チャップリンの遺体を誘拐するという実話から生まれた映画『チャップリンからの贈りもの』の公開を記念した前々夜祭イベントが16日、都内にて行われ、カジヒデキと小柳帝が登壇したトークショーが開催された。
『チャップリンからの贈りもの』は2010年カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した「神々の男たち」のグザヴィエ・ボーヴォワが監督を務めた作品。喜劇王チャップリンの遺体を誘拐するという驚愕の犯行劇に隠された、とことんついてない人間たちのコミカルな大騒動を、巨匠ミシェル・ルグランの美しい音楽に乗せて描かれている。
チャップリンの映画とルグランの音楽を愛するというカジヒデキ、フランス映画や音楽についてに精通する小柳帝が登壇したトークショーでは、チャップリンやルグランについて深く語られた。
本作の元となった事件について「10歳だったから当時は分からなかった」というカジ。小柳も「顛末は覚えてなかった。映画を見てこんな展開をするんだって驚いた」とコメント。映画については「2人の友情というか家族愛。チャップリンが描いてきた映画のメッセージがこの映画にも投影されている」と話した。また「チャップリン映画へのオマージュがある。主人公が刑務所から出てくるところも『モダン・タイムス』を思い出した」と、チャップリン映画のように本作を楽しめたことをコメント。
本作で音楽を担当するミシェル・ルグランについてはカジは「全盛期のルグラン」、小柳も「60年代のあの頃のルグラン。聞いたら気持ちが高揚する」と興奮気味に表現した。カジは「90年代初めにレコード屋さんに通った。ルグランはマスト。『5時から7時のクレオ』という映画が大好き。いろいろと影響を受けている」と思い出を語った。また、作中で「『ロシュフォールの恋人たち』の双子姉妹の歌が流れる。『Zoo Be Zoo Be Zoo』が流れるところも、ぼくらの世代にはど真ん中」とまさに「語りだしたらキリがない」というほど盛り上がった。
ロケーションがとても美しいというカジは「事件自体は悪い事件だけど、描き方はコミカルでチャップリンのよう」とコメント。また、小柳がどこで話をしようか悩んでいたという今日の帽子について聞かれたカジは「チャップリンを意識してきました」と答えた。
最後にカジは「本当に温かい映画。最後にさわやかな気持ちになれる。フランス映画だけあってエスプリが利いていて、洒落心がある」と作品についてコメントした。
映画『チャップリンからの贈りもの』は7月18日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMA、シネスイッチ銀座ほか全国で順次公開。