『マイホームヒーロー』齋藤飛鳥 インタビュー

INTERVIEW

『マイホームヒーロー』で鳥栖哲雄(佐々木蔵之介)の娘・鳥栖零花役を演じた齋藤飛鳥にインタビューを行った。

本作のオファーを受けた時はどのようなお気持ちでしたか?

齋藤 お話をしているところにちょうど別のスタッフさんが通りかかって、『マイホームヒーロー』の漫画を持っているのを見て、「飛鳥、その話来てるの?絶対やったほうがいいよ!」と言われて。よく聞いたら原作の漫画が人気で、スタッフさんにもハマっている方が何人もいると聞いて、そんなに人気の作品からお話が来たのが光栄でした。原作を読み込んで、おもしろかったので、うれしいな、私が好きな作品だと思いました。現実的に見せるためにどういう方法をとるのかなと脚本を見ても想像がつかなくて、よりワクワクしました。

どのような気持ちで撮影に臨みましたか?

齋藤 この作品にはいろいろな要素がありますが、どのシーンも根底には必ず愛があると思います。零花ちゃんは両親の愛をたくさん受けて育っている女の子なので、そこは意識して、愛されていることも、自分が家族を愛していることも忘れずに、それがお芝居にプラスになればいいなと思いました。

父親の鳥栖哲雄役を佐々木蔵之介さん、母親の鳥栖歌仙役を木村多江さんが演じていらっしゃいます。お二人との共演はいかがでしたか?

齋藤 蔵之介さんは初めてご一緒したのですが、事前に私のことを調べてくださっていて、質問を投げかけてくださって、私に寄り添って会話をしてくださったのでうれしかったです。終始和やかな空気でした。多江さんは最初から「飛鳥、飛鳥」って。「私の娘はすごいのよ」とスタッフさんに言ったりして、すごくかわいがってくださったので、距離感が近くなり、すぐに役に入れました。本当に母親のような温かい気持ちを感じました。私自身も無理して入らなきゃとか、ちゃんとしなきゃと作るよりは自然体で受け入れてくださいました。

お二人が演じる役柄の印象はいかがでしたか?

齋藤 哲雄さんは威厳のあるようなタイプではないと思うんですけど、実はものすごく冷静だし頭の回転も速いし、こういうお父さんだったらいいなと思います。歌仙さんは、冷静に見えたり賢く見えたりするんですけど、すごく抜けてるし、突拍子もないことを言い出したり、それが哲雄さんの助けになったりするので、哲雄さんと歌仙さんの夫婦のバランスは抜群だと思います。漫画もそうですけど、蔵之介さんと多江さんの並んだ時の画の感じも、お話している時の空気感も、ピタッとハマっている感じがするので、お二方が演じたことも含めて素敵な夫婦だと思います。

“愛がある”ということですが、撮影を通して、その愛を感じることはありましたか?

齋藤 原作や脚本を読んで、この作品は常に根底に愛があるなと思いますし、どの登場人物も必ず誰かを愛していたり、愛されているなと感じました。撮影中も、それは感じました。

齋藤さんが演じる零花だからこそ、そう感じることも多そうですね。

齋藤 そうですね、やっぱり零花ちゃんはすごく愛情をかけられている子なので。でも、それを自覚する強さがある女の子だと思うので、零花ちゃんも両親を愛しているし、家族の愛情はこの作品を見ていたら伝わりやすいかもしれないですけど、結局哲雄さんが殺してしまった延人の父親も、延人のことを歪んではいるかもしれないけど愛していたり、それが少しずつ見えてくるので、ドラマだけではなく映画まで全部を通して、随所随所に愛が見えるのかなと思います。

家族の関係性にも注目の作品ですが、作品を通して改めて家族について考えたことはありますか?

齋藤 ちょうどグループを卒業したり、自分の環境の変化が大きくあった時期なので、家族の事とか親のことを考えることが増えていました。現実もいつどうなっちゃうか分からないので、零花ちゃんが作品の中でお父さんに毎年誕生日にあげているプレゼントも手が込んでいてかわいらしいものがたくさんあるんですけど、ああいうのを私もしてきたらよかったなと思いました。親の記念の日はより大きくアクションをしたいなと思いました。

ご自身の中でプレゼントの思い出はありますか?

