岸辺の旅現在フランス・カンヌで開催中の第68回カンヌ国際映画祭ある視点部門の正式招待作品『岸辺の旅』が、現地時間5月17日(日)に上映され、主演の深津絵里と浅野忠信、黒澤清監督がレッドカーペットと舞台挨拶に登場した。

ブラックドレスに身を包んだ深津絵里と、タキシード姿の浅野忠信がレッドカーペットに登場すると、観客からの大きさ声援を受け、初カンヌとなった深津は感無量の様子。100台以上のカメラのフラッシュがいっせいにたかれた。

初めてのカンヌを経験した深津は「レッドカーペットはとても緊張した。それ以上にこれから世界中の方に映画をご覧いただくことにドキドキしていた」と緊張していた様子を表現し、「作品に描かれている愛が、じわじわとしみこんでいるようなあたたかい拍手だった」と熱い声援を喜んでいた様子。

夫の勇介(浅野忠信)が失踪してから3年。妻の瑞希(深津絵里)は喪失感を経て、ようやくピアノを人に教える仕事を再開し暮らしていた。そんなある日、突然夫が帰ってきた。帰宅した勇介は瑞希に「俺、死んだよ。」と告げる。そして「一緒に来ないか、きれいな場所があるんだ。」という勇介に誘われるまま、2人で旅に出る瑞希。それは夫が失踪してから、自宅に帰ってくるまでの3年間でお世話になった人々を訪ねていく旅だった。旅を続けるうちに、瑞希はそれまで知らなかった勇介の姿を知ることになる。お互いへの深い愛と「一緒にいたい」という純粋な気持ちを改めて感じあう2人。だが瑞希が勇介を見おくり、言えなかった「さようなら」を伝えるときは刻一刻と近づいていた―。

黒澤監督にとって、2008年の第61回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」で審査委員賞を受賞した『トウキョウソナタ』に続く受賞が期待される。また、ヨーロッパでも絶大な人気を誇る黒澤監督の作品とあって、本作はフランスでは今秋に100~150館規模での公開を予定している。

映画『岸辺の旅』は2015年10月1日(木)【映画の日】よりテアトル新宿ほかにて全国公開。

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