2014年に公開され大ヒットした映画の続編『超高速！参勤交代 リターンズ』の完成報告会見が16日（木）に都内で行われ、佐々木蔵之介らキャストと本木克英監督が登壇した。

幕府から突然の参勤交代を命じられた磐城国（現在の福島県いわき市）の湯長谷（ゆながや）藩。山道を走り抜けなんとか江戸への参勤を果たした彼らだったが、参勤交代とは行きが＜参勤＞、帰りが＜交代＞。まだ参勤交代は終わっていなかった。一行は故郷を目指し江戸を出発するが、その道中に藩で一揆が勃発、ついには城を奪われるという大ピンチに襲われる。彼らに打ち負かされた老中・松平信祝（のぶとき（陣内孝則））が逆襲を始めたのだった。ふたたび絶体絶命に陥った湯長谷藩。さらなる無理難題に今度はどんな奇策で挑むのか―。

今回、本作の完成報告会見が行われ、佐々木蔵之介、深田恭子、伊原剛士、寺脇康文、柄本時生、六角精児、陣内孝則、西村雅彦らキャストと、猿の菊千代、本木克英監督が登壇し、撮影時のエピソードなどについて語った。

曇り空のこの日に行われた会見に登壇した佐々木は「前作のクランクインの時も、リターンズの時も雨が降りました。今日も雨かと思いましたが、いいスタートが切れました」と笑顔で挨拶した。

前作の公開から2年が経ち制作された続編について、佐々木は「『嘘でしょ？』と思った。『また走るんですか？』と聞いたら、『倍で走ってもらいます』と超高速で決まりました」と振り返った。オファーを受けた翌日から体づくりに励んだという西村は「こう高速で走ることが苦にならないように走りました。あと、人の迷惑を顧みず大きな声を出しました。それが生かされているんではないかと」と話し、笑いを誘った。また、前作のキャストが多く集まったことについては「誰よりも成長したのが（猿の）菊千代ですね。僕らは成長してないんですけど、菊千代はいい芝居をしていました」と語り、劇中で菊千代を肩に乗せている柄本は「前作のときは大変でしたが、今回は大きくなっていて楽でした」と振り返った。陣内は“俳優生命をかけた”ので「シリーズ化して生活が安定したらいいなと思う」と話し、笑いが起きた。

前作の撮影の時点では続編の予定はなかった言う本木監督。「去年、脚本を作ってみようと、いくつかのアイデアが出て、帰り道の話にしようとなった。前作と続編を作るうえで違うのが、俳優自身がキャラクターを理解しているので、おもしろくすることできた」と振り返った。

撮影時の思い出は「飲みに行ったこと」という佐々木。一升瓶を何本開けたかも覚えていないほどで、「昼過ぎに撮影が終わって、寺脇さんと西村さんのなじみの店の蕎麦屋に行った」とエピソードを語った。また、その時に撮影中だったという伊原は空港で合流してから飲んだと話し、深田は「飛行機に乗り遅れるくらいぎりぎりでした」と明かした。

前作では恋人だったのが、本作では夫婦を演じる佐々木と深田だが、佐々木は「祝言（結婚式）のシーンで、姫（深田演じるお咲）を改めてみて、このまま終わっていいと思った。それくらい美しかった」と称賛し、深田は「きれいな着物ばかり着せていただいた。蔵之介さんも素敵でした」と語った。

前作よりも“パワーアップしている”という本作だが、見どころについて佐々木は「菊千代が断トツでパワーアップしている。悔しいくらい」と話し、「ふんどしで川を泳ぐシーンがみどころ」と語った。西村は「自分に妻と子どもがいたということに驚いた。いないと思ったのにいたんだ･･･と。撮影中は、嫁とは会うことができず、娘とはすれ違いました。こんな娘だったのかと」と話し会場は笑いに包まれた。寺脇も「私も妻がおりまして、尻にしかれ具合が抜群で見どころ」と語り、「剣を極めている」ところも見どころと明かした。

最後に佐々木は「やりすぎました。でも後悔はしていないです。満足しています」と語り、本木監督は「時代劇だからこそできることを詰め込んだ作品」とアピールした。