齋藤 あげるときはいつもめちゃくちゃ悩みので一つ一つ覚えています。ありがたいことに誕生日に限らずプレゼントをいただく機会がすごく多くて、そういう人生を12年くらい送ってきたのでたぶんどこかで麻痺はしていて、もらい慣れてしまった部分もあるかなと思います。改めて今1人になって、25歳になって、贈り物をされることにありがたさを、ちょうど最近感じています。

そう感じたきっかけはありましたか?

齋藤 グループの時は差し入れも含めてとにかくいろいろなものをたくさんいただいていたので、もちろん当たり前とまでは思っていませんが慣れてしまっていた部分もあって。記念日でもないのにお花をいただくことがよくあったんですけど、今はそういうお仕事も少なくなっているので 、「誕生日だからお花を差し上げます」とか、「チョコレートを差し上げます」というのは、改めて考えるとすごくうれしいことだし、ありがたいことだなと実感しています。夏が誕生日で、そこで実感しました。私もふとした瞬間に、かわいい小物を見たらあの子にあげたいなとか、思い浮かぶようになった気がします。

零花には反抗期がありますが、齋藤さんはありましたか?

齋藤 反抗期という反抗期はないです。高校生になったばかりの時に一人暮らしを始めて、その直前くらいに乃木坂46にいたので、普通の中学生や高校生よりちょっと忙しくしていた時期は、仕事終わりにお家に帰るときに親に連絡して、「今日は疲れているので何もしゃべれません」と送っていた時期はあります(笑)反抗ではないです、気遣いというか(笑)

サスペンスやミステリーなどさまざまな要素が入っているという本作ですが、齋藤さんご自身が観る好きなジャンルはありますか?

齋藤 サスペンスはすごく好きです。ミステリー作品もよく読んだり、見たりします。

読書がお好きだと思いますが、映像作品を見ることも多いですか?

齋藤 そうですね、お家で見るのも好きですけど、映画館に行くことがすごく好きなので、よく見に行っています。

さきほど、本作は「好きな作品」とおっしゃっていましたが、ご自身がそう思える作品に出演するというのはどのような気持ちですか?

齋藤 不思議ですね。今までやらせていただいた作品を含めて、自分がおもしろいと思ったり、やりたいと思った作品ができることってすごく恵まれていることだと思うので、今回このお話をいただいたのもうれしいですし、お話をいただいて私が演じられてうれしいというよりは、この作品を知れたのがよかったなと思っています。こんなにおもしろい作品があって、人気があってというのは、私はあまり漫画に詳しくないので知らずに生きていたので、知れてよかったな、読めてよかったなと思います。私は原作を知りませんでしたが、映像化されて話題になったら目につくだろうし、私が出ていなかったとしても映画は見に行っていたと思います。

本作や、春に公開された映画も含めて、グループ時代の齋藤さんのイメージとは全く違う印象ですが、以前とは女優としての意識は変わったところはありますか?

齋藤 そんなに変わっていないかもしれないです。私はお芝居の事も、何をしたら俳優としてすごいとかもあまり分かっていなくて。例えばこの作品であっても、役作りとか、自分で一生懸命考えてこうしよう、ああしようと考える域にまでは私は達していなくて。ただ言っていただいた演出に対して一生懸命応えたり、作品自体を好きになればきっとどこかしらにいい作用も働くだろうから、たくさん読み込むとか、初歩的なことしか今はできないので、俳優としてどう見られたいとかは今はまだないです。ただ作品の邪魔にならなければうれしいなというだけです(笑)

乃木坂46を卒業して女優として活躍していくうえで、今までのファンの方にどう見て欲しいかという思いはありますか?

