『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』福本莉子 インタビュー

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INTERVIEW

『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』で、テンペストの西側にある小さな国【ラージャ小亜国】の現女王・トワ役の声を演じた福本莉子にインタビューを行った。

TVシリーズの印象を教えていただけますか?

福本 私は普段はあまりアニメに馴染みがないのですが、初めから惹かれました。主人公が人間からスライムに転生して、異世界で強くなって、一国の主になって魔王になって。そういうストーリーを見たことがなくて、誰が観ても楽しめる作品なんだろうな、だからこんなに人気なんだろうなと思いました。私はリムルが強いのが観ていて爽快感があっておもしろいなと思いました。私みたいな初心者でも引き込まれておもしろいと思いました。

今回声優を務めるにあたって事前に準備したことはありますか?

福本 練習用の動画をいただいていたので、自分のセリフのタイミングをひたすら練習しました。現場で音響監督さんからの演出にすぐに対応できるように、タイミングは意識せずとも出せるくらいに練習していきました。声にならない音みたいなアニメならではのリアクションの部分や、何かに気づいたときの、“ハッ”という音などは家でひたすら声に出して練習しました。

漫画原作の実写作品にも出演していますが、アニメ作品とはアプローチは違いますか?

福本 アニメでは声だけしか情報がないので、嬉しかったり、悲しかったり、動きの反応も含めて全部想像でやらなきゃいけないのは実写作品と全然違います。実写作品だと自分が体験しながら、経験しながら演じることができますが、戦ったりするのは現実世界ではありえないことなので、頭の中で想像しながら演じました。『転スラ』の世界にいかに馴染めるかを考えていました。

福本さんが演じるトワは劇場版オリジナルキャラクターですが、キャラクター作りはどのように行いましたか?

福本 私はトワの情報しか知らなかったので、その中で自分が演じるんだったらと考えました。ちょっと高い声を出してみるとか、女王だったので、ちょっとかわいらしいように聞こえたらいいなと思いました。自分がやれる範囲の中で、トワの要素をどう入れるかを考えました。

実写のお仕事の時にも声をちょっと高くしたりはしますか?

福本 あります。『思い、思われ、ふり、ふられ』の由奈は、普段の私とは真逆なので。本読みの時に声のチューニングをして、それをベースにお芝居をするという形でした。

アフレコはいかがでしたか?

福本 ずっと不安でした。これで大丈夫なのかなと。一回最初から最後まで一連で録って、もう一回最初のシーンに戻って録り直しました。後半のほうは役になじんできて、『転スラ』の世界に入り込めるようになるんですけど、最初は緊張してうまくできなくて。今回、台本が上下に分かれていて、上は録り直したんですけど、下は「これで大丈夫です」と言われて、「本当にもう一回録らなくて大丈夫ですか?」って(笑う)出来ることなら何回でも録りなおしたいくらい心配でした。でも、現場で皆さんが「すごい良かったです」と言ってくださって。それもあまり信用できなくて…(笑)自分を信じるしかない(笑)やれることをやりました。

福本さんにとってトワという役は演じやすかったですか?

福本 トワは10代だと聞いて、年は近いのでそういう部分ではやりやすかったです。トワは心が強いというか自分の芯を持っている方なので、私は個人的に好きです。自分もそういうタイプだと周りから言われることが多いので、自分と近いと思います。

イメージにぴったりということでオファーがあったということですが、ご自身との共通点はありましたか?

福本 言われてみたら似ているかもしれないです。トワは女王として民を守るというところで、ヒイロと出会うまで一人で思い悩んでいたんです。ヒイロと出会って信頼関係が生まれて身近に信頼出来る人ができたんですけど、私も基本的に悩み事を人に相談しないタイプなので。でも最近ちょっと疲れたなと思うときは大阪にいる友達に電話をかけるようになって、そうすると気持ちが楽になることに気づいて、友達に頼れるようになりました。

そのヒイロとトワの絆はどこにあると思いますか?

