70年代初めの西ドイツで作られた先鋭的なSF映画『あやつり糸の世界』が43年の時を経て、来年3月に初めて劇場公開されることが決定した。
『2001年宇宙の旅』(1968年、スタンリー・キューブリック)、『惑星ソラリス』(1972年、アンドレイ・タルコフスキー)、『ブレードランナー』(1982年、リドリー・スコット)など映画史に輝くSF映画の傑作の歴史に連なる先鋭的な作品である本作。『マトリックス』や『インセプション』に先駆けた、ヴァーチャルリアリティによる多層世界が描かれている。監督は、ヴェルナー・ファスビンダー。鏡を多用した画面設計、溢れる電子音とグッド・ミュージック、そして愛と孤独のドラマ。鋭敏な時代感覚と普遍的な主題で社会を挑発し続けたファスビンダーが、「模造の世界」を鮮烈に解き放つ幻の作品が43年の時を経て、遂に劇場公開される。
未来研究所では、仮想世界を作り出し未来社会を厳密に予測できる「シミュラクロン」の開発が進められていた。ある日、研究主任のフォルマー教授が謎の死を遂げ、シュティラー博士が後任に就く。やがてシュティラーは研究所で奇妙な事態に遭遇する。保安課長ラウゼが忽然と姿を消すと、エーデルケルンという別の人物が保安課長として存在しているのだ。やがてシュティラーは自らシミュラクロンによって仮想世界に入り込む実験を行う。現実そっくりなコンピューターによる虚構の空間。そこでシュティラーは消えたラウゼの姿を見かける-。
映画『あやつり糸の世界』は2016年3月よりユーロスペースにて公開!
監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
提供・配給:アイ・ヴィー・シー
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