研究所から盗まれた未知の生物兵器「K-55」。手がかりはスキー場らしき場所で撮られたテディベアの写真のみ。さらに犯人が突如脂肪する中で、頼むの綱はすべてを押し付けられた研究員―。原作は、日本を代表するベストセラー作家・東野圭吾。発売から10日間で100万部を超える大ヒットとなったミステリー小説を映画化した。主人公の研究員・栗林を阿部寛、栗林をサポートするパトロール隊員・根津を大倉忠義、根津とともに捜査に協力するスノーボードクロス選手・千晶を大島優子が演じる。豪華なキャスト陣の演技に、「サラリーマンNEO」や「あまちゃん」の演出を手掛ける吉田照幸監督がメガホンとを取り、東野圭吾原作のサスペンスにユーモアを加えた“疾風怒涛ムービー”に仕上げた。
今回、本作のクランクアップ会見に、主演の阿部寛、出演する大倉忠義、濱田龍臣、志尊淳、吉田照幸監督が登壇し、極寒の雪山での撮影時のエピソードなどを語った。
会場をスキー場に見立てて、撮影が行われた野沢温泉スキー場で使われているものと同じスキーリフトに乗って登場した登壇者。「こういう仰々しい登場の仕方は初めて」と挨拶した阿部は「3月まで撮影して、出来立てほやほや」と感慨深げに語った。大倉は「雪山でずっと泊まりながら撮影して、楽しくあっという間でした」、大島は「とにかく阿部さんがおもしろい映画で、一緒に撮影しながら笑わせていただきました」と挨拶した。
オファーを受けた時の気持ちを聞かれ、阿部は「『サラリーマンNEO』を見ていて、その監督が手掛ける東野圭吾原作の作品ということで、二つ返事でやらせていただきました」と答え、「運よく上手スキーが上手な役ではなかったのでほとんど自分でやらせていただきました。例年より雪が少なかったんですけど、僕が行った日に雪が降って・・・僕雪男なんです」と話し、笑いが起きた。大倉は「プロフィールに趣味がスキーと書いてあったと聞いたんですけど、2回しかやったことがない」と告白。「取材の時に冗談で言ったのがプロフィールになっていたのかな」とコメントした。大島は「『きたーーー!』と思いました。9歳の時からスノーボードをやっていて、趣味が高じて仕事になる、そんな喜びはないなと思いました」と答えた。濱田は「スノーボードは初めてで、スキー場に行くのも初めてで緊張しましたが楽しい現場でした」とコメント。志尊は「今まで年下の役が多かったけど、濱田くんたちを見るお兄さん的な存在を演じ、人見知りな部分もあるけどそんなことは言ってられないと思った」と明かした。
東野圭吾原作の作品に出演経験があるキャストが多い中、ドラマ「新参者」やその劇場版『麒麟の翼』に出演する阿部は「本作はノンストップサスペンスにユーモラスな部分が入っている。ユーモラスな部分は監督に指導のもと演じた」とコメント。劇中では阿部演じる研究員を怪しい目で見ながらもサポートすることになるパトロール隊員を演じる大倉は「コミカルな阿部さんの役を間近で見て、笑わないでいるのに必死でした。イメージにはないので、まじめな顔をして変なことをされるとたまらない」と振り返り、監督については「細かいことはおっしゃらないけど、真摯に作品に向き合う方」と評し、「年齢に関係なく相談してくれて、まじめに向き合う空気を作ってくださる方」と称賛した。ドラマ「ガリレオ」(第2シーズン)に出演した大島は「監督のコメディ要素が入ってくるので単純なサスペンスとは言えない。活字では自分で想像するけど、映像では疾走感が出ていてテンポがいい」と語り、「監督の趣味は手相占いです」と明かし、笑いを誘った。志尊は「コミカルなシーンが多くて、まじめなシーンですが、阿部さんを見ると笑いがこみ上げてくる」と振り返った。また、吉田監督に“趣味の手相”を見てもらった志尊は「欲がない」と言われたと言い、阿部から「欲がなくても大丈夫」とフォローされたことを明かした。
「役者さんの邪魔をしないで、現場を作るのが一番の仕事だと思っている」と自身の考えを語る吉田監督は、阿部については「今まで演じた全ての顔が見られる」、大倉については「振り向いた瞬間がかっこいいので、振り返るシーンを多くしました」と話し場内が笑いに包まれた。大島については「気の使い方がすごい。みんなが遠慮して、阿部さんがお菓子を食べながらひとりになっているところに、すっと近づいてコミュニケーションを取っていた」と明かした。濱田については「大食いで食べ過ぎて、午前と午後の撮影がつながらない。戒めてほしい」と冗談めかしてコメント。志尊については「とにかくかっこいいので近づきたくない」とコメントした。
スキーが下手な研究員役を演じた阿部は、スキーが全くできないと言い「できる人が転ぶのは難しいので、僕はできないから、そこはできる人より上回っている」と話し笑いを誘った。また、大島はエキストラで出演する人が上手なことに触れ「大倉さんは元スノーボードクロス選手役なのでうまく見せなきゃいけないので、エキストラの方に『おれがうまく見えるように下手に滑ってください』と言っていたのを見かけました」と暴露。慌てた大倉は「それでもうまかった」とコメントした。
映画『エヴェレスト 神々の山嶺』(2016)に出演した阿部は、エベレストから生還した経験は生かされたかの質問に対して「初日はエベレストより寒かったんです」と明かし、「日本のほうが寒くてびっくりした。次の日からは天気がよくなって、温泉に入りながらやらせていただいた」と答えた。また、ロケ地の野沢温泉では、大島が温泉巡りをしていたと明かし、大島は「6か所くらいしか行けなかった」と残念そうに話し、「着替えているときに、『本物ですか?』と聞かれ、『一応本物です』と答えた。いろんなところを気にしながら着替えました(笑)」と振り返った。大倉は「自分の家のようにいろんなところにお邪魔してリフレッシュできました。水もお酒もおいしくて、ただ泊まらせていただくだけでリフレッシュできた」とコメントした。志尊は「二十歳を超えてから地方で撮影するのは初めてで、地酒がすごくおいしくて楽しい時間でした」と語った。
映画『疾風ロンド』は2016年11月26日(土)より全国で公開!
監督:吉田照幸
原作:東野圭吾「疾風ロンド」(実業之日本社刊)
出演:阿部寛、大倉忠義、大島優子、ムロツヨシ、堀内敬子、戸次重幸、濱田龍臣、志尊 淳、野間口 徹、麻生祐未、生瀬勝久、柄本明
配給:東映
(C)2016「疾風ロンド」製作委員会