映画『ゴールド・ボーイ』で上間浩役を演じた前出燿志にインタビューを行った。
それは完全犯罪のはずだった―。まさか少年たちに目撃されていたとは…。総再生数20億回(iQIYI JAPAN調べ)のアジア最高峰のドラマ原作を日本で映画化。殺人犯と少年たちの頭脳戦が幕を開ける。殺人犯・東昇を岡田将生が演じ、東昇と対峙する少年少女たちを演じるのは、Go!Go!kidsのメンバーである羽村仁成、雑誌「nicola」の専属モデルを務める星乃あんな、そして『ラーゲリより愛を込めて』で主人公の次男役を演じた前出燿志。
前出 このオーディションの台本をいただいて、やりがいのある役で絶対にやりたいと思ったので、浩像について研究しました。映像作品を見て、どういうキャラクターにしようかなと練って、それを金子(修介)監督や、企画の許(曄)さんがいらっしゃる前で全力でアピールしたら「お願いしたい」とおっしゃっていただいて決まりました。
前出 最初にオーディション用の台本をいただいて、初稿として作られた映画のいろいろなシーンの抜粋したものでした。その抜粋だけでもおもしろくて、それしか情報がない中で、どうやったらこのシーンだけでも浩がいいキャラとして見ていただけるかなと考えながら作りました。
前出 僕が持っていった浩像で採用されたので、そういう浩を求めているのかなと思い、オーディションで作ったキャラ像をブラッシュアップして金子監督との打ち合わせや本読みの時に持っていったんですけど、金子監督が求めている浩像がちょっと違いました。そこは金子監督と話し合いをして、現場でも撮った映像を見せていただいて、こういう浩像を求めているんだ、撮りたいんだと理解を深めました。
前出 僕が考える浩は一言で言うと素直で幼い少年です。考えて行動するタイプではなくて本能で動く子です。行動理念には、とにかく朝陽と夏月のために動いているんじゃないかなと思っていて。愛情深い少年だと思いました。
前出 外見も肌を黒くして、ちょっとヤンチャな部分を茶髪で表現して、キャラとしても兄貴分が出るように体格をよくしたりしていました。
前出 いつもより食事を多めにとったり、間食をとったりして、ふくよかな感じにしました。
前出 その場でどうにかなるものと元から身についているものは見え方が違ってくると思うので、最低限の慣れは習得してから撮影に挑みました。
前出 子供3人で過ごすことが多く、3人でのシーンは仲睦まじい描写が多いのですが、人当たりの良さは割と僕も素で2人と接していました。そこは僕と似たようなところがあるんじゃないかなと思います。
前出 あまり人見知りはしないです。たまに距離感が近すぎると言われますけど(笑)逆に離れる訓練をしています(笑)
前出 沖縄での撮影は1か月半くらいでした。僕と(羽村)仁成くんと(星乃)あんなちゃんは事前に東京で本読みだったり、衣装合わせで会って話したりすることがあったので向こうに行ってからはある程度関係値ができた状態で撮影に参加できたのでよかったです。より関係を深めることができていい雰囲気が作れたと思いました。
前出 そうですね、僕は人と会話するのが好きなので、現場のオフではよくみなさんと話したりして。仁成くんとあんなちゃんとは遊んだりして、本当に仲良くなりたいと思ってその一心で過ごしていました。
前出 ロケ弁は毎日どれもおいしくて、種類も豊富で、本当にありがたかったです。金子監督が「本当に3人が揃ったら『ゴールド・ボーイ』という作品の朝陽、夏月、浩だ」とおっしゃってくださって。揃うだけでこれだけキャラができているというのはすごいと褒めてくださってすごくうれしかったです。見返しても、朝陽だな仁成くん、夏月だなあんなちゃんと感じたので、それが見てくださる皆さんにも伝わればいいなと思います。
前出 アクションシーンの中で血のりが出てくるシーンは難しかったです。僕は血のりを使った撮影が初めてだったので、血のりの扱いが難しかったですし、それを意識したうえで演技もしないといけないといけないので大変でした。
前出 血のりが全然落ちなくて、ホテルに帰った後もシャワーを浴びたら赤いのが流れてくるんです(笑)全員血まみれになるシーンでは、その撮影をした後に別のシーンの撮影があったので血のりを落とさないといけなかったので、控室に行って血のりを落としたんですけど、ロケバスを汚さないように全員レインコートを着て、スタッフのみなさんがロケバスの中をビニールで覆ってくださって、全員お揃いでバスに乗ったのが思い出ですね(笑)大変だったけど楽しかった撮影でした。
