「ハガレン」の愛称で親しまれている原作は、2001年に「月刊少年ガンガン」(スクウェア・エニックス刊)で連載が始まった後にTVアニメ化もされ、2010年に連載が終了した漫画家・荒川弘の代表作。10~20代を中心に爆発的な人気を獲得し、全世界でシリーズ累計7,000万部超という空前の記録を打ち立てている。少年誌での連載だが、オリジナリティ溢れる設定とビジュアルが男性ファンのみならず熱狂的な女性ファンも獲得している。
本作は、幼き日に最愛の母親を亡くした兄・エドワードと弟・アルフォンスの波乱に満ちた冒険と成長のストーリー。幼い二人は母親を生き返らせるために、“錬金術”の最大の禁忌(タブー)である“人体錬成”を行い、失敗する。その代償としてエドワードは体の一部を、アルフォンスは体全てを失い、魂を鎧に定着させた体になってしまう。やがてエドワードは国家錬金術師となり“鋼”の二つ名を授かる。失ったすべてを取り戻すため、兄弟の絶大な力を秘める“賢者の石”を探す壮大な冒険の旅が今、始まる―。
主人公のエドワード役を演じるのは『暗殺教室』シリーズの大ヒットが記憶に新しい「Hey! Say! JUMP」の山田涼介。山田は「僕自身も小さな頃から読んでいたのですが、現実離れした世界観でありながらもヒューマンドラマがちゃんと描かれている、そこに多くの人が心を惹きつけられているのだと思います。今回主演という立場を頂いた時は、原作が好きだからこそ、どんな作品になるのか疑問と想像が膨らみ、自分がこのプレッシャーに勝てるのか?という気持ちもありました」とオファーを受けたときの気持ちを告白している。さらに大規模な撮影とアクションシーンに挑むことについては「(アクションについて)できる限りスタントは入れず、自分を追い込んでやってみたいと思っています。CGなどの技術の発達がある今この時代だからこそ、実現できる。原作ファンの方にはもちろん、原作を知らない方にも、この作品の凄さをスタッフ・キャスト一同で作り上げていけたらと、身体を鍛え役への理解を深めることで、今は決意が固まりました」とコメントしている。
エドたちの幼馴染で機械鎧(オートメイル)技師のヒロイン、ウィンリィ・ロックベル役に『アオハライド』『起終点駅 ターミナル』でヒロインを演じた本田翼。「連載当初から読んでいて、単行本も完全版も大切に持っている本当に大好きな作品」と原作の大ファンを公表している本田は、本作への出演について「プレッシャーが凄いです。原作ファン、そして私たちの世代にこそ観て欲しいし、観たいと思わせる作品にできたらと思っています。」と語り、また「海外での撮影は初めてなので、しっかり準備をして臨みたいと思います」と語っている。さらに兄弟の良き理解者で、若き士官“焔の錬金術師”の名を持つロイ・マスタング役に、俳優だけでなく映画監督やアーティストと多彩な才能を発揮するディーン・フジオカ。「人気のマスタング大佐を演じさせて頂くプレッシャーはありますが、原作ファンの皆様の大きなご期待を背負えるようにまずは身体をひとまわり大きく増量して、役作りに望みたいと思います。学生時代にはボクシング、俳優のキャリアを始めてからは中華武術やテコンドーを含め日常的に練習し、過去の仕事でもアクションを撮影してきたので、その経験が今回の新しいチャレンジに活かせるよう頑張ります」と心境を語っている。
マスタング大佐の親友ヒューズ中佐役に佐藤隆太、マスタングの側近ホークアイ中尉役に蓮佛美沙子、ロス少尉役に夏菜、重要な役割を担う国家錬金術師のタッカー役に大泉洋、ドクター・マルコー役に國村隼、そしてハクロ将軍役に小日向文世が名を連ねる。さらに、エドとアルの冒険に立ちはだかるホムンクルス(人造人間)役、謀略に長けた“色欲”のラスト役に松雪泰子。松雪は「世界中にファンがいる今作。演じさせて頂くキャラクターは原作ファンの方々の思い入れも強いキャラクターだとお聞きし、身の引き締まる思いです。曽利監督とも実写の映画では初めてですので、どんな作品作りになるか、楽しみにしております」とコメント。ほかにも、“嫉妬”のエンヴィー役に本郷奏多、“暴食”のグラトニー役に内山信二、ホムンクルスと共謀するコーネロ教主役に石丸謙二郎と豪華な俳優陣が結集した。
