年に1度、自転車で旅に出る一組の夫婦と仲間たちだが、今年の行き先はベルギー。その選択には、深い理由があった。トロントやロカルノなど世界各国の国際映画祭で上映され、”尊厳死”をテーマにした作品にもかかわらず、愛し合う夫婦と仲間たちの美しい旅に、「どのように死ぬのかではなく、どう生きるのかを描いた映画だ」と絶賛された本作。
不治の病を宣告されるハンネスを演じるのは、『ヴィンセントは海へ行きたい』でドイツ映画賞主演男優賞を獲得した国民的俳優、フロリアン・ダーヴィト・フィッツ。観る者すべてが、「もし自分なら」「自分の愛する人だったら」と考えずにはいられない、胸に迫るリアルな心情を演じている。監督は、世界格好の映画祭で高く評価されているクリスティアン・チューベルト。
年に1度、自転車での旅に出る6人の仲間たち。持ち回りで行き先を決めるのだが、今年はハンネス(フロリアン・ダーヴィト・フィッツ)とキキ(ユリア・コーシッツ)の夫婦の番だ。ベルギーと聞いた友人たちは、チョコレート以外に何があるのかとボヤくが、ハンネスの選択には、ある深い理由があった―。ALS(筋萎縮性側索硬化症)と宣告された彼は、尊厳死の許される国ベルギーをめざして、これを人生最期の旅にすると決めていたのだ。真実を知った仲間たちは大きなショックを受けるが、彼の願いを叶えることを決意する。いつものように、旅行中に実行しなければならないムチャな課題を出し、実行するたび笑顔で笑い合う旅は、このままずっと続くようにみえた―。
ヨーロッパの美しい風景を自転車で走り抜ける1組の夫婦と仲間たち。たとえ人生のゴールが近くても、喜びも悲しみも受けとめて愛すれば、希望の道がみえてくる。ハンネスのラストスパートを見届けた時、心の奥にやさしいメッセージを残すあたたかい物語―。
映画『君がくれたグッドライフ』は2016年5月21日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAにて公開!
監督:クリスティアン・チューベルト
出演:フロリアン・ダーヴィト・フィッツ、ユリア・コーシッツ、ユルゲン・フォーゲル、ミリアム・シュタイン、フォルカー・ブルッフ、ヴィクトリア・マイヤー、ヨハネス・アルマイヤー、ハンネローレ・エルスナー
配給:ショウゲート
2014年/ドイツ/95分
©2014 Majestic Filmproduktion GmbH / ZDF