福本 トワはティアラの魔力を使うたびに体が弱ってしまう。でも、ラージャ小亜国を救えるのは彼女しかいないので、身を犠牲にしてでも民を守っていたんですけど。やっぱり頼れる人がいなくて、最初は利用じゃないですけど、そういう気持ちでヒイロを助けるのですが、きっかけはそうでも、一緒に過ごしていく中で、ヒイロも命を救ってもらったトワを献身的に支える。トワとしても、ヒイロの姿を見てこの人だったら信用できると心から思えて。物語の最初から後半にかけて2人の純粋な絆の強さが増していくところが、今回の映画の私としてのトワの見どころだと思います。

一歩踏み出した、違う雰囲気が出ますね。

福本 ラストはグッときました。

トワとヒイロの絆が大切な作品ですが、声での表現は難しかったですか?

福本 アフレコは一人でしたが、ヒイロの声がすでに入っていて、そこに掛け合っていく、会話していくというのが不安でもありました。でも、完成した映画を見たらちゃんと会話できていると思いました。その場で掛け合えたら一番ですけど、ヒイロの声からどれだけ情報を得られるか、その場で聞いて集中して演じました。

ヒイロはイメージ通りでしたか?

福本 イメージ通りでした。オーガの生き残りとしてもちろん強いですし。ヒイロの過去を背負って生きて、その力強さが声に出ていてイメージぴったりでした。

TVシリーズのほかのキャラクターも登場しますね。

福本 全員見どころがありますよね。パワーアップしていると思ったのは、シオンの手料理の不味そうなオーラが劇場版でしたね、完全に(笑)劇場版ならではですね。あとリムルの魔王の覇気も劇場版スケールですよね。全部スケールアップしていて、そういうところは劇場で見て欲しいと思いました。

今回アフレコをやって初めて知ったことや経験したことはありましたか?

福本 トワさんは弱っているシーンが多かったのですが、声で表現するときに、実写作品の映像だとあまりに小さすぎる声は録れなくて、「もうちょっと声を出してください」と言われることが多かったので、いつもの感じでやっていたら、音響監督の方に「もうちょっと小さくして大丈夫ですよ」と言っていただけて。目の前にマイクがあるからリアルに表現できるんだなと。こんなに声が小さくても拾えるんだなという発見がありました。

声の大きさ以外の演出はありましたか?

福本 画が出来上がっていないシーンも多かったので、距離感や空間がつかめなくて、想像はできるんですけど視覚で情報を得られないので、そういったところは音響監督さんに「もうちょっと遠いです」と距離感を教えていただきました。目の前にいる人に「ねえ」と声をかけるのと、遠くにいる人に「ねえ」と言うのではトーンも声の大きさもニュアンスも変わってくるので、細かい調整を現場ではやっていました。

絆がテーマにもなっている作品ですが、最近絆を感じたことはありますか?

福本 姉が大阪にいるんですけど、仕事で東京に来ていて昨日会ったんです。家族と言っても、家でたくさん話していたというわけでもなくて、普通に日常会話をするくらいだったんですけど、なぜか一言一句喋る言葉が被ったりするんです。声のトーンとか、相槌が一緒とか。今も別々のところで暮らしているし、四六時中一緒にいるわけではないのに何でこんなにも似ているんだろうというのが不思議でした。

一緒に住んでいる時よりも感じましたか?

福本 感じますね、一緒に住んでいるときは何とも思わなかったんですけど、久しぶりに会ったりすると全く同じことを言おうとしていたということがあります。それは家族の絆ですね。

本作を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

福本 記念すべき初めての劇場版ですので、原作を好きな方も、アニメを2期まで見た方も公開を楽しみにしていらっしゃると思います。今回原作を書かれている伏瀬さんが原案を担当されたオリジナルストーリーということで、アニメで活躍しているキャラクターもみんな出てきて活躍していますし、見どころたっぷりの絆がテーマの作品です。初めて見る方も楽しめますので、ぜひ劇場で見てください。

ヘアメイク:伏屋陽子(ESPER)
スタイリスト:武久真理江

【写真・文/編集部】

STORY
スライムとして転生した元サラリーマン、リムル=テンペストが仲間とともに奮闘し、国を興し、異世界で頭角を現すまでを描いたTVアニメ第1期。大いなる陰謀を退け、リムルが魔王の一柱(ひとり)にまで上り詰めたTVアニメ第2期。そして『転スラ』ワールドがさらに進化。待望の映画化は、完全新作として、ストーリー原案を原作・伏瀬が担当する。


TRAILER

DATA
『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』は大ヒット公開中!
配給:バンダイナムコアーツ
©川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会

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