超!エンタメ怪獣映画『怪獣ヤロウ!』で秘書課職員・吉田役を演じる菅井友香にインタビューを行った。
本作は、“変わりゆくご当地映画”そのものをテーマにした新しい物語。岐阜県関市役所の観光課に務める山田一郎(ぐんぴぃ)は、ある日市長から市を盛り上げるための“ご当地映画”の製作を命じられる。しかし、どこにでもある“凡庸なご当地映画”の製作に疑問を持った山田は、かねてからの夢だった〈怪獣映画〉の製作を思いつく!しかしその想いは、市政を巻き込んだ大事件へと発展していくのだった…。果たして彼がとった前代未聞の大作戦とは?関市の運命は、山田の手に託された―。
本作が劇映画初出演となる菅井友香に、作品や演じた吉田の魅力を聞いた。さらに映画出演への思いや、自身が移動時間にも聞いているほど好きだというジョン・ウィリアムズによる映画音楽についても語ってくれた。
菅井 初めての劇映画出演でとても嬉しかったですし、ご当地映画で怪獣と融合している見たことがないものだったので純粋なワクワクが大きかったです。役作りは今までにしてきたことを大切にしながらも、監督のイメージが明確だったので、分からないことがないように、たくさんお話の場を作っていただきましたので、大きな不安なく撮影に入ることができました。
菅井 スッとお話が入ってきて、(ぐんぴぃ演じる)山田も行動がまっすぐだったので、自然についていくことができました。お話として勢いがあって、グッとくる言葉が随所に散りばめられていて、読んでいてこれは参加させていただけて嬉しいなと、自然と背中を押される感覚になりました。
菅井 ありました。目標でもあったし、映画館で映画を見るのはすごく好きで、特別な記憶として残るし、思い出にもなります。そういった“スクリーンの向こうにいつか行きたい”という思いがありました。この作品で一つ目標を叶えていただけてすごく嬉しいです。
菅井 最初に、「この映画はどう?これ、いいと思う」とマネージャーさんにいただいて、『怪獣ヤロウ!』というタイトルを見た時に、「そういう角度か」という驚きはすごくありました(笑)最初は「おっ?」と思ったんですけど、メッセージがしっかり込められていて、脚本を読ませていただき、ご一緒させていただくキャストの方々のお名前も聞いて、より一層、ワクワクする作品だなと感じました。喜びの方が大きかったです。
菅井 吉田はすごくしっかりしているし、秘書として、厳しい市長に認めてもらっているという時点で、すごく仕事の出来る女性ですし、冷静でかっこよくて、ダメな事はしっかりと注意出来る強さがあるので、そこは私とは違うところです。吉田として見てもらえるように頑張らなきゃと思ったんですけど、吉田の本当の心の部分や、もっとはみ出していきたい気持ち、今はこうして頑張ってるけど、小さい頃には違う夢があったこと、そういった部分を探しているうちに心の根っこにある部分は変わらないと思いました。
菅井 そうですね。吉田の内面や、市長に過去にこんな事で怒られてきたとか、そういう事は考えていました。監督も、「吉田は本当は女優とかに対する憧れがちょっとあったりしたんじゃないかな?だから劇中劇撮る時、すごく生き生きしていた」とか、そういうことを教えていただけて、それをヒントにしながら自分なりに考えていました。
菅井 目に見えやすい部分で言うと、私は喋る時に口角が上がってしまって。監督からは、「ここではもっと笑顔に見えないようにして」とアドバイスいただきました。最初は特にそこの部分が難しいなって思いました。
菅井 やらかしてしまうところは私は結構あるので、そこは等身大だったというか(笑)すごく気持ちが理解できたし、次の日も言い出せなくて、ごまかそうとしているところとか、酷い人だなと思いながらも、「その気持ち、ちょっと分かるな」と思いました。心の中でずっとバクバクしてるけど平静を装っている感じとかすごく理解できました。本当に等身大でした。
菅井 一瞬かもしれないんですけど、みんなで工場に向かって走っていく背中のシーンがあって、そこは私が演じていて楽しかったところです。やっとみんなの心が一つになって走っているのが楽しかったんです。あと他にも山田が屋上でいろいろ火薬を入れたりとかして、ノリノリで爆発させちゃうシーンは、好きな事に向かって突っ走ってしまうエネルギーを感じますし、「公務員だって突っ走らなきゃいけない瞬間があるんですよ」というセリフが好きです。
菅井 見た方に吉田で笑ってもらえたらそれが1番嬉しいなと思います。「見た事なかったな」とか、昔から応援してくださっている方もこれまで見せていないような格好をお見せ出来ていると思うので、「こんな菅井、見た事なかった、意外だな」とか、「なんか面白いな」と笑ってもらえたらそれが1番嬉しいです。
菅井 小さい頃は、家族でよく『タイタニック』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とかを見る事が多くて、それが自分の中での思い出です。今でも見返しますし、『バッグ・トゥ・ザ・フューチャー』が舞台化されるということで、ニューヨークのブロードウェイにミュージカルを見に行くきっかけにもなりました。あとは映画音楽が好きで、特にジョン・ウィリアムズによる『ジュラシック・パーク』の音楽が大好きです。今回、監督が『ジュラシック・パーク』のオマージュを『怪獣ヤロウ!』の中に入れられていて、それがすごく嬉しかったです。
菅井 今回、劇映画初出演を果たすことができましたが、今後も映像作品に携わっていきたいですし、映画の中で山田やみんなが目の前の事や現状を打破して、突き進んでいったように、私自身も今29歳で20代最後になるんですけど、年齢に関係なく、やりたい事や好きな事にどんどんチャレンジしていって、その成功体験や失敗体験で得た気持ちを、役を通して表現出来るようになりたいです。あとは自分の不器用なところとか欠点などは、今まで見せないようにしたいと思ってきていたんですけど、最近はそういう部分も1人の人間として、私だから出来る表現というのを見つけていきたいなと思っています。不器用を武器にしていきたいです。
【写真・文/編集部】
『怪獣ヤロウ!』は全国で公開中
監督・脚本:八木順一朗
出演:ぐんぴぃ
菅井友香、手塚とおる、三戸なつめ
平山浩行、田中要次、麿赤兒、清水ミチコ
配給:彩プロ
©チーム「怪獣ヤロウ!」