齋藤 グループにいた時は常にいろいろなお仕事をさせていただいたり、常にファンの方に何かしらの動きを見せられていて、もうすぐシングル発売だろうなとか、もうすぐライブあるだろうなと姿を見れることの安心感はあったと思います。だけど今は私がやらないとみなさんの目に入らないという環境なので、ただ私もがむしゃらに何かに向かって走るというのは乃木坂でやりつくしてしまったので(笑)ファンの人が楽しんでくださるような活動ができているかは分からないですけど、こういう作品に選んでいただいて、実際に出演しているのを見て、ファンの人も“飛鳥っぽいな”と思ってくださっていると思うので、 そこを外れないように、私らしいお仕事の仕方をこれからもしていけたら、ファンの方も喜んでくれるのかなと思っています。

本作の見どころをお願いします。

齋藤 どの視点で見てもいろいろな楽しみ方ができて、サスペンス的な要素もありますし、哲雄さんの巧妙なトリックで「なるほど!」という発見ができると思います。家族愛を実感できたり、とにかくいろいろな楽しみ方ができる作品です。一つの感情を持っていただくというよりは、見ていろいろな感情を抱いていただいたらうれしいです。

ヘアメイク:秋鹿裕子(W)
スタイリスト:市野沢祐大(TEN10)

ベスト \53,900 シャツ \40,700 スラックス \41,800(全てポンティ/MAEDA DESIGN LLC.) チョーカー \34,100(オダカ/S&T) ピアス ¥132,000(シャランポワ) リング(右手薬指) \66,000 2連リング(左手薬指小指) ¥33,000 リング(左手小指) ¥68,200(全てアドリン ヒュー)
MAEDA DESIGN LLC. 03-6280-4400
S&T 03-4530-3241
シャランポワ sharanpoi.com
アドリン ヒュー adlinhue.com

【写真・文/編集部】

STORY
2017年より「ヤングマガジン」で連載が開始され、累計330万部を突破、4月にはTVアニメ化もされ、現在も大人気連載中の『マイホームヒーロー』。愛する家族とただ平穏に暮らすことだけが生きがいだった、ごく普通のお父さん・鳥栖哲雄(佐々木蔵之介)はある日、娘の彼氏を殺して〈殺人犯〉になってしまう。一線を越えてしまった哲雄を待ち受けるのは、冷徹で残忍な“闇社会の半グレ組織”だった―。娘を守るために、殺人犯になった父。夫の秘密を守り、支える妻・歌仙(木村多江)。そして、何も知らない娘・零花(演・齋藤飛鳥)。推理小説オタクの“ただのおじさん”は家族を守るために間島恭一(高橋恭平)ら犯罪組織との命を懸けた絶対に負けられない闘いに挑む―。鳥栖哲雄は“家族のヒーロー”か、それとも“ただの犯罪者”か…。サラリーマンVS半グレ組織。次々に巻き起こる日常ではありえない常軌を逸した展開に…お父さん、毎週大ピンチ!?1秒たりとも目が離せないノンストップファミリーサスペンスがこの秋ドラマ化、さらに来春には映画化も決定している。


DATA
ドラマイズム『マイホームヒーロー』は2023年10月24日(火)よりMBS/TBS系列28局で全国放送
◆MBS 10月24日(火)1・2話放送 毎週火曜24:59~
◆TBS 10月24日(火)1・2話放送 毎週火曜25:28~
◆CBC 10月30日(月)1話放送 毎週月曜24:59~
◆HBC 10月30日(月)1・2話放送 毎週月曜25:29~(※初回は24:59~)
◆RKB 11月6日(月)1話放送 毎週月曜25:55~

監督:青山貴洋、棚澤孝義、山本大輔、森裕史
出演:佐々木蔵之介
高橋恭平(なにわ男子)、齋藤飛鳥、淵上泰史、内藤秀一郎
音尾琢真/吉田栄作(特別出演)、木村多江

『映画 マイホームヒーロー』は2024年3月8日(金)より全国で公開
配給: ワーナー・ブラザース映画

©山川直輝・朝基まさし/講談社/ドラマ「マイホームヒーロー」製作委員会・MBSいホームヒーロー

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