横浜聡子監督最新作、安田顕主演の映画『俳優 亀岡拓次』の公開を記念して28日（木）、都内の映画館で横浜監督の過去作品の上映が行われ、トークイベントに最新作『俳優 亀岡拓次』に出演する新井浩文と横浜監督が登壇した。

人気演劇ユニットTEAM NACSの安田顕が主演を務める本作。「最強の脇役」と呼ばれ、日本全国津々浦々の現場をめぐる俳優、亀岡拓次を安田が演じ、亀岡がロケ先で出会う居酒屋の女将を麻生久美子、ほかにロケ先にで出会う人々を本イベントに登壇した新井や、山﨑努、三田佳子、染谷将太らが豪華俳優が演じる。

今回、本作の公開を記念して、横浜監督の過去作『ジャーマン＋雨』と『ウルトラミラクルラブストーリー』を一挙上映する「横浜ナイト」がヒューマントラストシネマ渋谷で行われ、上映前のトークイベントに本作でVシネ監督の山ノ上役で出演する新井と横浜監督が登壇し、本作出演への経緯など貴重な話をした。

ステージの登場した新井は「機能生放送で猫かぶったんで京はしゃべろうと思ったら、結構マスコミの方が来てるんで、また品のある感じでやらせていただきたいと思います」と話し、場内の笑いを誘ったスタートとなった。

本作が横浜監督と新井が初めてタッグを組む映画だが、出会いはかなり前で、新井は「映画プロデューサーに紹介したいって言われて、原宿の居酒屋で紹介してもらった」と出会いを語った。また、その時に横浜監督からDVDを渡されたと言い「それが『ジャーマン＋雨』で、家帰って見て、『なんじゃこりゃ』おもしろい」と興味を抱いた様子を語った。

横浜監督について新井は「業界の評判がピカイチで、みんな出たいって言う」と本作の豪華キャストの名を挙げ、監督の評判の高さを興奮気味に語った。横浜監督に「新井さんも（出演している）」と振られると、「うちのシーンは全然いらない」と謙遜気味に答えた。横浜監督は出会う前から新井のファンで「『ゲルマニウムの夜』で毎週行っていたトークショーに通い、自分のVHSを渡したかったけど渡せずに、がっくりして帰った」と当時を振り返った。

その後、横浜監督作品に新井が出演する企画があったがその話がうまくいかず、出演するときは主役でと思っていた新井に対し、今回横浜監督が本作でオファーしたのはVシネ監督の山ノ上という短いシーンの出演。それに対して新井は「これだけしか出ないのにオファーしたの！？って（笑）」とびっくりした様子だった。

横浜監督は「俳優には2つのパターンがあり、気分で監督の言うことを聞かない役者さんと、監督の指示をすんなりと受け入れる人がいて、新井さんはどっちかと思ったら後者だった」と言うと、新井は「監督の言うことを聞くのが俳優じゃないですか」とコメントし、場内からは感心する声が上がった。

今後の作品について聞かれた横浜監督は「東京を舞台で。（新井さんは）青森出身の役」と答え、新井は自らの津軽弁を披露出来ることが楽しみの様子だった。

本作の見どころについて、新井は「撮影に出向いた地で麻生久美子さんみたいな女将さんがいたら誰でも惚れる」と素直な気持ちを語り、続けて「あれは意図的だ」と言いながら「宇野祥平さんのハゲ散らかし方」を注目するポイントに挙げた。横浜監督は「今までの作品よりも間口の広いおもしろい作品」とイベントを締めた。