『スパイスより愛を込めて。』で母のスパイスカレーをこよなく愛し、カレーのない世界に絶望する主人公・山本蓮役を演じた中川翼にインタビューを行った。
中川 座長ということで金沢に入る前にプレッシャーがあり、みんなで一緒に作り上げていくという面で自分が引っ張っていかなければというところがありました。それでも、前回(『光を追いかけて』(2021))中学生で初めて主演をやらせていただいたのですが、高校生になってもまた経験できるのはうれしかったです。
中川 お話をいただいたときに題材がカレーということを聞いていたので、台本を読む前にカレーがどういう物語になるんだろうと(笑)。実際に読んでみたら、ミステリー要素もありつつ、高校生活も描かれていて、現代社会を映し出しているような映画だったので率直におもしろいなという印象を受けました。
中川 イメージすることが多くて、僕が思う山本蓮、監督が思う山本蓮、他人が思う山本蓮の重なる部分を絞り出して演じられたらと思いました。
中川 金沢でしか感じられない、東京とは違った空気のおかげで演じやすかった部分はあります。リラックスしやすい空気感を金沢の人や、街が生み出していたと思います。
中川 お寿司がおいしかったです。あと、金沢カレーケータリングで出していただいて、それを初めて食べた時の衝撃が忘れられないです。もともとおいしいものに金沢の空気感が重なって、一番おいしかったです。
中川 好きです。東京に帰ってきてから、より食べるようになりました。家庭で出てくるカレーが一番好きで、それ以外をあまり意識してこなかったのでこんなにカレーの種類があるんだと、映画の撮影を通して思いました。
中川 はい。お昼が近くなると「今日、カレーがある」とみんなが気づいてテンションが上がるということがありました。
中川 そうです。ゴーゴーカレーのCEOの方々が撮影現場に来てくださって、屋台形式で開いて作ってくださいました。温かいものをその場で食べることができたのでより好きになりました。
中川 本当にそうです(笑)休憩中も撮影中も。飽きずに楽しめました。
中川 大人が観た時に懐かしいと思ってもらえる映画になっています。金沢が舞台なので地元の人からは、高校時代に戻ったように自分と重ね合わせて観ましたという感想をいただけててうれしいです。高校生の当時しか味わえないキュンキュンとする甘酸っぱさを感じられるのは、高校生が演じる自然な青春物語だから、そこに良さがあると思います。
中川 他愛もない話をしていました。周りが全員女性でしたが全員で仲良くなって常に4人で移動する場面もあったし、楽しかったです。茅島みずきさんとは休憩中にゲームをするくらい仲良くなれたので、その仲の良さがうまく映っていたと思います。
中川 僕は小学生の頃から男女ともに仲良く、「みんなでおにごっこしよう!」というタイプだったので、みんなと仲良くするという部分では距離感は近いものがあったと思います。
中川 そうですね、前回はツンデレなキャラクターでしたが、今回は友情という面で親友みたいな距離感を築き上げられたのは、自分に近いというのはあると思います。周りの空気感や、休憩中の仲の良さも作中に出ていたと思います。
中川 初めて腕とか足の毛を全部剃り、撮影中もそこだけは欠かさずにやっていました。仕草や、声もちょっと高い感じとかを自分が思う山本蓮を演じられたと思います。
中川 極端に近いか離れているとやりやすいですが、その中間で、ここは合ってるけどここは違うという役だと難しいと思うこともあります。今までやってきた中でミステリー系が多いこともあって、華やかな役はやったことがないのであまり苦を感じたことがないので、そういう面ではうまく対応できたり、役になりきれていると思います。
中川 緊張をほぐすという意味では、莉久役の茅島みずきさんとスマホのサッカーのゲームで対戦をやっていました。本当の高校生活みたいなものもあってよりリアルに描かれていたと思います。
中川 ずっとゲームをやっていて毎回僕が負けるんです(笑)自分の気持ちでは負けていないんですけど、選手を育てるとかあって、それが難しいのか負けて毎回煽られていました。それで僕は「全然負けてないし」と意地張っちゃうんですけど(笑)そのやり取りが多かったです。
中川 三笘薫選手です。日本人という数少ない枠の中で闘えている素晴らしい選手だと思います。個人的には久保(建英)選手が中学生くらいの時からずっと好きで、久保選手と同じスパイクを買ってサッカーをするくらい好きです。でも全然足に合わなくて、今は変えてしまいました(笑)
中川 サッカーと言いたいところですが音楽です。寝る前にも音楽を聞いたり、移動するときに、電車や車の中でも音楽を聞いてモチベーションを上げることが多いので、音楽がなくなると僕も消えてしまうような気がします。
中川 ギターとかやってみたいと思っていて、いずれ(笑)役がらみでいいきっかけになればいいなと思います。
中川 恋愛系のドキドキ感とかキラキラの青春物語は映画でしか味わえないので好きです。コメディも好きです。洋画の『イエスマン』とか、そういうミステリーとコメディが掛け合わさっている感じが好きです。
中川 今はまだ難しいかもしれないのですが、教師の役を演じたいです。僕が個人的に数学が好きなので、数学の教師をやってみたいです。人に教えるのが好きなのでいつか役でできたらと思います。
中川 中学3年生で受験生の時に担当だった若い数学の先生がいて、その先生の数学が楽しくて。もともと好きではあったんですけど、得意になって、かっこいいな、こういう教え方ができるようになりたいと思いました。
中川 喜んでくれるかもしれないです(笑)いつかやってみたいです。
中川 この作品でおいしそうなカレーと美しい金沢の風景と甘酸っぱい青春物語を楽しんでもらえたらと思います。観ているだけで匂いもしてくるし、お腹も空いてくると思いますが、特にカレーに注目して欲しいです。当たり前だけど当たり前じゃないということも現代社会と掛け合わせて共感する部分も多いと思うので注目して観てもらえたらと思います。映画を観終わってから、お腹を空かせた状態でカレーを食べに行っていただきたいです(笑)
【写真・文/編集部】
本作は、いまや全国的にも広く知られるご当地カレー“金沢カレー”をはじめ、カレー店が多い都道府県ランキング3年連続第1位に輝いた石川県の古都・金沢を舞台に、「この世からスパイスが消えてしまった……」という未曽有の事態に直面した世界で繰り広げられる青春群像劇。新たなウイルスが蔓延した影響で世界的にスパイスが不足し、カレーが貴重なものになってしまった……そんな時代。母のカレーをこよなく愛していた高校生の蓮は、希少なスパイスの香りを纏った少女、莉久に出会う。莉久は「この世の食材はカレーになるためにある」と語るミステリアスな少女。彼女の虜になった蓮は、莉久とともにスパイス不足の謎に迫ることに……。
『スパイスより愛を込めて。』は2023年6月2日(金)より全国で公開
監督:瀬木直貴
出演:中川翼、茅島みずき/速瀬愛、坂巻有紗/福山翔大
田中直樹、横山めぐみ、西山繭子、萩原聖人/田中美里(友情出演)/加藤雅也
©2023「スパイスより愛を込めて。」製作委員会