映画『ザ・ゲスイドウズ』でパンクバンド「ザ・ゲスイドウズ」のボーカル・ハナコ役を演じる夏子にインタビューを行った。
“The27Club”に取り憑かれた主人公・ハナコは、不器用でちっとも売れないパンクバンド“ザ・ゲスイドウズ”のボーカル。マネージャーから「田舎へ移住して曲を作れ」と最後のチャンスを与えられた4人は、不器用ながらも村人たちと協力し合い生活していく。ザ・ゲスイドウズは、バンドの未来を変える曲を作ることができるのか?バンドのボーカル・ハナコを演じるのは、多くの雑誌やWeb のスナップに登場し注目を集め、近年では映画『MY (K)NIGHT マイ・ナイト』(23)やドラマ「366日」(CX)に出演し、幅広く活動中の夏子。劇中のバンドメンバーには、TVアニメ「ゴールデンカムイ」第4期のオープニングテーマや「呪術廻戦」1期のED曲を担当した多国籍バンドALIのボーカルを務める今村怜央がギター、ゴールデンボンバーでギターを担当しており、「日本統一」シリーズでレギュラー出演するほか映画『静かなるドン』(23)や『氷室蓮司』(24)、舞台などで俳優としても活躍する喜矢武豊がベース、アメリカで映画監督としても活躍するRocko Zevenbergenがドラムを務め、異色の組み合わせによって4人の売れないバンド“ザ・ゲスイドウズ”を演じる。
夏子 本当に面白くて、すごくタイプだなと思ったのが最初の印象でした。ただどうやって映像化するんだろうと思うシーンも多々ありました。犬がしゃべるとか、ちょっと未知数なカセットテープが喋るとか。
夏子 撮影中は知らなくて、完成したものを観た時に初めて実際に声を当てってくださったお二方の声を聞いて…すごく良かったです。撮影中は想像で演じていたし、誰が喋っているかも分からなかったので、斎藤工さんの声とマキタスポーツさんの声を聞いて、しっくりきましたし、感動しました。
夏子 誕生日を迎えたら死ぬと思っている、ちょっと過激で社会に出ても何もできなくて煮詰まっている、追い詰められた26歳の女の子です。ハナコはとにかくまっすぐで、ちゃんと自分から壁にぶつかりにいく人物だと思って演じました。
夏子 そうですね。バンドや音楽については事前に話すことがたくさんあったんですけど、監督とハナコについて話す時間はそこまでなくて。私もハナコがこれでいいのか、監督的にオッケーなのかは撮影に入るまで分かりませんでした。ただ最初のカットで、監督がオッケーを出してくれたことで「このテンションでいっていいんだ」という指標ができて、そこをベースに撮影に臨みました。
夏子 音楽を作るシーンでは5周部屋を回る演出でしたが、なかなかオッケーが出なくて、いつまで回ったらいいんだろうと思いながら演じていました(笑)どうしたら苦悩しているように見えるのか監督と現場で擦り合わせて撮影していました。
夏子 事前の音楽練習で、みんなと練習できたのは3日間くらいしかなく、そのままクランクインという状態でした。だからその練習の段階からみんな必死で。必死な分、コミュニケーションも密になるし、始まる前からまとまっていました。
夏子 現場で実際に演奏しましたし、歌も歌いました。田舎の部屋で演奏した時が、最初の演奏シーンの撮影でした。それまではスタジオで練習していたけれど、一軒屋でどんな音が出るのかも分からないし、どれくらい声を出していいかも分からなくて。みんなで思いっきりやったら家がガタガタと揺れていましたね(笑)
夏子 なかなかそういう機会はないですよね(笑)だんだん演奏がうまくなっていくという過程があるので、最初のうまくないところはとにかく叫んでみました。それがいいのか悪いのかは分からないけれど、自分がうまいとか下手とかではなくて、下手な演奏シーンをやるってどういうことだろうと考えながらやっていました。でも本番は頭が真っ白になって叫ぼうと思っていなかったのに叫んでいました。歌詞も飛んじゃうし、分からないからとりあえず叫ぼうと思っていました(笑)
夏子 習字で作詞していくシーンがあるんですが、監督から何も指示がなく「じゃあやって」と言われて。そのシーンは自分で考えながらやりました。文字を継ぎはぎしていくんですが、その継ぎはぎする文字に注目して観てもらえたらなと思います。
【写真・文/編集部】
『ザ・ゲスイドウズ』は公開中
監督・脚本:宇賀那健一
出演:夏子
今村怜央、喜矢武豊、Rocko Zevenbergen
水沢林太郎、伊澤彩織、天野眞由美、KYONO、Lloyd Kaufman
一ノ瀬竜、神戶誠治、豊満亮、中野歩、かんた、小野塚渉悟、小林宏樹、松原怜香、横須賀一巧、Joseph Kahn
マキタスポーツ/斎藤工
遠藤雄弥
配給:ライツキューブ
©2024「ザ・ゲスイドウズ」製作委員会