シニカルな「会話」の面白さだけで読者を魅了する斬新なコミックを実写映画化した本作。『セトウツミ』は、主人公の瀬戸と内海を組み合わせたもの。クールな塾通いの内海役を池松壮亮、天然な元サッカー部の瀬戸役を菅田将暉が演じ、ヒロインで女子高生の樫村役には人気急上昇中の中条あやみと人気と実力を兼ね備えた若手キャストが集結。監督を務めるのは『さよなら渓谷』、『まほろ駅前』シリーズの大森立嗣。特別なことは何も起きない、ありふれた毎日の、ほぼ“喋る”だけの青春映画。
今回行われた舞台挨拶には、主演の池松壮亮と菅田将暉、大森立嗣監督が登壇し、撮影時のエピソードなどを語った。
大歓声に包まれて登壇した池松は「時間も短いし、サクッと見れると思うので、いい暇つぶしになるかと思います」と挨拶。上映時間が75分という本作は、ただ“喋る”ということに注目した映画。池松は「喋るだけの映画って挑戦的だし、川辺で喋るだけで映画になりえるのかという不安はありました」とオファーを受けた時の気持ちを語った。菅田は「すごく楽しそうだなと思いました」と第一印象を語り、「もともと原作を知っていたので楽しみでした」と振り返った。また、実際に撮影に入ると池松は「撮影は1週間くらいなので手ごたえはないんですけど、たしかに1週間座ってたなというくらい・・・」と短い撮影期間だったことを明かした。
撮影前の菅田の印象を聞かれた池松は「心も体もやわらかい、柔軟性がある俳優だなという印象でした」と語り、菅田は「役者の鏡だと聞いていて、その通りでした」と返すが、微妙な間合いがあることに、大森監督は「べたつかない感じがすごくいい。仲いいのか悪いのか分からない感じが好きでした」と称賛した。
撮影はひたすら河原に座って行われたといい、その時の苦労を聞かれると菅田は「お尻が痛かったです」と答え、大森監督は「途中で座布団を用意したら、忘れてそのまま撮影しちゃって撮りなおした」というエピソードを語り、菅田も「おれら気づけよって感じですね」と笑いながら答えた。続けて、撮影時の印象を聞かれた池松が「お尻が痛かったです。途中で座布団を買ってくれたんですけど・・・」と話し出すと、菅田は「その話したやん」とすかさず突っ込み。池松は「こっからやん」と返すなど、劇中の瀬戸と内海のような掛け合いを披露した。
印象に残ってるエピソードを聞かれた菅田は「思ってたより池松くんがぼけることが好きな人。突っ込むのが大変でした」と明かした。さらに上京して7~8年が経つ菅田は「漫才だから突っ込みだボケだとかではなく、日常にそういうことがあった。池松くんといるとそれを感じた」と懐かしさを感じたことを語った。
本作では2人が関西弁での演技を行っているが、大阪出身の菅田は「新鮮でした。土地に助けられたところはあります」とコメントし、池松は「初めてで、難しいのでできればやりたくなかった。できれば大阪で公開してほしくないんですけど、しゃべるだけの映画で関西弁がちゃんとできてないのも嫌なのでちゃとやりました」と語った。また、菅田からの評価は「78点って言ってました」と池松が明かし、場内は笑いに包まれた。
続けて、本作の特報ショートムービーとして公開されている3本のうちの「スタンディングオベーション」が生披露され、目の前で繰り広げられる瀬戸と内海の掛け合いに、観客はまさに“スタンディングオベーション”となった。
最後に本作について池松は「今みたいなのをずっと続けてる映画なんです。たまにんはこういう映画もいいんじゃないかな」、菅田は「75分なので見やすいので、それぞれが楽しめるポイントを見つけられれば」、大森監督は「2人のお芝居を堪能してもらいたい」とメッセージを贈った。
映画『セトウツミ』は2016年7月2日(土)より新宿ピカデリーほか全国で公開!
監督:大森立嗣
原作:此元和津也(秋田書店「別冊少年チャンピオン」連載)
出演:池松壮亮、菅田将暉、中条あやみ、鈴木卓爾、成田瑛基、岡山天音、奥村勲、笠久美、牧口元美、宇野祥平
製作・配給:ブロードメディア・スタジオ
(C)此元和津也(別冊少年チャンピオン)2013 (C)2016映画「セトウツミ」製作委員会