また、本作で監督を務めるのは、『ピンポン』(2002)が大ヒットした曽利文彦。「『ピンポン』は企画段階から参加し、自らの想いが強く反映された作品ですが、今作はそれ以来となる自らが立ち上げた作品であり、特別な思い入れがあります。『鋼の錬金術師』の世界観やテーマ性、そして“生きていくことの真実”を描いた、この素晴らしいストーリーを幅広い世代にご覧いただけるよう、チーム一丸となって全力で取り組んでいきたいです」と映画化への情熱を語った。曽利氏はジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』でCGも手掛けた映像のスペシャリスト。今回、実写映画化が決定したことについて、原作者の荒川弘は「色々なメディア展開をしてきた鋼の錬金術師ですが、なんと実写化!マンガでは豆粒ドチビのすぐキレる主人公なので、山田さんに演じていただくのは、なんだか申し訳ない気分です・・・!!(あ、ヒロインもすぐキレますね。すみません・・・)曽利監督はマンガ表現とリアル部分をつなぐCGを上手に使われる方なので、アニメやゲームとはまた違った表現を見せていただけそうで楽しみです!」と映画とキャストに期待と信頼を込めたコメントを寄せた。
今回、錬金術が存在するファンタジーな世界観は映像化が不可能と言われていた原作の実写映画化に挑むのは、『ハリー・ポッター』『るろうに剣心』『デスノート』シリーズのワーナー・ブラザース映画。撮影は6月に世界観の表現を追求してイタリアロケから開始され、日本での撮影を経て8月下旬に終了予定。原作は世界21か国で発売されており、人気も極めて高いことから、ワールドワイドな展開を視野に入れていると言う。エグゼクティブ・プロデューサーの濱名一哉は「ワーナー・ブラザース映画が、自信を持って贈る、日本発のワールド・クラスの巨大プロジェクトです。世界中をアッと驚かすような作品を目指していきたいです」と語っている。
錬金術とは物質の構成や形状を変化させ新たなものに作り替える技術で、無から有を生む万能の術ではなく、「等価交換」を原則とする厳正科学である―。幼い頃、亡くなった母にもう一度会いたいという想いから “錬金術”において最大の禁忌とされる人体錬成を行った兄のエドワード・エルリックと弟のアルフォンス・エルリック。しかし、錬成は失敗。エドワードは左足を、アルフォンスは体全てを失ってしまう。エドワードは自身の右腕を代償にアルフォンスの魂を錬成して、鎧に定着させることに成功し、アルフォンスは一命を取り留める。時が経ち、エドワードは自ら失った右腕と左脚に機械鎧(オートメール)を装着し、失った身体を取り戻す手掛かりを得るために国家錬金術師となり、“鋼”の錬金術師と呼ばれていた。そしてその手掛かりが“賢者の石”と呼ばれる伝説の石であることを確信する。弟の体を取り戻すために命をかける兄と、彼を支える鎧姿の心優しい弟。亡き母の「人体錬成」の代償として失った全てを取り戻すため、不可能を可能にするほどの絶大な力を秘めると言われる“賢者の石”を探す二人の壮大な冒険の旅が今、始まる―。やがて“賢者の石”を探す旅は国家をも揺るがす巨大な陰謀をめぐる熾烈な戦いへ変貌していく―。
映画『鋼の錬金術師』は2017年冬、全国で公開!
監督:曽利文彦
出演:山田涼介、本田翼、ディーン・フジオカ、佐藤隆太、蓮佛美沙子、夏菜、大泉洋、國村隼、小日向文世、松雪泰子、内山信二、石丸謙二郎
配給:ワーナー・ブラザース映画
©2017 荒川弘/SQUARE ENIX ©2017映画「鋼の錬金術師」製作委員会