年に1度、親友たちと5日間の自転車旅行に出かけるハンネスと仲間たち。今年ハンネスが行き先としてベルギーを選んだのには、ある理由があったからだった―。不治の病を宣告される主人公・ハンネスをドイツの国民的俳優フロリアン・ダーヴィト・フィッツ、監督は、世界各国の映画祭で高い評価を得ているクリスティアン・チューベルト。本作は、トロント国際映画祭やロカルノ国際映画祭など世界各国の映画祭や映画賞で賞賛された。
イベントに登壇した澤穂希は、朝の時間帯に鑑賞したということだが「ハンカチなしでは見れない映画。みなさんはハンカチを持ってきたかなと心配」と挨拶した。「夫の気持ちも尊重したしたいし、どちらの立場もいたたまれない」とコメントした。
本作では、ヨーロッパの美しい風景を、仲間と自転車で走りぬけるシーンがとても美しいが、澤は仲間について「仲間という大事な存在がいたから今の自分がいる。仲間がいるとがんばれるし、励まされる。引退してからも特別な存在」と語った。また、「どれくらいで治るか分からない病気になったときに励まされた。言葉で支えてくれたり、リハビリで一緒に走ってくれたり」と仲間に感謝するように語った。また、怪我をして動けないときに「何もしなくていいから、グラウンドにいてくれればいい」と言われたことで勇気付けられたと振り返った。
チームワークをとる上で心がけていることについては「いろんな選手に声をかけていた。大変なこともあったけど、元気ないなと思う選手に声をかけたり、笑顔でサッカーをしてほしいというのがあった」と語った。また、そのきっかけについては「自分が先輩に声をかけられて励まされたから」と答えた。
主人公ハンネスが尊厳死が許可されているベルギーへの旅行を計画するということについて、澤は「自分が仲間の立場だったらどうするか考えてしまう。尊重はしたいし、時間の大切さ、一分一秒の大切さを感じる映画だと思う」とコメントした。また、「私だったら1日でも旦那さんといたいと思う。いろいろな思うがあり、葛藤もあると思うけど、妻としては1日でも長く、というのがあると思う」と主人公である夫の気持ちに理解を示しながらも、自分の立場に置き換えると素直に受け入れられない様子。
本作で、夫婦のあり方について考えさせられるシーンもあるが、昨年結婚した澤だが、結婚してから大事にしていることは「やりたいことを尊重しあう」ことだと言う。さらに「ケンカもするけど、その日のうちに仲直りする」と話した。
また、本作では主人公ハンネスは仲間たちと毎年自転車旅行をするが、旅に行ったエピソードとして「トーナメントの早い段階で高校生に負けたことがあった。そのときに急に思い立って傷心旅行で8人で伊豆に行った。クリスマスだったので、クリスマスプレゼントの交換をした」と振り返り、もらったプレゼントを聞かれると「選手の写真が入った写真立てでびっくりした(笑)」とコメントした。
この日が“旅の日”ということで、一番記憶に残っている国を聞かれた澤は「ギリシャとかなかなか行けないところ」が記憶に残っているといい、また料理については「イタリアがお勧め!『こんなにおいしいの食べたことがない』と思った」と語った。
最後に、澤にとってのグッドライフとは「限られた時間、いつまで生きられるか分からないので、一度しかない人生楽しみたいです」とコメントした。
映画『君がくれたグッドライフ』は2016年5月21日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAにて公開!
監督:クリスティアン・チューベルト
出演:フロリアン・ダーヴィト・フィッツ、ユリア・コーシッツ、ユルゲン・フォーゲル、ミリアム・シュタイン、フォルカー・ブルッフ、ヴィクトリア・マイヤー、ヨハネス・アルマイヤー、ハンネローレ・エルスナー
配給:ショウゲート
2014年/ドイツ/95分
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