アメリカ・フロリダ州を舞台に、リーマン・ショック後の金や欲望、モラルの間で人生を狂わせていく男たちを描いた本作。ノーベル賞を受賞したアメリカの経済学者ジョセフ・E・スティグリッツが「世界の99%を貧困にする経済」の中で唱えた説をベースに、住宅ローンの返済不能により住宅を差し押さえられた人々への取材を敢行、2分で強制退去を強いられたり、人々の運命を決める裁判がわずか60秒で済まされるといったにわかに信じがたい実態を映画化した。
本作では、突然失ったわが家を取り戻すために奮闘した結果、自分を見失う主人公デニスをアンドリュー・ガーフィールドが演じ、下劣な男であると同時にカリスマ的な魅力を放つ不動産ブローカーのリックをマイケル・シャノンが演じる。
エコノミストの門倉貴史氏は「リーマン・ショック後のアメリカでマイホームを失った人々の不幸がリアルに描かれている。非情で強欲な世界に身を投じ、最後の一線を越えてしまった男が辿る運命に目が釘付けになった!」と本作が徹底取材の上でリアルを追求している様子を感じているコメントを寄せた。
『世界の99%を貧困にする経済』の共訳者である峯村利哉氏は「スティグリッツ教授が看破したとおり、99%の人々に押しつけられる金融危機のしわ寄せ。文字や数字では知っている1%の所業を、生々しく肌で実感させられる一作!」と、同じく本作のリアルさを感じていた。
映画ライターのよしひろまさみちは「”素の狂気”のM・シャノン、”狂気にのみこまれる”A・ガーフィールドの演技にクギヅケ。社会問題を描きつつも、我欲が狂わせる人生にゾワゾワさせられる。」と本作での評価の高いマイケル・シャノンと主演のアンドリュー・ガーフィールドの好演に触れた。
アナウンサーの渡辺真理は「ヒロヒリするほど、リアル。ニュース解説で聞いても実感できないサブプライムローン問題の現実を突きつけられる。」とコメント。
映画『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』は2016年1月30日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国で順次公開!
監督:ラミン・バーラニ
出演:アンドリュー・ガーフィールド、マイケル・シャノン、ローラ・ダーン
配給:アルバトロス・フィルム
2014年/アメリカ/112分
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