本作は、両親の再婚により同い年のキョウダイとなった小学生の陸太郎と真理子が、両親を離婚させようと奮闘し、懸命に生きる方法を探す家族の物語。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2015でオープニング作品として上映され、第28回東京国際映画祭でも上映された。
監督の実体験を元に作られたストーリーだが、福山監督は「僕自身は陸太郎でした」と自身をモデルにしていることを明かした。本作のきっかけについては「川口市の物語を作ろうと始まりました」と答え、「川口市は鋳物の街で、鉄と聞いたときに、子どもや成長がピントときて、自分の物語をこの街で作れたらと思い提案しました」と振り返った。
本作で一番伝えたいことは何かを聞かれた福山監督は「一番難しい質問」と前置いた上で「親の身勝手や抗えない子どもの姿を描いていますけど、悪者にはしたくないと思っていました。母親、父親、子どもも含めて一生懸命生きていく。単なる成長物語にしたくないと思いました」と答えた。
父親を演じるのは初めてだという裵ジョンミョンは「言われたとおりにやったらしっくりきました」とコメント。「カレーを食べるシーンで、テストからカレーにニンジンが入っているんですけど、僕はニンジンが食べられないんですよ。でも子どもがいるので食べられないって言えなくて、それが印象に残っています」と話し、会場からは笑いが起きた。
本作の製作過程で「脚本は僕と真理子でイメージを作りました」ということだが、実際は「記憶違いはたくさんありました。やっぱり男は都合のいいように記憶するんだなと思いました」と笑いを誘った。
また、本作ではスギちゃんが町工場のおじさんとして出演しているが、質問の際に「一番好きなのはスギちゃんが演じる工場のおじさんです。裵さんごめんなさい」と言われた裵ジョンミョンは下を向きながら苦笑いしていた。
映画『鉄の子』は2016年2月13日(土)より角川シネマ新宿、MOVIX川口ほか全国で順次公開!
監督:福山功起
出演:田畑智子、佐藤大志、舞優、裵ジョンミョン、スギちゃん
配給:KADOKAWA
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