『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』久保史緒里(乃木坂46) インタビュー

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INTERVIEW

『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』でホスト狂いのキャバクラ嬢・絢香を演じた久保史緒里(乃木坂46)にインタビューを行った。絢香は、ホストの星矢に恋しており、かなりの額を落としている。“星矢の夢”を叶えるため、「歌舞伎町連続殺人事件」犯人の懸賞金に目をつけるが…。

本作のオファーを受けた時の気持ちをお聞かせください。

久保 ホスト狂いのキャバクラ嬢の役と聞いて、自分にまさかそういう役が来ると思っていなかったのでビックリしました。ものすごく挑戦だなと思いましたが、監督お二人の名前を聞いて、映画が共にできると思っていなかったので、そのうれしさもあり、挑戦尽くしだなという気持ちでした。自分の知らない世界でしたが、この役を演じることに対してはドキドキやワクワクが強かったです。普段の自分とは違う役を演じることができるのは光栄なことなのでうれしい気持ちが強かったです。

知らない世界ということですが、役作りはご自身で行いましたか?

久保 絢香はホスト狂いのキャバクラ嬢という役ではあるんですけど、歌舞伎町に昔からいたというよりは憧れて来た存在で、歌舞伎町にあるバー「カールモール」のお客さんたちの中では染まりきった人間ではなかったので、純粋さのようなものもある気がします。そこを大事に守りながらという意味では、こうしていこうということはあまり考えずにできました。ただ、私は歌舞伎町に行ったことがなく、その点だけドキドキしていたので、このお話が決まってからマネージャーさん2人と歌舞伎町を歩いてみました(笑)初めての経験でした。

初めて行った歌舞伎町はイメージ通りでしたか?

久保 イメージ通りだと思いました。この映画も歌舞伎町で生きるいろいろな人物がいて、そのことを感じました。生き生きしている方もいて、すごく印象的でした。絢香もきっと歌舞伎町という場所に憧れてきたと思うので、この映画のようにいろいろな方がいて、すれ違う人に対して、どういう経緯でこの歌舞伎町に集まっているんだろうと興味がわきました。新宿を歩いていて楽しいなと思うのが、本当にいろいろな方がいるなと思って。歌舞伎町に行ったらもっといろいろな人がいて、とても興味深かったです。

演じる上で特に意識したことはありますか?

久保 内田監督が撮影中に「作ろうとしないで、その場で感じたものだけでいい」と言ってくださっていたので、自分の中で凝り固まった考えを持たずにいきました。でも絢香は孤独だったと思うし、寂しさとか、いろいろな感情があったと思うのでそこはできるだけ台本を読んで想像を膨らませました。

どのような想像をしましたか?

久保 絢香は歌舞伎町に憧れて来て、きっともっと歌舞伎町というものに対してキラキラしたものだと思っていたと思うんですけど、現実の厳しさを知ったり、彼女の純粋さゆえの不器用さがから回って、なかなか人生の歯車がうまく回らない子だと思いました。なんでこうなっちゃうんだろう、なんでこういう人生に転んでいっちゃうんだろうということを、彼女が人に弱音を吐けない不器用だからなのかな、ただ純粋だったからこそ転んじゃったのかなとか、1個1個の言動に彼女の人間性をつまみ出す作業をしていました。

本作で演じる絢香は、普段の久保さんとは大きく異なる役柄だと思いますが、ファンのみなさんに普段とは違う姿を見せる怖さや不安はありましたか?

久保 まったくなかったです。これまでの活動を通してみなさんの中で出来上がった“久保史緒里”という人間像をどんどん壊していきたいと思ってるので(笑)ラジオなどを通して今までに見せていなかった人間性みたいなものを見せてきたんですけど、このような役を演じることはみなさんが想像もしていなかったと思うんです。そういう意味ではみなさんが見たことがない私を見せれるというのは光栄なことであり、ものすごくうれしいことです。驚いたとかいう方もいるかもしれませんが、その反応は光栄な声として受け止めてられるくらいにうれしいオファーでした。

実際に反響を感じることはありますか?

久保 お仕事先や、あとファンのみなさんとお話しする機会があるときに、「ビックリした」という声が一番多かったです。でもそのビックリした感情を、実際に見ていただいて超えていきたいなという思いがあるので、果たしてそこまでいけるかというのが撮影に挑む前は課題でした。

今までに見せていなかったものを見せていきたいということでしたが、そのラジオでは見せていけていると思いますか?

久保 さらけだしすぎていると思います(笑)きっとみなさんの中でアイドル像はあると思いますが、それをどんどん壊しちゃっているんだろうなと。今まで真面目なイメージみたいなものがついていた気がしますが、ここにきて積み上げてきたものを一気に壊すということをしたので(笑)最初は怖かったですけど、ものすごい人間くさいアイドルが一人いてもいいんじゃないかなと思って、今は割り切ってやっています。

目や表情の演技が本当に素晴らしかったですが、こだわりはありましたか?

