本作は、リリー・フランキー15年ぶりの単独主演作で、米の作家アンソニー・ドーアの同名著作を原作とし、舞台を沖縄に置き換えた。リリー・フランキーが演じるのは厭世的生活を送る主人公の盲目の貝類学者。さらに、寺島しのぶ、池松壮亮、橋本愛といった豪華キャストが共演する。
本作のロケが行われたのは、「自然と人間が対峙するような場所」として監督が当初から思い描いていた沖縄で、那覇から40km離れた渡嘉敷島。同島での映画撮影は本作が初めてとなる。
先月31日(現地時間)にオランダ・ロッテルダム国際映画祭でワールドプレミア上映を行い、帰国後にその足で沖縄入りしたリリー・フランキーと坪田監督。坪田監督は「原作の世界を日本で脚色することを決めたときに、撮影するなら沖縄しかない、と思いました。見た方それぞれの感性に突き刺さる映画になったと思います」と作品をPRした。続けて、リリー・フランキーは「荒唐無稽なファンタジーですが、こういう世界もあるかもしれない、と思わせる沖縄の風景に助けてもらいました。娯楽作とはまた違う、皆さんのイマジネーションの中で完成される映画です」と作品を表現した。
また、本作に出演し、沖縄で人気の俳優・普久原は「近くからやって参りました」と笑いを誘い、「私自身おいしい役を頂きましたが、実はリリーさん演じる学者の子供時代を私の息子が演じていまして・・・。監督からは私より上手いと褒められていました(笑)」と明かした。同じく本作に出演する新垣は「リリーさんは最初クールな印象だったので取っ付きにくい人かと思っていましたが、弁当を食べながら『よく宮古に行くんですよ』と話をしてくれてホッとたことを覚えています(笑)」と振り返った。
また、沖縄プレミアが行われた翌5日(金)には、リリー・フランキーと坪田監督が沖縄県庁に表敬訪問を行い、浦崎唯昭副知事に挨拶をした。
浦崎副知事から渡嘉敷島での撮影について聞かれたリリー・フランキーは「自然はワイルドなのに、人はとても穏やかなのがいいですね。人間のあたたかさと自然が共存しているのを肌で感じられたことは、貴重な経験でした」と振り返って語った。
浦崎副知事は「今は綺麗なビーチに整備されて泳ぐには便利ですが、やはり自然が失われてちょっと寂しい気がしています。映画を観てやって来る観光客も増えているので『シェル・コレクター』には期待しています」と期待を込めて語った。
最後に坪田監督は「自然の厳しさや驚異が浮かび上がってくる映画を作りました。沖縄を世界に発信できる映画になったと思います」と作品をPRした。
映画『シェル・コレクター』は2016年2月27日(土)よりテアトル新宿、沖縄・桜坂劇場ほか全国で公開!
監督・編集:坪田義史
出演:リリー・フランキー、池松壮亮、橋本愛、普久原明、新垣正弘、寺島しのぶ
配給:ビターズ・エンド
(C)2016 Shell Collector LLC(USA)、『シェル・コレクター』製作委員会