本年度のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したジャック・オディアール監督作『Dheepan(原題)』が『ディーパンの闘い』の邦題で来年2月に全国で公開されることが決定した。
デビュー作『天使が隣で眠る夜』(94)でセザール賞新人監督賞を受賞し、『リード・マイ・リップス』(01)、『真夜中のピアニスト』(05)、『君と歩く世界』(12)など発表するごとにセザール賞を他部門に渡り受賞してきたフランスの鬼才ジャック・オディアール監督が最新作で描いたのは、ない戦禍のスリランカを逃れ、フランスに入国するために偽装家族となる元兵士ディーパンと女と少女の物語。暴力から逃れてきた3人は、パリ郊外の集合団地に腰を落ち着け、ささやかな幸せに手を伸ばした矢先、新たな暴力に見舞われる。人種、宗教、移民問題にゆれる欧州の今を背景にしながら、戦いを捨て新しい家族の絆をつかもうとする個の闘いを圧倒的かつスタイリッシュに描いた人間ドラマである本作。今年のカンヌ国際映画祭では、コーエン兄弟、グラヴィエ・ドランら気鋭審査員の満場一致で最高賞であるパルムドールに輝いた。
主人公ディーパンを演じるのは、スリランカ内戦の元兵士である、亡命後に作家として活躍するアントニーターサン・ジェスターサン。これまでも主演俳優からひと皮むけた演技を引き出してきたオディアールは、演技経験のないジェスターサンの荒削りの魅力をたくみに操り、悩めるディーパンの魂をスクリーンに浮かび上がらせる。また、光と闇が踊る映像美に、クールなサウンドを注ぎ込むのは今回初めて映画音楽を手がけたエレクトリック・ミュージックの気鋭、ニコラス・ジャー。サスペンスフルなフィルム・ノワールの手法を得意としつつ、ジャンルを軽々と超えるジャック・オディアールの最新作が待望の日本公開。
映画『ディーパンの闘い』は2016年2月よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開!
監督:ジャック・オディアール
出演:アントニーターサン・ジェスターサン、カレアスワリ・スリニバサン、カラウタヤニ・ヴィナシタンビ
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