『生き残った6人によると』で主人公・水上梨々役を演じた桜田ひよりにインタビューを行った。
桜田 脚本も監督が担当されていて、なんておもしろい作品なんだと思い、そこで熱が入りました。ゾンビは非日常的で、現実味がない代わりに、想像力をたくさん膨らませて挑んでいこうと思いました。
桜田 何事にも真面目に取り組むタイプで、主人公の隣の隣にいるような普通の女の子という設定です。深夜の撮影でしたが、みなさんが本当に温かくて、おもしろくて素晴らしい方ばかりで、毎日撮影に行くのが楽しみでした。高校生の役ですが、気分は中学生の気持ちで演じていました。女性らしい動きというよりも、幼い感じが残るような動きや表情を意識していました。
桜田 見た目をどのようにしていくかをみんなで相談して考えていきました。ウィッグをかぶって違和感がないようにしたり、ジャージの色や形も、実際にたくさん着てみて、梨々ちゃんを想像させるようなものを選びました。
桜田 出演が決まってから読ませていただきました。原作を読むときは、“この子はどういうポジションにいるんだろう”とか、“どういう役回りでいるんだろう”ということを研究するうえでも、感情移入して読むことよりも、客観的に読むことが多いです。
桜田 作品によりますが、台本が原作に忠実に再現されている作品だと、その原作を熟読して、容姿からなにから研究します。ただ今回みたいにオリジナルの要素が入っている場合だと、原作は参考程度で、あとは自分のフィーリングで演じることが多いです。私も漫画とかアニメを見るからファンの気持ちも理解できるので、その中で原作ファンの方が楽しめるポイントを必ず作るようにしています。今回は、原作にはない雫さんとの関係などは意識していました。
桜田 ゾンビが本当にいるように信じることが大事だと思います。普段生きていて、隣の人がゾンビになるというのはありえないことではあるけれど、外に出たら食われてゾンビになって…という姿を想像することが一番大事だと思いました。非日常な分、何かを参考にするというよりも想像力を膨らませる作業が多かったです。
桜田 想像力は豊かだと思います(笑)
桜田 みなさん本当に優しくておもしろい方ばかりでした。その中でも3人が同じ誕生日という奇跡のようなことがあって、運命を感じました。特に髙石あかりさんは年も同じで、どれくらい占いとかで一緒になるんだろうとか、あるあるポイントとかを休憩時間に話していました。ビックリするくらい一緒のところが多くてすごいなと思いました(笑)
桜田 中村ゆりかさんが演じる雫さんは物語を揺るがす役柄で、ゆりかさんと一緒のシーンは印象的なシーンが多いので、梨々ちゃんとしてもいい刺激を受けましたし、私自身も“雫さんが何をしゃべるんだ、どういう行動をとるんだ”という謎な部分があったのでドキドキしている感覚がありました。
桜田 自分が演じた梨々ちゃんは結構気持ちが分かります。私も追い込まれた状況だったら“恋なんかしなくていいから生きることだけを考えたい”と思うタイプなので。そう言っている梨々ちゃんが一番恋愛体質という部分は私とは違うと思いますけど(笑)言っていることは一番共感しました。
桜田 ショッピングモールを貸し切って撮影していたんですけど、営業が終了した後の真夏の夜の撮影だったので、結構つらかったです(笑)常に片手に扇風機を持っている状態でした。役柄的にも私は上下ジャージのことが多くて、暑さ対策が大変でした。
桜田 今回出てくる女子部屋は、実際の場所をお借りして毎回閉店後に飾り付けをしていました。美術の方が作ってくださっていて、ちょっと悪いことをしている気分になりました(笑)それぞれが使っているベッドも個性が溢れていて、梨々ちゃんが使っているベッドはシンプルなんですけど、一方で汚かったり、ぬいぐるみがめちゃくちゃ置いてあったり、そういうところでもそれぞれのキャラクターが引き立っていると思いました。
桜田 怖いんですけど、それよりもワクワク感のほうが強かったです。普段は誰もいないショッピングモールを歩くことはないし、閉店後のショッピングモールに残っているというのも毎日ワクワクしていました。
