難民をテーマに国内外から選りすぐりの作品を上映する『第10回UNHCR難民映画祭』が10月に東京、札幌、仙台で開催される。
いま世界では紛争や迫害、人権侵害等によって家を追われ保護を求める人の数は増加の一途をたどっているが、国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所では、世界の難民問題について知るきっかけになるよう本映画祭を開催する。期間中には、UNHCR親善大使で、南スーダン出身の俳優ゲール・ドゥエイニーの来日も予定。
第10回UNHCR難民映画祭 上映作品の一部。
『グッド・ライ ~いちばん優しい嘘~』(The Good Lie)
フィリップ・ファルドー監督
アメリカ/2014年/110分/ドラマ
1983年にスーダンで始まった内戦によって孤児となった南部スーダン出身の3人の難民の子どもたち。13年間をケニアのカクマ・キャンプですごした彼らはやがて成長し、アメリカへの第三国定住の機会を得る。空港に降り立った彼らを待っていたのは職業紹介所に勤めるキャリーだった。新しい土地での生活に戸惑いつつも幼少期の辛い思い出を乗り越えようとする3人、そんな彼らを理解しようとするキャリー。そこに生まれた絆とは―。
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『ホープ』(Hope)
ボリス・ロジュキーヌ監督
フランス/2014年/91分/ドラマ
※カンヌ国際映画祭2014批評家週刊SACD賞
※日本初上映
ヨーロッパを目指してサハラ砂漠の奥深くを彷徨うカメルーン人の青年レオナールは、警察にレイプされたナイジェリア人の女性ホープを救出する。マフィアによる弱肉強食の掟と出身地によって分断されたゲットーの暴力が充満する世界から逃れようと、やがて惹かれ合う二人は互いへの愛に美ちびかれてスペインまであと一歩のところまでたどり着く。だが彼らを容赦なく待ち受けていたものは―。
© Pyramide International
『ボクシング・フォー・フリーダム』(Boxing for Freedom)
ホアン・アントニオ・モレノ・アマドール、シルビア・ベネガス・ベネガス監督
スペイン、アフガニスタン/2015年/74分/ドキュメンタリー
※日本初上映
アフガニスタンの女子ボクシング界で最も優れた選手、サダフ・ラヒミ。彼女は自由を勝ち取るために国の伝統や恐怖、自身の運命に立ち向かわなくてはならない。難民として避難していたイランから姉のシャブナムと帰郷し、サダフが当時発足したばかりのボクシング・チームに参加したのはまだ13歳の時だった。新しいアフガニスタン人女性の生き方としてボクシングと学業の両立を目指すサダフ。だがその行く手には数々の脅迫と困難が立ちはだかっていた。
©Making Doc
『目を閉じれば、いつもそこに ~故郷・私が愛したシリア~』
藤井沙織監督
日本/2015年/57分/ドキュメンタリー
※日本初上映
2011年に始まった紛争によって、家族を失い家も街を破壊され、帰る場所を失ったシリア人。未だ収まることを知らないこの紛争は、かつて豊かだったこの国を、世界最大の難民発生国へと変えてしまった。それでもなお、ふるさと・シリアに帰りたいという想いを抱き続けている人々。紛争の裏側にある現実と、彼らの想いを伝える。
■開催期間
東京/2015年10月2日(金)・3日(土)・10日(土)・12日(月・祝)
札幌/2015年10月24日(土)・25日(日)
仙台/2015年10月31日(土)・11月1日(日)
■会場
東京/スパイラルホール、イタリア文化会館
札幌/札幌市時計台ホール、札幌プラザ2・5
仙台/せんだいメディアテーク
■入場
※入場無料(会場募金にご協力ください)
※先着順(当日整理券を配布)
上映作品、スケジュール、イベント等については発表次第、掲載予定。
公式サイトでも情報を掲載予定。