『劇場版 ねこ物件』で主人公・二星優斗(ふたぼし・ゆうと)を演じた古川雄輝にインタビューを行った。
古川 嬉しかったです。猫が好きなのでこういう作品ができるのはうれしいですし、主役の作品が決まるということはうれしいことです。
古川 ドラマ版は優斗が成長していく姿が描かれ、その中に伏線が散りばめられていました。版では伏線を回収して、彼がなぜシェアハウスをやっていて、実は弟がいるんじゃないかというところに持っていくので、伏線を回収する台本になっているのでドラマ版とはまた違うテイストがあっておもしろいと思いました。
古川 この映画に出演しているのはプロ猫だけでなく家猫もいるので、極力ケアをしてあげたほうがいいと思います。でも、この子たちはすごくいい子たちで、リラックスして甘えてきたりして慣れてきたので撮影しやすかったんです。ただ、基本的に猫は家に住んでいるので、外に連れて行くことはすべきじゃないと思います。外まで連れていくシーンも脚本上はあって、作品とリアリティの間でどうやっていくが難しかったです。楽しい雰囲気を出すためには仕方がないですけど、本来は集団で囲んで写真を撮るというのはストレスなので、「猫好きが見たら嫌だと思います」とお話もしました。観葉植物があるのはおかしいとか、自分も猫を飼っているので修正できる部分は直したほうがいいですとお話しました。スタッフさんも全員が猫を得意としているわけではないので、中には猫の扱い方が分からない方もいて、「よーい、スタート」でカチンコを“バチンっ”とやっちゃう人もいて。それは猫も怖がっちゃうので静かにやってくださいと意見させていただいたり、できる限りのことをしました。でも、どうしても映画である以上、猫が好きな方からは“これはどうなの?”という部分が出てきちゃうと思います。
古川 この仕事を始めてからで、23歳くらいのころからです。元々は猫が嫌いで(笑)子供の頃に初めて猫を抱っこしたときに耳を噛まれて、それで怖くなっちゃって。かつ家の近くに飼育崩壊した猫屋敷があって、印象が悪かったのもあります。大人になってから、友達の家で猫と改めて触れ合ってから、すごく頭のいい生き物だと気づいて、そこから興味を持つようになって好きになりました。動物全般が大好きなんですけど、猫が一番になっちゃいました。
古川 定番の答えで言うと自由気ままだったりツンデレだったりというところだと思います。自分はその子特有の性格が好きですと言っていて、その子だからこその行動、性格が好きです。
古川 全然違います。上の子は“ニャー”って言わなくて“プスッ”って言うんです。鼻が詰まってるみたいで。鈍い猫なんですけど、猫同士がけんかしたときはすごいスピードで喧嘩を止めたりするんです。そういうのを見ると正義感があってかわいいなと思いますし、そういうところに惹かれていますね。
古川 男の子なんですけどスタイルがよくてめちゃくちゃ美人です。悪さをするから怒ってるんですけど。迷い猫を拾ったんですが、抱っことかも嫌がらなくて、やんちゃな子です。一緒に暮らしているからこそ分かる部分があってかわいいと思います。
古川 自分は、ほぼほぼ優斗です(笑)今も取材だから話せてますけどコミュニケーションが苦手で。対人間が苦手だから動物が好きな人は多いと思います。自分もどちらかというとそういうタイプで、コミュニケーションを取るのが苦手です。共演者とも話さないことがほとんどで、セリフ以外話さないことはよくあります。だから優斗の気持ちはよく分かります。
古川 今回は自分からコミュニケーションを取りました。自分が一番年上で、主役で、しかもシェアハウスでワイワイしなきゃいけない。その時に自分が黙っていたらさすがに怖いだろうと思って(笑)全員に自分から話しかけにいきました。入居していく順番にみんな来るんですけど、自分以上に人見知りで(笑)それからは自然に仲良くなっていきました。
古川 細田くんは猫と接したことがなくて、抱っこの仕方も分からなかったので、こうやって抱っこするといいよと教えたりしました。
古川 猫に合わせて撮ることですね。撮影でも猫ベースで撮るんですけど、動物は向いてほしい方向に向くわけではないので、猫のことを考えて撮るとうまく撮れると思います。
古川 毎日しています。基本朝ご飯を作ってコーヒーをいれて持っていきます。
古川 得意ではなくて、炒め物頼りです。あとはキムチとか焼き肉のタレとか、そういうのに頼りながら。たまに時間があれば揚げ物をしたり。効率よく作ることが多いです。
古川 健康状態を一番大切にしています。おいしいものというより、その子が長生きするものをあげます。
古川 役者が用意してきたものを自由にやらせてくれて、この現場で(監督が)一番楽しそうにしています。そこまで監督が楽しそうにしているとこっちもノってくるし、それがある意味演出になります。気になったら言うくらいで基本は役者に任せてくれますし、カット尻を長くされます。役者としても(演技を)止めるわけにはいかないから、後半には分かってくるので、セリフが終わった瞬間に細田くんとか遊び始めてアドリブを入れてきたり、現場の空気感の作り方がうまい監督でした。すごくいい現場です。
古川 使われています。LINEを交換するシーンがあるんですけど、「最初はLINE交換しましょう」で終わりだったのを、長井さんが「パスワード見えちゃう」とアドリブを入れているんです。次に細田くんがLINEを交換するシーンでは、そのアドリブを引き継いでいて、自分はそこでパスコードを「2222(ニャンニャンニャンニャン)」なんですけど、それが全部アドリブで、最終的にLINEのやり方が分かっていく成長模様を描いています。そのきっかけを作ったのは長井さんです。天才ですね、彼女は。
古川 狙っています。1時間狙っていたり、あとは飛ばして、丸一日猫だけの日を作って撮影することもありました。(劇場版では)猫も慣れてきてリラックスした状態で演技してくれてました。
古川 おすすめは「おかえり」とか「ただいま」とか日常のシーンがいいです。玄関前のシーンをしっかりとほのぼのと描いていて、自分は好きです。朝起きてねこがいるシーンも好きです。
古川 かわいい猫たちが出てきますし、主人公の成長模様を描いているので楽しんで見ていただきたいです。
【取材・文/編集部】
二星優斗は祖父・幸三の死をきっかけに残された2匹の猫、クロとチャーと共に“猫付きシェアハウス”を始めることに。不動産会社の広瀬有美の手を借りながら、5人と新たな入居猫を加えた3匹の“二星ハイツ”が出来上がった。劇場版では、優斗が幼い頃に離ればなれになった弟の存在を想い出して、探し出すことを決意する。その方法とは、“猫付きシェアハウス”と自分の存在を全国に知らしめて、再び住人を募ることだった!そんな優斗をサポートしようと入居者だった、修、毅、丈、ファンの4人が二星ハイツへと帰ってくる。主人公・二星優斗を古川雄輝、そして細田佳央太、上村海成、本田剛文、松大航也が出演する。さらに劇場版では金子隼也がカギを握る役柄で登場。優斗の祖父役に竜雷太が出演する。
『劇場版 ねこ物件』は2022年8月5日(金)より新宿ピカデリーほか全国で公開!
監督・脚本:綾部真弥
出演:古川雄輝、細田佳央太、上村海成、本田剛文(BOYS AND MEN)、松大航也
金子隼也、山谷花純、長井短、竜雷太
主題歌:『Bell』歌:SPiCYSOL(ワーナーミュージック・ジャパン)
制作プロダクション:メディアンド/企画・配給:AMGエンタテインメント/
配給協力:REGENTS/製作:「ねこ物件」製作委員会
©2022「ねこ物件」製作委員会
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