映像化は不可能と言われた清水玲子原作のコミックを、プロジェクトの立ち上げから5年をかけて完成させた本作。被害者の“脳に残った記憶”を映像化し、迷宮入りした事件を捜査する警察庁の特別機関「第九」。室長を務める天才・薪剛(生田斗真)のもとに、新人捜査官青木一行(岡田将生)が配属された。脳内捜査を進めると、事件を根底から覆す“驚愕の真犯人”が現れた。次々と連鎖する事件が解き明かされた先に待ち受ける“第九最大の秘密”とは―。
今回行われた記者会見には、生田斗真、岡田将生、松坂桃李、栗山千明、大森南朋ら「第九」が初めて集結。撮影時のエピソードなどを語った。
生田は「どこか問題敵をしながらもエンターテインメント作品として仕上がっています。自信を持ってお届けできる作品です」と本作をアピール。松坂は「タブーぎりぎりを攻めた作品はなかなかない」と挨拶した。
今回が大友監督作品に初参加の生田は「近年なかなか出会ったことがないような欲望と熱が渦巻いている方だと思いました」と印象を語った。
生田は自身が演じる天才・薪について「トラウマを抱えて、立っているのに精一杯という役。撮影期間中もどこかストレスを感じ、辛さを感じながら日々過ごしていた」と振り返り、また共演者については「岡田くんや松坂くんという勢いのある“ゆとり世代”と共演できて嬉しかったし、楽しかったです」とジョークを交えて語ると、岡田は「ゆとりですがなにか(笑)」とすかさず返した。
役作りについて生田は「スタッフのみなさんが細かく知識を得ていて、もしかしたら近い将来、脳を覗き見ることができるんじゃないかというくらい。クランクイン前に『ナノマシンをどこどこに注入して・・・』と本気度合いを感じた」と語った。
薪のもとに配属された新人捜査官を演じる岡田は「チャレンジな役」と語り、「大友監督に『難しいことを考えずに芝居の中で大きいものを作れ、太い幹を作れ』と言われて、入る前から作品のことしか考えなかった。自分自身も役とともに大きくなろう」と決意したことを明かした。
薪の親友ですでに亡くなっている鈴木克弘洋役を演じる松坂は、死ぬまでの経緯を考え「強い思いを抱えながら現場に臨んでいた」と語る。また演技については「いかに体を動かさないか」に気を配ったと言い、初めて死んでいる役を演じたことについては「“無”です」と答えた。
生前の鈴木の恋人で薪とは古くからの友人である三好雪子を演じる栗山は「脚本の段階からうるっときた。最期に温かいものが残ってくれるんじゃないかと思います」と語った。
大友監督はプロジェクトに5年かかったこともあり今の気持ちを聞かれ「ほっとした」と答えた。また「主役や脇役に関わらずある意味で代表作になればいいという思い出やっています」と自信作であることを感じさせた。
撮影では、キャストが頭にカメラを装着する主観ショットでのシーンがあり、大友監督は「芝居をしながら俳優の心臓の鼓動が伝わるにはどうすればいいか、3、4ヶ月テストをして改良を重ねた」と語った。また、改良を重ねた結果、最後のカメラが一番軽くなったといい「一番最後の人は一番楽だったかな。吉川さんだったと思います」と話し笑いを誘った。また、脳内映像を再生するという設定について「脳内で演出されて、美化されている。それがおもしろいところで、物語のポイントにもなります」と語った。
また、主観カメラを使ったことにより、エンドロールで「脳内映像撮影」として生田や岡田らキャストの名前がクレジットされており、生田は「こういう形でカメラマンデビューするとは思わなかったし、スタッフのところに名前があることはないので嬉しかったです」と笑顔で語った。撮影時のエピソードでは、生田は「呼吸をするとかs布良がゆれる。セットを閉め切って役者だけの状態で撮影したので、熱い思い出です」と振り返った。岡田は「カメラマンとして少しずつ成長していきました。スタッフさんにもうまいねと褒められて嬉しかったです」と喜び、松坂は「僕はうまいとは言われなかったです」とコメントし、「すごい難しかった。微妙な角度で見え方が違ってくる」と撮影時を振り返った。大森は「新鮮な気持ちでした。何が必要なのか木を使いながらやっていました。手元なら大きめにしないと写らないとか・・・」と語った。
最後に大友監督は「スタッフ、キャストと一丸となって魂を込めて作り上げ作品。自分で言うのもなんですが、衝撃作です」、生田は「日本映画を次のレベルに持っていく要因になればいいなと思います」と本作をアピールした。
映画『秘密 THE TOP SECRET』は2016年8月6日(土)より全国で公開!
監督:大友啓史
出演:生田斗真、岡田将生、吉川晃司、松坂桃李、織田梨沙、栗山千明、リリー・フランキー、椎名桔平、大森南朋
配給:松竹
(C)2016「秘密 THE TOP SECRET」製作委員会