好奇心がテーマとなるサスペンスである本作。処女作のヒット以来、良き題材にめぐり合えない小説家・健二が、初老の男性と若く美しい女性という親子ほど年が離れたカップルを見かけるが、健二の好奇心から始まった覗きは、やがて常軌を逸した行動へと変化する。主演で、初老の男・佐原を演じるのは、自作以外で12年ぶりの主役となるビートたけし。佐原に振り回されていく作家・健二を西島秀俊が演じる。ミステリアスな女性・美樹は、オーストラリア出身で国際派女優としての期待も高い忽那汐里。本作では、映画『ジョイ・ラック・クラブ』で映画ファンの注目を集め、『スモーク』がベルリン国際映画祭銀熊賞に輝いたウェイン・ワン監督がメガホンを取る。
この日は、2月11日より開催される世界三大映画祭のひとつである第66回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門への正式出品が決定されたことから、同映画祭への思いも語られた。
本作のベルリン映画祭への出品についての感想を「主演のたけしさん」と言われた事に対して「本当は私が主役じゃないんです。西島くんだったんですが、撮影の間にミスプリかなんかでいつの間にか主役になってしまいました」と語り場内は笑いに包まれた。新井は「あいつ、あんだけしか出てないのによくのこのこと舞台挨拶に来たなって思われると思うんで、先に謝っておきます」と冒頭の挨拶から笑いを誘った。
”好奇心”が重要なキーワードになる本作だが、各自が思うキーワードを聞かれ、西島は「観客参加型の心理サスペンス。油断していると巻き込まれていく」と含みを持たせるメッセージを伝えた。新井は「一瞬たりとも見逃しちゃいけない。一瞬でも見逃すとうちも見逃します」と再び笑いを誘った。
抑えられない好奇心はあるかと聞かれたたけしは「巨匠と言われる人の作品を見ると、どういう発想でこんな絵が描けたり、映像を撮れたのか」と語り「まじめな意見ですいません」とコメントした。続いて、西島は「新しい甘いものが出てくると気になりますね」と答えると、たけしはすかさず「役割逆になっちゃったよ」とコメントし、場内は大笑いとなった。
以前も共演している西島について、たけしは「同じ画面に出ることが光栄でございます」と答え、西島は「全然違うところにいる。役を超えている」と尊敬の言葉を述べた。
舞台挨拶では、18日が誕生日のたけしと新井に、忽那から花束が渡され、たけしは「菊の花・・・」と笑いを誘った。
たけしは「映画というのは、見て食事をして、その映画について語り合うというひとつのきっかけでもある。この映画を見て、分からなかった、つまらなかったとは言わずに、分かっていなくても『すごい』って・・・」とこれから本作を見る観客にアピールした。西島は「監督が仕組んだ迷宮にハマる会館をぜひ楽しんでいただきたい」とメッセージを送った。忽那は「数日間消化ができないような思いで、いろんなものを改めてかんがえような作品」と語った。
映画『女が眠る時』は2016年2月27日(土)より全国で公開!
監督:ウェイン・ワン
出演:ビートたけし、西島秀俊、忽那汐里、小山田サユリ、新井浩文、渡辺真起子、リリー・フランキー(特別出演)
配給:東映
(C)2016 映画「女が眠る時」製作委員会