是枝裕和監督最新作『海よりもまだ深く』の“こどもの日”にちなんだダメ親父が必死のプレゼントをする本編映像が到着した。

『そして父になる』『海街diary』に続き3作連続でカンヌ国際映画祭への出品が決定した本作で是枝監督が描くのは、“なりたかった大人”になれなかった大人たちの物語。今や国民的名優の阿部寛を主演に迎え、叶わぬ夢ばかり追い続ける情けない主人公・良多を、ときにおかしく、ときに切なく、チャーミングに演じている。そんな良多に愛想を尽かした元妻に真木よう子、良多の人生を穏やかな眼差しで見つめる母に樹木希林、さらに小林聡美、リリー・フランキー、池松壮亮、橋爪功ら豪華キャストが揃う。台風の夜に集まった元家族だが、嵐が去れば、またそれぞれの日常に戻ると分かっている彼らの想いが交錯する―。

今回、「こどもの成長と幸福」を願う日とされる“こどもの日”を記念して、ダメ親父・良多の必死のプレゼント大作戦に思わずクスっとしてしまう本編抜粋映像が到着した。15年前に文学賞を一度獲ったきりの売れない作家で、妻には愛想を尽かされ離婚したものの、息子の養育費も満足に払えないくせに彼女に未練たっぷりという、笑ってしまうほどのダメ人生を更新中の主人公・良多。そんな良多の月に一度の楽しみは、息子・真悟との面会。野球を始めたばかりの真悟に、スパイクをプレゼントするためにスポーツ用品店を訪れた二人。真悟は黒いミズノのスパイクが気になるものの、遠慮して値段の安いスパイクを選ぼうとする。それに気づいた良多は、「何お前遠慮してるんだよ、ミズノ買ってやるよ」と言ってみたものの、真悟にバレぬようこっそりとそのスパイクに傷をつけ、店員に値引き交渉を始めてしまうというダメ親父っぷりを披露する。ダメ親父なりに子供を想う優しさが感じられる、思わずクスっとしてしまうユーモア溢れるシーン。