前出 今回の現場では2カメ体制で撮影していました。ワンシーンワンカットを撮るためにも、基本的には2つのアングルからカメラを回して撮影をしていました。僕は今まで1つのカメラでワンカットを撮影するという現場しか体験したことがなかったので。普段は演技をするときに、カメラからどう映るかを考えながら、意識しながら撮影に挑んでいるんです。この角度でセリフを言ってみたいなことを考えながら演技をしていたので、2カメが同時に回っていたので、こっちのカメラではここまでが映っていて、こっちのカメラではこう映っていてと並列で考えながら演技をしなければいけなかったので、僕自身のスキルアップにもつながったんじゃないかと思います。
前出 本当にすごいなと。すごい、すごいと思い続けた現場でした。演技をしている最中の声の発し方だったり、トーンだったり、表情だったり、オーラだったりもそうですし、すべてが東昇になっていて。岡田さんが演じるからこその良さも出していて、僕もこういう演技ができたらいいなと本当に勉強になることばかりの現場でした。
前出 岡田さんもおっしゃっていましたが、最初は岡田さんも距離を置いていらっしゃったんです。僕たちは途中までピリピリしている演技をしないといけなかったので、初対面で事務所の先輩とお会いして、演技もここまで深く関われて、というのもあったので、そこの部分でも素の緊張感で挑めたんじゃないかなと思います。岡田さんの足を引っ張らないように、飲まれないように頑張って演技をしていました。
前出 なんでも首を突っ込むようなタイプです(笑)いろいろな方とお話をしていて、その方がどんなジャンルが好きなのか、その方の専門の分野だったりについてのお話を詳しく聞くと勉強になったりして学べます。それが僕の演技の幅にも繋がるんじゃないかなと思っているので、僕はいろいろなことに興味を持つのが好きです。
前出 どのジャンルも人ごとに思えない、別の世界だと思えないです。自分の世界にじゃないですけど、幅に取り入れて、手札を増やしていければ今後の活動にも生かせるんじゃないかと思います。
前出 本当に緊張しっぱなしの2日間でした。ここまで大きな舞台に登壇することもみなさんに見ていただくことも今までになかったので、どう立ち回ればいいのか、どう行動すればいいのか、やることなすことすべてが初体験でした。スケールが大きくて、ただただ全力で一つ一つをこなしていく2日間でした。
前出 幼稚園がインターナショナルスクールに通っていたんですけど話す内容はあくまで幼稚園児向けのことが多くて、その後も塾に通ってはいたんですけど子供が話すような内容が多かったんです。その中でこういう現場に携わらせていただくと、大人の現場でのワードだったり、言い回しだったり、洋画に使われるようなフレーズがポンポン飛び交うので、そういうお話を英語で聞けるのは勉強になりますし、言い回しを知れるのもネイティブならではの言い方があって、これから先に英語でお芝居をさせていただくことがあったら繋がればいいなと思っていました。
前出 経験としては挑戦してみたいなと思っているんですけど、難しそうだなと思っています。日本語は普段使っているから演じていても違和感なくセリフとして出せると思うんですけど、英語となるといったん言語を自分の一つとして考えていかないといけないので、ワンクッション置いてから演技のお話になっていくと思うので、工程が増えるので大変じゃないかと思います。以前方言があるお芝居をやらせていただいたんですけど、それだけでも難しくて、YouTubeだったり現地の方に教えていただきながら試行錯誤しながら挑みました。地元でずっと住んでいるキャラクターになるのは難しいなとずっと考えていました。
前出 これから先いろいろな経験を積んで、番組MCができるような俳優になって、いろいろな方々と深く関わっていって、場を回すような立場でいろいろな方々と接してみたいです。そういうお仕事をする俳優像を理想としています。
【写真・文/編集部】
何気なく構えたカメラに偶然映り込んだ、殺人事件の動かぬ証拠。それを警察に届けるのか、あるいは自らアクションを起こすのか。この物語に登場する少年たちは、殺人の証拠を犯人から金銭を強請るための道具へと変える。しかしどんな悪事にも完璧なものなど存在しない。徐々に歯車は狂いだし、完璧なはずだった計画は綻び始めて、少年たちはもとより犯人の運命さえもが大きく変わっていく。
『ゴールド・ボーイ』は2024年3月8日(金)より公開
監督:金子修介
出演:岡田将生、黒木華、羽村仁成、星乃あんな、前出燿志、松井玲奈、北村一輝、江口洋介
配給:東京テアトル/チームジョイ
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