左から、園子温監督、神楽坂恵

左から、園子温監督、神楽坂恵

第16回東京フィルメックスが21日に開幕し、開会式に続き『ひそひそ星』が上映され、園子温監督と監督の妻であり女優の神楽坂恵がQ&Aに登壇した。

本作は、園監督が1990年に執筆した脚本を元に、自らが設立したシオンプロダクションの第一作として制作されたモノクロ映画。

制作の経緯について園監督は「自主制作で制作しようとしたけど予算の都合がつかなくて途中で断念した。その代わりに『部屋 THE ROOM』を作った」と振り返った。その後も、引っ越すたびにダンボールに入れて持って歩いたと振り返った主演の神楽坂は「私が出させていただくのはものすごく嬉しい」と気持ちを語った。

その後、観客からの質問を受けるが、『桂子ですけど』(97、園子温監督)との比較する意見に、園監督は「『桂子ですけど』はこの映画のリファレンス。『ひそひそ星』が撮れなくて」と当時の状況を語った。また、モノクロ作品だが、1シーンだけカラーで撮られていることについては「初めは全部モノクロで撮ろうと思った。緑がある風景は白黒ではなくカラーにしたかった」と思いを語った。劇中に出てくるミドリガメについて、質問されると「よく気づきましたね。『ラブ&ピース』に登場する亀で、園組の一員」と場内の笑いを誘った。

イベントの最後には、本作が来年5月よりシネマカリテにて公開されることが発表された。

園子温監督

園子温監督

神楽坂恵

神楽坂恵