桜田 みんな深夜のテンションだったので、距離の縮まり方がほかの作品よりも早かった気がします。気を張っていると自分の弱さを見せないこともあると思うんですけど、眠い状態で人間の本能的に見せない部分がむき出しになっていました(笑)それくらい安心できる環境でした。ただ、そんな状態でも会話劇が繰り広げられるので、セリフの分量とドラマの30分という時間が全く合っていなくて(笑)セリフの掛け合いを早くしないと収まりきらないというのもあって、常に一歩先をみんなが意識的にしていることが感じられました。
桜田 私はならないかも(笑)みんなで平和に暮らせていたらいいやと思っちゃうかもしれないです。変なもめごととか起こさないでくれっていう感じになっちゃうかもしれない。そんなことより食料という感じになるかも(笑)
桜田 今回、撮影が終わって家に帰るのが朝9時で、そこから次の撮影が夕方4時起きでした。仕事をしているときは空腹にとらわれることはないんですけど、家に帰ってきてから一気にお腹が空くんです。でも、同時に眠気も来ちゃって…。睡眠をとるか食事をとるか、究極の状態でした。結局私が出した選択は睡眠でした。食べるのは起きていたらいつでもできるんですけど、寝るのは家でしか寝れないし、あと顔色が悪くなってきちゃうので。
桜田 『ウォーキング・デッド』とか『バイオハザード』も好きです。今Netflixで配信しているドラマ版の『バイオハザード』も最新話まで見てます。私、結構ゾンビモノ好きですね(笑)今回特殊メイクの方が入っていらっしゃって、実際に近くでゾンビメイクを見ることができてとても興奮しました。めちゃくちゃリアルで、気持ち悪いし、グロい。でも、それだけ熱をかけてくださっていたのがありがたかったです。本当にリアルだし、ちゃんと時間をかけてつくってくださったので大変だったと思います。
桜田 現実的に立ち向かうならやっぱり遅いほうがいいですね(笑)ドキドキするなら速いほうがいいですけど。今回のゾンビはゆっくりな動きなので身の危険を感じたら逃げることができたので、現実的にはゆっくりのほうがいいです。
桜田 ゾンビ×ラブコメという異色な組み合わせですが、見てくださるみなさんがハラハラしたり、ドキドキしたり、キュンキュンしたり、涙が出るような場面もたくさん出てくると思います。1日の終わりの楽しいひと時に見ていただけたらと思います。
【写真・文/編集部】
「ハルタ」(KADOKAWA)で連載中の山本和音原作『生き残った6人によると』を実写ドラマ化した本作。舞台は、成田空港に到着した一機の航空機を皮切りに、千葉県内にパンデミックが広がった日本。街中にゾンビがあふれかえる中ショッピングモールへと逃げ込んだ男女は、極限下で芽生える「こんな時だからこそ、恋がしたい!」という切実な想いにより、吊り橋効果も相まって、予測不能な恋愛の渦へと巻きこまれていく。閉鎖された空間で、一筋縄ではいかない個性豊かなキャラクターたちが見出したのは、ゾンビの撃退方法…ではなく、仲間たちとのハッピーすぎるユートピア!?“ある秘密”をそれぞれ抱えた彼らが、期間限定の楽園で、ありのままの人生を謳歌していくことに―。ゾンビに取り囲まれたショッピングモールで巻き起こるシェアハウス恋愛の行方と、徐々に明らかになる彼らの秘密とは?極限下で巻き起こる、ハッピーすぎる新感覚サバイバルラブコメディーが“Z世代”を直撃する。
『生き残った6人によると』
【放送局】
MBS:8月9日(火)放送開始 毎週火曜 深夜0:59~
TBS:8月9日(火)放送開始 毎週火曜 深夜1:28~
【配信】
見放題独占配信:Hulu
見逃し配信:TVer、MBS動画イズム、GYAO!
監督・脚本:二宮健
出演:桜田ひより、佐野玲於(GENERATIONS from EXILE TRIBE)、中村ゆりか、倉悠貴、髙石あかり、八木アリサ、田中光輔、佐々木舞香(=LOVE)/大貫勇輔
©:「生き残った6人によると」製作委員会・MBS