『ディストラクション・ベイビーズ』で商業映画デビューした真利子哲也監督と、『64-ロクヨン-前編』『～後編』の瀬々敬久監督のトークイベントが19日にテアトル新宿で行われた。

真利子監督が自主制作で映画を撮っていたころから知っている瀬々監督は、2003年の調布映画祭で「真利子くんが『ほぞ』という作品を出したときに審査員をやっていた」ことが出会いだと振り返る。この作品を見たときに「思わず正座して、『こいつはすごい』と思った」と語った。また、このときにグランプリを受賞したが「真利子哲也に賞を与えないとやばい人間になっちゃうからと聞きましたが」とMCに振られると、瀬々監督は「それは冗談ですけど、近代稀に見るすごいやつが現れたと思った」と賞賛。

初期の真利子監督の作品ではほとんどが自身が主演だが、撮影時には「自分にロープを巻きつけ、ロープの端をアンテナにくっつけマンションの屋上から飛び降りる」という撮影を行ったことを語り、「死んでもおかしくなかった」と瀬々監督が語った。また、自身が演じることについて真利子監督は「人に頼めないので自分でやった」とコメント。

今回、大ヒットとなった商業映画デビュー作の『ディストラクション・ベイビーズ』だが、本作について瀬々監督は「『ほぞ』を超えた。素晴らしい」と話し、さらに「この映画を超えられるものは10年くらいは撮れないと思う。ついにやったな」と絶賛。真利子監督も「『すごいな』って電話くれて。でも怖いのでその先まで聞けなかった」と振り返った。また、瀬々監督は真利子監督について「変わりましたね。会話ができるようになった」と賞賛。

最後に真利子監督は「瀬々監督は大きな映画をやりながら自分の作りたい映画も作る憧れの監督で、自分もそうやっていかたらと思っています」と笑顔で語った。