Netflixオリジナルドラマ「火花」の完成披露試写会が2日（木）にZepp DiverCity Tokyoで行われ、原作者の又吉直樹やキャスト、監督が登壇した。

日本純文学の最高峰である第153回芥川賞を受賞した芸人・又吉直樹による小説「火花」。単行本が累計250万部を超え、社会現象となった話題作を実写化した本作。世界最大級のオンラインストリーミングサービス「Netflix」で全10話が、日本を含む世界190か国で同時配信される。

今回の舞台挨拶に登壇したのは、林遣都、波岡一喜、門脇麦、好井まさお、村田秀亮、菜 葉 菜、徳永えり、高橋メアリージュンらキャスト7名、廣木隆一監督、白石和彌監督、沖田修一監督、久万真路監督、毛利安孝監督ら監督5名、そして原作者の又吉直樹、主題歌を歌うSPICY CHOCOLATE、西内まりや、YU-Aら総勢16名。

全10話のうち3話までが上映された後、ステージ上で行われた本作挿入歌のSPICY CHOCOLATE「二人で feat. 西内まりや＆YU-A」ライブの歌声に聞き入る観客。ライブが終わると、総勢12名のキャストと監督らが続々と登壇。客席からは大きな歓声が沸き起こった。

本作で主演を務める林は「頼もしい監督陣、4か月間寄り添ってくれたスタッフたち、大好きなキャストとこの『火花』を残せたことを誇りに思う。一生自慢できる作品になりました」と挨拶。波岡は「21年間やってきた俳優生活を全部出し切れたんじゃないかな」と話し、門脇は「（主演の）2人がいとおしい。4話以降も引き続きお楽しみいただきたいのでレッツ・ネットフリックスで（笑）」と笑いを誘った。徳永は「出来上がりを観て、みんなで魂を削って出したものなんだなと思いました」、高橋は「好井さんと林さんとのシーンが多かったのですが、2人とも成りきっていたので、2人に会えば（高橋が演じる）百合枝になれた。お芝居ですが真実がある、嘘のない現場でした」と挨拶した。

原作者の又吉は「小説で書いてないシーンで、グッときた部分があって、僕が書いた小説だけど、これは僕だけのものじゃなくてみんなが見てた風景なんだと気づいた。みんなで共有していた風景を僕が文字にしていた」と感慨深げに語った。また、自身のお笑いコンビ・ピースの相方である綾部祐二を引き合いに出し「後輩の好井が『役者としてやっていきたい』というのを聞いて、また綾部を生み出してしまったなと思った」と話し、さらに「僕は今日が誕生日なんですけど、人生に対するご褒美だなと感じました」とコメントすると場内からは大きな拍手が起こった。

俳優として、漫才をやることについて林は「最後まで慣れることは一切なく、舞台に立つのは怖かった」と語り、「好井さんという信頼できるパートナーがいて、時間をすごしていくうちに、怪物級におもしろい人だなと思った。感謝しかない」と絶賛すると、好井は「怪物級と言われると話しづらい（笑）」と答え、「すごい練習熱心な方で、林くんの家で練習しているときに、座りながら練習して、立って練習して、窓向いて練習して、キッチン向いて練習して･･･。なんでそうやったのかはいまだに疑問ですけど、一心不乱に練習した」と明かした。

同じく芸人を演じた波岡は「大変だとは感じていたし、何よりも『ロッキー』でシルベスター・スタローンがボクシングが下手だとおもしろくない」と例を挙げながら、劇中で相方役を演じた村田について「超人的に突っ込みがうまい」とべた褒め。村田は「やめてください！」と照れ笑いしながら、波岡について「練習熱心で、6回目くらいからアドリブを入れてくる余裕がある波岡さんでした」と明かした。

俳優が演じる芸人役を見て、自身もお笑い芸人として活躍する又吉は「すごかったですね。笑いながら観ましたし、リアリティがあった」と賞賛した。

本作で夢を追う男性を支える役として、波岡演じる神谷と同居する真樹を演じる門脇は「支えたい気持ちも半分、安定しているのがいいなと思う気持ちも半分」と話し、笑いを誘った。また、徳永も「自分が一生懸命やることで、相手が一生懸命やろうってなるのは支えになっているのかな」と話しつつ、「ただ安定しているほうがいい」と意見を述べた。高橋は「夢を持っているのは素敵ですよね。ないよりはいいです」とコメントした。

最後に、林は「俳優として10年間やってきたすべてをこの作品にぶつけました。これだけ人を魅了した作品を引っさげて海外に発信できることが発信できることが嬉しくてたまらない。胸を張って、人生で一番大切な日。何よりも又吉さんに感謝しています」と語り、又吉は「純粋に楽しみです。どういう風に見ていただけるのか、ワクワクしています。勇気がなくてレッツ・ネットフリックスと言えなくてすいません」と最後に笑いを誘いながらも自らの気持ちを表現した。