(左から)シャロン・マイモン監督、タル・グラニット監督、小山明子

(左から)シャロン・マイモン監督、タル・グラニット監督、小山明子

ヴェネチア国際映画祭観客賞受賞など世界中の映画祭で会場を笑いに包んだ『ハッピーエンドの選び方』が11月より公開されるのに先駆けて、来日中で本作の監督を務めたシャロン・マイモンとタル・グラニットが16日、都内でトークイベントに出席した。

本イベントには、夫・大島渚監督の介護経験を持ち、自身もリビングウィル入会など終活を積極的に行っている女優の小山明子がゲストとして駆けつけた。

本作は”人生の最期の選び方”という重くなりがちなテーマながら、前向きに生きる姿をユーモラスに愛情たっぷりに描いているが、大島監督を約17年間介護してきた経験のある小山は「安楽死や認知症は誰にでも起こりえるテーマ。私自身2年前に大島を送っていますから、考えさせられましたし、夫婦の愛や友情を感じました」と自身の体験と重ねた。

本作が生まれたきっかけとして、シャロン監督は「知人の80歳のおばあさんが自宅で亡くなった時に、やっと苦しみから解放されたと思ったら、救命士が来て30分にわたって蘇生を試みようとした。その光景に不条理を感じたことが一番のきっかけ」と語った。また、タル監督は「インスピレーションを受けた作品は『おくりびと』、さらに私たちはこの映画を『四人の侍』と呼ぶくらい『七人の侍』にも影響を受けている」とコメント。大の日本映画好きで、大島監督のファンというタル監督は「自分の映画人生で避けて通れないのは『愛のコリーダ』。イスラエルではリバイバル上映もされているし、世界の映画に影響を与えた勇敢な傑作」と賞賛した。

脚本執筆に3年、映画完成まで5年もの時間がかかったことについて小山は「その時間分の重いがこもった作品。重いテーマを扱いながらユーモアもある。高齢化社会に生きる日本人にこそ観て欲しい」と本作をアピールした。

小山明子

小山明子

『ハッピーエンドの選び方』

映画『ハッピーエンドの選び方』は11月28日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国で順次公開!

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