シニカルな「会話」の面白さだけで読者を魅了する斬新なコミックを実写映画化した本作。『セトウツミ』は、主人公の瀬戸と内海を組み合わせたもの。クールな塾通いの内海役を池松壮亮、天然な元サッカー部の瀬戸役を菅田将暉が演じ、ヒロインで女子高生の樫村役には人気急上昇中の中条あやみと人気と実力を兼ね備えた若手キャストが集結。監督を務めるのは『さよなら渓谷』、『まほろ駅前』シリーズの大森立嗣。特別なことは何も起きない、ありふれた毎日の、ほぼ“喋る”だけの青春映画。
今回、舞台挨拶に池松壮亮、菅田将暉、中条あやみ、大森立嗣監督が登壇し、初日を迎えた思いなどを語った。
全編ほぼ“喋るだけ”という本作だが、菅田は「僕と池松くんが座って喋っている映画です。完全にDVDで見る感じのこの映画をでっかいスクリーンに見に来てくださるみなさんが大好きです」と挨拶し、場内からは笑いが起きた。
池松と菅田が、瀬戸と内海という仲の良いコンビを演じる本作だが、お互いの印象を聞かれた池松は「えーっとー」としばらく沈黙し、菅田が「なんかあるやろ」と突っ込む場面もあった。続けて池松は「菅田くんとは今年共演作が続いたのでしばらくないと思います。続編があればやりますし、なければしばらくないでしょう。またどこかでお会いしたいです」と“別れの挨拶”のようなコメントをして笑いを誘った。また、ほかの現場でも瀬戸と内海のように話していたようで、池松は「うるさかったかな」と反省気味に語り、菅田は「某映画では東出くんが困ってた」とエピソードを語った。「下手したら口きかずに終わるかなっていうイメージだった」と振り返る菅田だが、大森監督は「劇中で第0話というのがあるんですけど、ふたりはまさにあんな出会いをしてた」と語った。また、中条は「仲悪そうに見えるけど仲いいので安心してください」と笑顔でコメントした。
昨年10月に撮影された本作だが、撮影時のエピソードを聞かれた池松は「完成披露でも話しましたがお尻が痛かった」と改めて語った。ロケ現場にはファンが集まったということだが、その中に菅田の祖父がいたという驚きのエピソードが飛び出し、菅田は「『来たでー』って2万円(をひらひらとさせていた)。本人は差し入れしたかったけど、何したらいいかわからなくなって財布から2万円取り出した。見に来ていた方と『おじいちゃんです』って話してた」と振り返った。また、撮影現場を見に来ていたファンの代わりに「おじいちゃんが呼んで見に来ていた方を喜ばせてた。接客業だから優しいんです」と話し笑いを誘った。
本作の“喋るだけの青春”というキャッチコピーにちなみ、自身の高校時代について聞かれた大森監督は「極真空手をやっていたのに強くなくて“傷だらけの青春”でした」と答え、場内からは大きな拍手が起きた。続けて中条が「チャリ通だったので“チャリンコだけの青春”」と明かし、菅田は「9割5分が仮面ライダーで、残りの5分はずっと部活でした。1年生は部室に入らせてもらえないんで“体育館裏の青春”ですね」と振り返る。池松は「僕は野球漬けだったんですけど、協調性のないメンバーが集まってしまい、練習が始まる前も休憩中もずっと部室。夜は警備員が来るまでいました」と語った。
最後に本作について菅田は「サクッと見て、気軽に周りの人たちを誘ってもう一回見に来れる映画だと思います」、池松は「漫画が原作なんですけど、題材がまだまだおもしろいのがあって、お客さんのいり次第でいくらでもできるねって裏で話してます。気に入っていただけたらまた身に来たり、知り合いの方にしゃべってもらえると嬉しいです」とアピールした。
映画『セトウツミ』は2016年7月2日(土)より新宿ピカデリーほか全国で公開!
監督:大森立嗣
原作:此元和津也(秋田書店「別冊少年チャンピオン」連載)
出演:池松壮亮、菅田将暉、中条あやみ、鈴木卓爾、成田瑛基、岡山天音、奥村勲、笠久美、牧口元美、宇野祥平
配給:ブロードメディア・スタジオ
(C)此元和津也(別冊少年チャンピオン)2013 (C)2016映画「セトウツミ」製作委員会