝居をすることが好きというのがあります。ありがたいことに、出演するごとに周りの方から「よかったよ」と言ってもらえることがあるので、それがうれしいです。お仕事全般も、そうじゃないところも人との関りで恵まれていると思うことがすごく多いです。自分を信じて起用してくださったり、作品を一緒にやりたいと思ってくださった方々に対して、恩返しじゃないですけど、情けないところは見せられないというのがあるので、がんばらなきゃと思うことも原動力と言えます。あと、一度ご一緒した方ともう一度やりたいというのもあります。
細田 アニメだと見るんですけど、ドラマとか映画で癒されるという影響力を今まで知らなかったので見てこなかったです。今回出演して、ドラマとか映画で人を癒すことができるんだなと気づかされました。
細田 基本的に波のない作品が好きで、具体的にあげると、『キツツキと雨』とか『セトウツミ』とかが好きです。大事件が起こるよりも、人と人との出会いとか日常の中で小さな問題が起こるようなものが好きです。出演してきた作品だと『子供はわかってあげない』とかはそうですね。『町田くんの世界』もそうですし、意外とそういう作品にも恵まれていると思います。
スタイリスト:岡本健太郎
ヘアメイク:菅野綾香
【写真・文/編集部】
二星優斗は祖父・幸三の死をきっかけに残された2匹の猫、クロとチャーと共に“猫付きシェアハウス”を始めることに。不動産会社の広瀬有美の手を借りながら、5人と新たな入居猫を加えた3匹の“二星ハイツ”が出来上がった。劇場版では、優斗が幼い頃に離ればなれになった弟の存在を想い出して、探し出すことを決意する。その方法とは、“猫付きシェアハウス”と自分の存在を全国に知らしめて、再び住人を募ることだった!そんな優斗をサポートしようと入居者だった、修、毅、丈、ファンの4人が二星ハイツへと帰ってくる。主人公・二星優斗を古川雄輝、そして細田佳央太、上村海成、本田剛文、松大航也が出演する。さらに劇場版では金子隼也がカギを握る役柄で登場。優斗の祖父役に竜雷太が出演する。
『劇場版 ねこ物件』は2022年8月5日(金)より新宿ピカデリーほか全国で公開!
監督・脚本:綾部真弥
出演:古川雄輝、細田佳央太、上村海成、本田剛文(BOYS AND MEN)、松大航也
金子隼也、山谷花純、長井短、竜雷太
主題歌:『Bell』歌:SPiCYSOL(ワーナーミュージック・ジャパン)
制作プロダクション:メディアンド/企画・配給:AMGエンタテインメント/
配給協力:REGENTS/製作:「ねこ物件」製作委員会
©2022「ねこ物件」製作委員会
公式サイト: こちら