『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』荻原健太&高田漣トークイベントザ・ビーチ・ボーイズの中心的メンバー、ブライアン・ウィルソンの半生を本人公認のもとに映画化した『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』の公開記念トークイベントが28日(火)、都内で開催され、音楽評論家の萩原健太と音楽家の高田漣が登壇した。

誕生から半世紀を経た今も時代を超えて愛され続ける名曲を生み出した、ザ・ビーチ・ボーイズの中心的存在ブライアン・ウィルソン。本作ではその栄光と苦悩の半生を描いている。萩原健太、高田漣といった自他共に認めるザ・ビーチ・ボーイズ・マニアが集い、ブライアンやバンド、本作の魅力について語った。

荻原は「ビーチ・ボーイズの話ができるのが嬉しくて仕方ない」と語り、本作の第一印象を「今まで写真でしか見たことのない場面が動いてる!」と答えた。高田は「ビーチ・ボーイズのことをよく知っている方にとってはストーリーもご存知の話もいっぱいあると思うんですが、映像では見たことがないからドキュメンタリーを見ているような感じ」と振り返った。

本作では60年代のブライアンをポール・ダノが、80年代のブライアンをジョン・キューザックがそれぞれ演じているが、この描き方について萩原は「60年代と80年代が同時進行でパラレルワールドみたいに描かれるんですが、ボク森圧タイムで60年代のブライアンがどういう悩みをいただいて曲を作っていたなんて当時は知らなかった。80年代にどんな苦労をしてたのか知ってきた頃に、同時に60年代の頃の悩みについて知ったり、この映画の描き方は僕にとっては納得がいく」と語った。

劇中ではレコーディング風景なども完全に再現されているが、荻原は「われわれが見たことある写真ってのは、後ろに写ってるこのカメラマンが撮ってる、間違いなくこの位置からのものなの。本当に芸が細かい」とマニアさえ唸らせる要素が多く散りばめられていることを興奮気味に語った。

映画を見る前に予習として聴いておくべき楽曲として、荻原は本作にも登場する「ペット・サウンズ」から当時完成させることができなかった「スマイル」をあげ、「『サーファー・ガール』や『オール・サマー・ロング』あたりのバンド黄金期のサウンドを聴いた上で映画の時代の作品に入っていくと全体的な流れが分かりやすくなると思う」とコメント。

最後に、本作を通じて初めてビーチ・ボーイズやブライアンと出会うことになる観客に向けて、高田は「僕たちマニアにとってはある種の納得と確認の作業だったりするんですが、初めての人にとってはもっと衝撃的かもしれない」と語り、荻原も「そういう人のほうが面白く感じられるのかもしれない。うらやましい(笑)」と語った。

映画『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』は8月1日(土)より角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開!

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