本作は、本年度ゴールデングローブ賞で外国語映画賞にノミネートされたほか、カンヌ国際映画祭監督週間に正式出品された。ブリュッセルのアパートで家族と一緒に住む神様は、パソコンでいたずらに世界を支配していた。ある日、神様の娘で10歳のエアが余命を知らせるメールを人々に送ったことで世界中が大パニックに―。少女エアのヘンテコな奇跡がもたらす最高にハッピーな“神様メール”とは―。
この日行われた認定式には、映画『神様メール』のジャコ・ヴァン・ドルマル監督、ギュンテル・スレーワーゲン駐日ベルギー王国大使、本作の応援隊として内田未来が登壇した。
今回が5年ぶり7度目の来日となるドルマル監督。「時差ぼけで苦しんでいます」と話しながらも、「私の名前には、雑魚(ジャコ)と日本語が入っています」とジョークを交えて挨拶した。
神様がいじわるという斬新な設定については「本作のアイデアで気に入ったのは娘がいるということ。息子がいるのはよくあるけど、女性が何かをする、言うことがおもしろいなと思いました」とコメントし、また「人は自分の人生が短いと認識したときに、何をするのかを描きたかった」と語った。
本作が大ヒットとなった要因については「お客さんがたくさん入っているレストランは行きたがるのでそれと同じだと思います」と例えながら、「コメディなので心理的描写を描いたものより分かりやすいというのはあると思います」と分析した。
記者から3月22日に起きたブリュッセルでのテロについて問われると、ドルマル監督は「いまだに混乱していてたくさんのことは申し上げられない」と答え、「多くは語れませんが深い悲しみを感じています」とコメントした。また、他者への恐怖は増大しているように感じるかと聞かれ、しばらく沈黙したドルマル監督だが「分かりません。そういう質問を想定してこなかったので考える時間が必要です」と神妙な面持ちで答えた。「ブリュッセルで感じるのはやさしくなったということ。連帯するようになったと感じます」とコメントした。
本作でエアを演じたピリ・グロワーヌについてドルマル監督は「撮影のときは10歳でしたが、女優の本質を持っていた。演技をすることに喜びを感じる人」と答え、カトリーヌ・ドヌーヴについては「人として尊敬できるすばらしい方。ゴリラとのシーンはみんなとても笑いました」と振り返った。
続けて、ギュンテル・スレーワーゲン駐日ベルギー王国大使が登壇し、本作の日本ベルギー友好150周年記念映画の認定認定セレモニーが行われた。スレーワーゲン大使は、ドルマル監督を「アーティスト」と評し、本作について「見終わった後、幸せになれる映画」とコメントした。
その後、NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」にヒロインの子ども時代の役として出演するうちだ未来が登壇。本作の感想を「私はエアみたいにいろんなことはできないけれど、お芝居を観てくれた人が楽しい気持ちになったり、がんばろうと思ってくれたらいいなと思います」と答えた。MCから、次回作に内田を起用してはと問われたドルマル監督は「神様はたくさんいるけど女神がいないので女神をやってもらおうかな」と笑顔で答えた。
映画『神様メール』は2016年5月27日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほかで公開!
監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル
出演:ビリ・グロワーヌ、カトリーヌ・ドヌーヴ、ブノワ・ボールヴールド、フランソワ・ダミアン、ヨランド・モロー
配給:アスミック・エース
2015年/フランス、ベルギー、ルクセンブルク/115分
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