本作は、米中央情報局(CIA)の元職員エドワード・スノーデンが、米国政府が国家安全保障局(NSA)を使って一般市民に対してまでスパイ行為を行っているという驚愕の事実を暴露した“スノーデン事件”の始まりと真相、そして彼の亡命までを追ったドキュメンタリー映画。第87回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した話題作が、ついに日本に上陸する。
2013年6月、ある内部告発で全世界に衝撃が走った。“スノーデン事件”―それは米国の二大情報機関、CIA(中央情報局)、NSA(国家安全保障局)に属した若者が、一般市民の通信データ収集の実態を証拠となる内部資料とともに暴露した上で、自ら実名で名乗り出るという、かつて類を見ない大事件だった。本作に、自ら出演しているエドワード・スノーデンが語った事実―それは9.11(アメリカ同時多発テロ事件)以降、国家がテロ対策の大義名分のもとに、世界のIT企業のサーバーに直接アクセス、さらに米最大の通信会社から個人情報を“盗む”という、行き過ぎた管理体制の実態だった。
今回解禁された予告編では、ローラ・ポイトラスとともにスノーデンを独占取材したガーディアン紙によるスクープが、トップニュースとして世界中を駆け巡る様を捉えている。スノーデン自身が危険を顧みず本作に出演し、自らの口でアメリカのスパイ行為を告発していくドキュメンタリーならではのサスペンスと迫力に満ちた映像を垣間見ることができる。ホテルの部屋という密室空間での取材にも関わらず、IP電話による盗聴の可能性を疑って神経をとがらせる様子も映し出され、あらゆる諜報手段を熟知した張本人だからこその生々しい反応と、いつ逮捕されるか分からないという緊迫した状況が伝わってくる。政府がサーバーに直接侵入しているとされる企業には、ヤフー、グーグル、フェイスブック、ユーチューブといった日本人にとっても馴染みのある名前が挙げられ、この問題が他人事でなく、今この瞬間にも私たちの世界で起こりつづけている「真実」だということを否が応にも理解させる。
映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』は2016年6月よりシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開!
監督・脚本:ローラ・ポイトラス
出演:エドワード・スノーデン、グレン・グリーンウォルド、ローラ・ポイトラス
配給:ギャガ・プラス
2014年/アメリカ、ドイツ/114分
©Praxis Films ©Laura Poitras