久保 こうしようというのはあまり思わなかったですし、思ってやったとしたら多分全部内田監督にバレていたと思います(笑)頭で考えるということをはやらない意識が、普段アイドルをやっているがゆえに難しいことの一つでした。アイドルとしてライブをするときは見え方を一番に気にしています。みなさんにこう映ったらいいな、こう見えたらいいなということを気にしているのですが、今回は真逆で、どう見えるかは一切考えずにやって、それは初めての感覚に近かったので、この経験ができたというのはとても貴重でした。

本作の撮影は12月下旬ということでアイドルとしての活動もある中での撮影だったと思いますが、普段のアイドル活動との違いは感じましたか?

久保 アイドルとして活動する合間に撮影が入っていたりして、自分が2人いるみたいで楽しかったです。アイドルもみなさんにどう見えるか、どう映るかを考えながら活動しなければいけない部分があるので、お芝居の世界とは必ずしもかけ離れたものではないと思っています。だけど今回の役に関しては自分の中で今までやったことがない役だったということもあって、もう一人の人生を生きているみたいで、充実していたと思います。

普段のご自身とは異なる役ということですが、共通点はありますか?

久保 離れているようで共通点もすごくあると思っています。絢香はすごく強がりで、助けて欲しい場面がいっぱいあったと思うんです。でもそこで助けてと言えないのが彼女の強さでもあり、弱さでもあるという面では、私も自分からSOSをあまり出せないタイプなので、似ていると思ってちょっと辛くなりました(笑)もっと素直に生きたらいいのにというのは重なる部分がありました。

衝撃的な展開を迎えますが、絢香の行動についてはどのように感じましたか?

久保 なんでこうなっちゃうんだろうとは不思議と思わなかったです。むしろ彼女の行動に対して納得しちゃった部分がありました。これまでの彼女の行動を通して、本当に純粋な子だったんだろうなと。もちろんどこかで違う選択をしていたら、違う展開があったのかもしれないとは思いましたけど、どうしてとはならなかったです。

これまでは地方の撮影も多かったと思います、本作は東京での撮影です。何か違うとことはありましたか?

久保 違いますね。地方が多かったので、アイドルとしての活動を東京に置いてきて地方で撮影している感覚でした。だけど、今回は撮影をしている合間にもアイドルとしての活動があったので全然違う感覚でした。だけど、今回の役はアイドルとしての自分と重なる部分が強い役だったので、それがよかったのかなと思います。実際に歌舞伎町で撮影をしていたので、撮影をしながらもいろいろな人を見ながらというのがすごく現実的だったなと思います。

今後、役者としての目標はありますか?

久保 今回自分でも想像しなかった役をいただいて、すごく挑戦でありつつも楽しかったので、全くみなさんの想像がつかない役をどんどんやっていきたいです。私自身もまさかという役をどんどんやっていきたいです。

今回演じた絢香は積極的に行動する性格ですが、久保さん自身が積極的にやってみてよかったと思ったことはありますか?

久保 メンバーとのコミュニケーションは、以前は思っていることがあってもあまり言わなかった性格でしたが、一度ライブの時に自分が思っていることを言ってみたことがあったんです。嫌われるのが怖かったから、自分から言うことでみんなによく思われないんじゃないかという気持ちがありましたが、勇気を出して積極的に言ってみたら、それに対してレスポンスを返してくれるメンバーたちがいたので、それは積極的に出てよかったなと思いました。

それからは以前よりも積極的に言えるようになりましたか?

久保 勇気を出してというようなものではなくても、最近はメンバーの活動を見ていてかわいいと思ったらすぐに言うし、何でも思ったことは言っちゃいます。みんな本当にかわいいから(笑)髪を切ったり、髪色を変えたりしたのも全部言っちゃう。素直に全部出ちゃいますね。

ワンピース ¥29,700(ジル スチュアート)
ジル スチュアート 03-5785-6454

スタイリスト 林かよ
ヘアメイク 森柳伊知

【写真・文/編集部】

STORY
新宿ゴールデン街、三番街にある小さなバー「カールモール」のカウンターに立つ女マリコ(伊藤沙莉)。日々バーテンとして常連の相手をしているが、実はもう一つの顔を持っていた。それは探偵稼業。 ある日とある組織から「歌舞伎町に紛れ込んだ宇宙人を探してくれ」という依頼をうけ、恋人の自称忍者MASAYA(竹野内豊)の協力のもと、宇宙人に迫っていくのだが…。主演は伊藤沙莉、その恋人役に竹野内豊。ほかに、北村有起哉、宇野祥平、久保史緒里(乃木坂46)、松浦祐也、高野洸らが共演。主題歌はDa-iCEの「ハイボールブギ」。次々と巻き起こる予測不能な出来事、それぞれのストーリーが複雑に絡み合いやがて1本の線として繋がり、オフビートな笑いと感動の涙を巻き起こす異色エンタメが誕生する。


TRAILER

DATA
『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』は2023年6月30日(金)よりテアトル新宿ほか全国で公開
監督:内田英治、片山慎三
出演:伊藤沙莉
北村有起哉、宇野祥平、久保史緒里(乃木坂46)、松浦祐也
高野洸、中原果南、島田桃依、伊島空、黒石高大
真宮葉月、阿部顕嵐、鈴木聖奈、石田佳央
竹野内豊
配給:東映ビデオ
©2023「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」製作委員会

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