『マッチング』内田英治監督 インタビュー キャスト陣に感じた「素直な魅力」手応えを感じたシーンについても

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INTERVIEW

アプリから始まる新感覚サスペンス・スリラー映画『マッチング』で原作・脚本・監督を務めた内田英治にインタビューを行った。

ウェディングプランナーとして仕事は充実しながらも恋愛音痴な主人公・輪花役には土屋太鳳、輪花とアプリでマッチングする“狂気のストーカー”永山吐夢役にSnow Manの佐久間大介、輪花に想いを寄せるマッチングアプリ運営会社のプログラマー・影山剛(かげやまつよし)役を金子ノブアキが演じる。

スリラーをいつかやりたいと思っていたということですね。

内田監督 元々ジャンル系が好きですし、小説はほとんどスリラーとかミステリーしか読まないんです。なので、映画では基本はこういう怖いものをベースに。たまにヒューマンドラマのようなものをやれればいいなと思っています。もしかしたら周囲から思われているものとは違うかもしれないです。あまり血が出ない作品が続くと血が見たくなりますね(笑)

実際に本作を作ることになったきっかけはありましたか?

内田監督 ずっと撮りたかったんですけどスリラーは難しくて。ベースとなる題材が難しく、作ろうと思って作れるものではありません。ずっと題材を探してはいたんですけど、見つからず、たまたまマッチングアプリが流行りだした時に、知らない人同士が出会うわけということで題材にいいなと思いましたが、当然誰かがやっているだろうと思いました。そして、プロデューサーたちと話しているときに、“意外にないね”となって企画がスタートしました。ラッキーかなと思います。

スリラーは難しいとおっしゃっていましたが、本作のようなサスペンス・スリラーだとどういったところが難しいですか?

内田監督 一番はトリックと伏線の張り方です。やはりミステリーの作家さんはすごいですよね。ただ、今は昔よりはやりやすいと思います。推理パターンが出尽くしているので、選択して変化球にしていくという作業ができる。今の時代だからできたと思います。

キャスティングについてうかがわせていただきます。土屋さん、佐久間さん、金子さんについては決め手はどこにありましたか?

内田監督 僕はテレビを見ないので、映画やテレビを見てイメージするよりも本人に会って、本人の素の部分を見てから膨らんでいく感じです。予備知識を入れないようにしているのかもしれないです。イメージがついていない状態で会って、本人たちの素直な魅力が分かりました。

どういったところが魅力でしたか?

内田監督 太鳳さんはピュアな子で、それは会ってみないと分からないです。佐久間くんも会うといきなり底抜けに明るいんです。予備知識がないのでビックリしますが、その明るさがとてもピュアで。彼はそれが素で、心底ピュアな子だったので、そういう彼の性格を膨らませていきました。金子さんはバンドマンでもあるので、バンドマンらしいこだわりが強いです。演技に対するこだわりとかキャラクターに対するものも。この人すごいこだわりを持っているんだなとか、それは本人の性格ですよね。

演出はどのように行いましたか?

内田監督 とことん話し合います。役者さんが疑問を持っている状態が一番よくないので、とことん話し合って、役者がこれいけると、この役になれると判断した時点で現場に入ります。現場ではいろいろと新しいアイデアが出てくるので、そういうアイデアを出しながら現場も進んでいく感じで、共同作業です。あまりこうして、ああしてとは言わずに、「僕はこう思うけどどう?」と言うほうが好みです。

俳優からアイデアが出ることもありますか?

内田監督 いただいたりします。「こういう感情になります」みたいな話を聞いて、「じゃこういう動きがいいよね」とか。ここまで多重的にモノづくりが行われていると、一人の感覚でこうだという考えだと厳しいと思います。みんなで共同作業して作っていかないとおもしろくならないです。

撮っていて手応えを感じたシーンはありましたか?

内田監督 全てが明らかになる廃墟のシーンがあるんですけど、そこは撮影していても楽しかったですし、一つの秘密が明らかになっていってカタルシスがあると思います。役者もすごく頑張っていただいていたし。暑かったですし、廃墟なので怖いですけど。実際に街の中にあるので、日本の成れの果てみたいな感じですよね。

監督はマッチングアプリを実際に使ったことがなかったということですが、どのようなイメージでしたか?

内田監督 取材で使ってみたかったんですけど、「取材です」と言ったらマッチングにならないですからね(笑)スタッフにも利用者がいたので話を聞きました。世代的にはちょっと怖いなというところでしたが、話を聞いてから、人を幸せにする部分を多く持っているなと変化していきました。実際にスタッフも幸せになっているので、マッチングアプリで結婚して幸せな家庭を築いている人がいるので、とてもいいものであるという考えの変化はありました。

この映画を通しても身近だなと感じますね。観ている人もイメージが変わることもありそうですね。

内田監督 楽しそうですよね、選べるので。驚くくらい身近に感じますよね。ただ同時に当然危ない部分もあるわけですから、危ないこともあれば幸せな部分もある。利用者のモラル次第ですよね。

パート2の構想もあるということですが。

内田監督 構想だけで、まったくゴーサインは出ていませんが(笑)密閉された船上でのマッチングパーティで、次々と殺人事件が起きる。悪い奴らがアンチヒーローとして活躍していくという構想があります。この映画がヒットしたらやらせてくれるかもしれないです。

【写真・文/編集部】

STORY
恋人探し、婚活など、現代人に最も身近なツールとなったマッチングアプリ。気軽さも手伝ってその普及率は年々増加の一途をたどっている。しかし同時に、ユーザー間でのトラブルも多数報告されており、やって来た相手がプロフィールとは全くの別人だったり、さらに深刻な事件に発展するケースも。本作では、マッチングアプリを通じて他人と気軽に出会えるようになった現代だからこそ起こる“身近に潜む恐怖”を、追い詰められてゆく主人公とともにジェットコースターに乗ったかのようなスリルと、予測不可能なストーリー展開で描く。主人公・輪花役に土屋太鳳、輪花とアプリでマッチングする“狂気のストーカー”永山吐夢役として本作が初の実写映画単独出演となるSnow Man 佐久間大介、輪花を助けるマッチングアプリ運営会社のプログラマー・影山剛役に金子ノブアキを迎え、内田英治が監督・脚本を務める。


TRAILER

DATA
『マッチング』は2月23日(金・祝)より全国公開中
監督:内田英治
出演:土屋太鳳
 佐久間大介、金子ノブアキ
 真飛聖、後藤剛範、片山萌美、片岡礼子
 杉本哲太、斉藤由貴
配給:KADOKAWA
©2024『マッチング』製作委員会

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