映画『仁義なき幕末-龍馬死闘篇-』で村田恭次/坂本龍馬役を演じた松田凌、坂本龍馬の妻・おりょう役を演じた剛力彩芽にインタビューを行った。
松田 『漆黒天』に出演させていただいた時に、この企画のおもしろさに気づけましたし、参加させていただけて良かったと思いました。前作は主演が荒木宏文さんで、スケジュール的にも主演という立ち位置としても、俳優としての難しさや、苦労と言うとあの人は嫌がると思うんですけど、その姿勢を見させていただきました。自分もいつかムビ×ステで主演をさせていただいた時にはこれくらいの気概で、それを超えるようなものを築いて臨まなければいけない、そういう立ち位置になれたらいいなと思っていたタイミングでお話をいただいたのでとても嬉しかったです。
剛力 舞台と映画という企画自体はとてもおもしろいですし、舞台も映画も好きなので「観に行きたい」と素直に思いましたし、出演させていただけるのはとても嬉しかったです。
松田 現場でスタッフさんともお話をしたんですけど、剛力さんは和服が本当に似合う方で。現代の人は現代の服になれている分、似合い方が違うんですけど、なぜ時代劇にもっと出演されていないのかというくらいの佇まいでした。自分は、今日着ている白いスーツもそうですが、任侠の世界のオーバーサイズのスーツで、こういう服を着たかった。坂本龍馬の羽織もそうですけどロマンが詰まっている服を着れるように、肉付きのいい体にしたくて、逆に食事もよく食べていました。
剛力 私は和服が好きなんです。本当は和服を自分で着付けもしたいですし、時代物も憧れていました。何回か出演させていただき、所作などをお勉強していくうちに、着物を着ると背筋とか歩き方とかが自然と変わるんです。洋服を着るとあっという間に姿勢が悪くなっちゃう(笑)和服を着るだけで気分が変わります。監督とは衣装合わせの際に、このシーンはこれにしようかと選ばせていただいて楽しかったです。時代物はなかなか衣装変えがないんですけど、今回は結構着替えさせていただいているので、楽しかったです。おりょうさんの感情が語られないからこそ、動きで表現させてもらえるのも嬉しいです。
剛力 そうですね。後は、私がインするときには(松田が演じる)龍馬さんがいてくださいましたし、支えようという気持ちにさせていただいたのもそうですし、セットも素晴らしいので、空気感と雰囲気で自然とおりょうになれました。
松田 台本を読んで、任侠の世界ですし、幕末感もあるのでどう撮影するんだろうと不思議な気持ちだったんですけど、村田恭次の刺青の竜におりょうが手をはわせるという描写があって、作品としてはおりょうと村田恭次が愛し合っているという描写にもつながるんですけど、武骨な色っぽさというか、こういうのがロマンにも繋がるのかと。本当に入ってるんじゃないかというくらい鮮やかな刺青を入れていただいて。自分にとってはグッとくるシーンですが、撮影はおもしろかったです。
剛力 「手だけがいい」と言われて、すごい体勢で触っているんです。
松田 背中と手だけしか映らないように。
剛力 1ミリも映らないですからね(笑)難しかったです。監督からは「もうちょっと強く!」とか。
松田 監督が撮りたい絵なんだろうなと思いました。
松田 他にも、散りざまもそうですね。血を吐く描写も、一発で決めなければいけない。散っていく方々が多いので、役者としても“ここで決めきる”という気概を感じました。
剛力 そうなんです。まさかあんなにみんなが切られているとは…。もちろん台本上では分かっていましたけど、思っていた以上に切られていたので、映像を見てビックリしました。できれば参加したかったです。戦いも好きでアクションをやってみたいので。いつか私も(笑)
剛力 私は戦国時代です。真田幸村がすごく好きなので、会いたいです(笑)おりょうさんにも会ってみたいです。実際はどんな人だったんだろうと思います。
松田 幕末の志士を演じることは今回が初めてではなくて、薩摩藩士の桐野利秋や、新選組の斎藤一も演じさせていただいて、去年、桂小五郎も演じて、今作では坂本龍馬を演じて。多分幕末すべての側の戦っている人を演じさせていただいたので、それならば幕末に行ってみたいですね(笑)未来を知っているのだとすれば、命を懸けてみんなの仲裁に入りたい。そうすれば坂本龍馬が生きてるかもしれない。ここまで演じさせていただいたのだから、一度みなさんにご挨拶に…切られるかもしれないですけど。もう一つは、昭和という時代が好きなので、昭和という時代を生きてみたいです。激動のうねりを感じてみたかったというのはあります。あの時代の日本は夢に夢見れた、淀んでいたけど華やかにも見れて、想いを馳せることが多くて、行ってみたいです。
【写真・文/編集部】
東映株式会社と東映ビデオ株式会社が立ち上げた、映画と舞台を完全連動させるプロジェクト「東映ムビ×ステ」第5弾として製作された映画『仁義なき幕末 -龍馬死闘篇-』。令和のヤクザ村田恭次(松田凌)は幕末へタイムスリップしてしまう。そこで恭次をかばって命を落としたのは憧れの坂本龍馬だった。恭次は龍馬の意志を継ぎ、坂本龍馬になり代わって「日本の夜明け」を目指す羽目に…。令和ヤクザが坂本龍馬になり代わるという現代と幕末を飛び越えた今までにない新感覚のタイムスリップ歴史スペクタクルムービー。
映画『仁義なき幕末 –龍馬死闘篇-』は2023年3月25日(土)公開
監督:橋本 一
出演:松田凌、和田琢磨
矢崎広、鈴木勝吾、赤澤燈、荒川ちか
石黒英雄、本田礼生、小野健斗、岡宏明、江戸川じゅん兵
本宮泰風/剛力彩芽
舞台『仁義なき幕末 -令和激闘篇-』は2023年4月27日(木)~5月7日(日)に東京・サンシャイン劇場、5月18日(木)~21日(日)に大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで上演
作・演出:毛利亘宏(少年社中)
出演:和田琢磨、松田凌
石黒英雄、本田礼生、小野健斗、木津つばさ、荒川ちか
岡宏明、柏木佑介、赤澤燈、鈴木勝吾
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