世界が認めた本格ミステリーの巨匠・島田荘司が描く「御手洗潔」シリーズ。1981年の「占星術殺人事件」以来、49作目となる最新作「星籠の海」を原作としてシリーズ初の映画化された本作。主演を務めるのは、NHK連続テレビ小説「あさが来た」で優しく妻を支え続けた新次郎を熱演した玉木宏。本作では、天才脳科学者でありながら探偵を趣味に持つ、クールで冷静沈着な御手洗潔を演じる。原作者の島田が「御手洗潔を演じられるのは、玉木宏しかいない」と出演を熱望し、その演技について「突出した知性を漂わせ、講義の場面にも推理の披瀝にも強い説得力を発揮する」と絶賛する。また、唯一の映画オリジナルのキャラクターである、御手洗の大ファンで編集者の小川みゆき役として広瀬アリスが共演する。メガホンを取るのは「相棒」シリーズでメイン監督を務める和泉聖治。
今回行われた舞台挨拶には玉木宏、広瀬アリス、石田ひかり、谷村美月、小倉久寛、和泉聖治監督が登壇し、撮影時のエピソードなどを語った。
主役を演じる玉木は「非常に緊張感はありましたが、やりがいのある役柄でした」と挨拶した。原作者から、この役を演じられるのは1人しかいないと言われている玉木はだが、撮影後にも役になりきる場面が多かったといい「一言では語りつくせない人物。撮影が終わってからも役と向き合う時間が多かった。今になって、こういう側面もあったと気づくこともある」と語った。また「IQ300以上で頭脳明晰なので映画では無機質で機械的な人間を目指していたんですけど、やはり人間なので、どこか人間らしさも醸し出さなきゃいけないので、不器用な人間性を埋め込んだつもり」と演じるうえでのコツを語った。
映画オリジナルのキャラクターであるみゆきを演じた広瀬は「台本を読んだ時に、お話にそぐわないキャラクターだと思った。映画がシリアスな分、みゆきはあえて明るく浮いていこうと思った」と振り返り、「玉木さんとご一緒するシーンが多かったけど、お芝居の話は一切しないで、いい感じにかみ合ってなかった(笑)」と語り、玉木が「普段からかみ合ってないですけどね(笑)」と突っ込みを入れる場面もあった。玉木は広瀬について「誰よりもムードメイカーでした」と評した。
本作のキーポイントともなる役を演じる谷村は「緊張した。映画の現場だったという気が・・・」と言うと、玉木が「映画ですよ(笑)」と返した。谷村は玉木について「圧巻でした。涼しい顔して通り過ぎて、こういう人を見たことがないと思いました」と話し、場内からは大きな笑いが起きた。
劇中で、御手洗とともに事件解決に挑む刑事を演じる小倉は、IQ300あったら何をするかを問われ「IQ300が想像つかないです。せっかくそういう頭脳があるなら世の中の役に立たなければいけないので、世の中の役に立つ発明をして特許を取って特許料で生活したい。どういう発明かはIQ300にならないと分からないですね」と答え、笑いを誘った。
続けて、身近に御手洗潔がいたら解決してもらいたい事件を聞かれ、玉木は「小学4年生の時に親友が北海道に引っ越したんですけど、今何をしているかを知りたい。いまだに思い出したりします」と答え、広瀬は「よく転ぶんです。悩みとか事件ってそれくらい」と言うと、玉木から「それは探偵に頼むことじゃないでしょ」と突っ込まれた。
イベントの終盤では、劇中で御手洗が事件を“ひもとく”ことから、大きなくす玉を“ひもとく”ことに。最後に、玉木は「小説は目と想像力で楽しむものだと思いますが、映画は目と耳と想像力で楽しむものだと思います。上質なミステリーをお届けできる作品になっていると思います」とメッセージを贈った。
映画『探偵ミタライの事件簿 星籠(せいろ)の海』は2016年6月4日(土)より全国で公開!
監督:和泉聖治
出演:玉木宏、広瀬アリス、石田ひかり、要潤、谷村美月、小倉久寛、吉田栄作
原作:島田荘司「星籠の海」(講談社刊)
配給:東映
(C)2016 映画「星籠の海」製作委員会